労働人口の減少により、子育て中の母親や介護を行っている従業員に、在宅勤務ができる制度を導入している企業が増えてきました。会社側が労働の対価として給与を支払うのは当たり前の話として、私用の無線LANや携帯電話を使ってもらう時、実務上の費用負担はどのように会計処理すればよいでしょうか?解説します。
在宅勤務者へは給与を支払う必要があるの?
労働人口の減少により、子育て中の母親や介護を行っている従業員に、在宅勤務ができる制度を導入している企業が増えてきました。
ダイバーシティを推進するため、通常勤務ができる社員であっても在宅勤務を認めることで、優秀な人材を確保する企業もあります。
このように在宅勤務を行う場合、「遊ばず真面目に」会社の業務を行うわけですから、会社側は当然給与を支払う必要があります。
ここまでは良いのですが、彼らが在宅勤務する場合は、他にも経費がかかります。
これらはどのように処理すれば良いのでしょうか?
在宅勤務者への経費は給与で支払うのが現実的
社員が在宅勤務を行う際は、給与以外にも諸費用が生じます。代表的な例が、無線LAN使用料、携帯電話の使用料などです。
会社は、これらの費用をどのように処理できるでしょうか?
気前よく、会社がこれらの費用を全額負担する場合は、必要経費として全額処理すれば良いだけのことです。
ただし、短時間正社員など制限付きの在宅勤務者を雇用する場合、費用対効果が合わないケースも生じるため、私用の機器を利用してもらうこともあるでしょう。
履歴などを取っておけば、費用を按分して、会社が業務使用分として、社員に一部費用を支給することも可能かもしれません。
この場合は、支給した分は給与としてカウントされません。
しかし、これらを行うのは非常に不効率な作業であるため、実務的には一定額を給与(手当)として支給し源泉徴収することが、会社や従業員の負担を軽くする上では現実的です。
まだ在宅勤務者がいないうちに制度を整えよ!
地方出身者が、親を看護するために地元にいながら、東京の会社で働く、というような事例は今後更に増えていきます。
大企業では、これに対応した制度設定が進み始めていますが、中小企業ではマチマチというのが現状です。
まだ、コトが起きていないうちに、ぜひ在宅勤務者へ対応する制度を整えておくことをオススメいたします。