月初に入った社員が数週間で会社を辞めて、更に同じ月内に違う会社へ転職していたとしたら、経営者としては複雑ですよね。ただし、同一月内に社会保険の取得と喪失を繰り返した場合、最後に取得した被保険者分の標準報酬が年金額に反映されるため、前職の会社は厚生年金保険料の還付請求を行うことでお金が戻るので幾分かの節約が可能になります。
月初に入った社員が同じ月にいきなり辞めて違う会社へ転職していた!
どうしようもない話なのですが、月初に入った社員が数週間でいきなり会社を辞めるというのは、結構ある話ですよね。
貴方の会社がブラック企業ならまだしも、最近だと自分に合わないと感じたら、すぐに辞める社員さんも多いので人事ではありません。
経営者としては、採用にかけたお金や労力が無駄になる分、前向きに今回の経験を次に生かすしかありません。
ところがです!
元社員と偶然SNSで繋がっていたので、投稿が上がっているので見てみると、同じ月に元社員が違う会社に入社しているではありませんか!
もうこれは、ガックリすると同時に悲しくなってくるもの(´;ω;`)
しかし、こんな時こそ経営者ならば顔をあげましょう。ラッキーな節約タイミングが発生しているからです。
その理由をご説明します。
同一月内に社会保険の取得と喪失を繰り返した場合は還付請求を受けられる
社会保険料は、同月内に取得と喪失があった場合に、1ヶ月分の保険料が発生します。
しかし、厚生年金保険の保険料が戻ってくる例外もあります。
例えば、9月1日に社会保険に加入し9月15日に喪失した労働者が、9月20日に再度社会保険に加入した場合です。
同じ月内に個人が入社と退社を繰り返した場合、それぞれの期間の標準報酬が合算されるわけではなく、最後に取得した被保険者分の標準報酬が将来の年金額に反映されます。
同一月内に取得と喪失が複数回行われた場合は、最後に取得した期間以外の期間に納めた保険料が「過払い」となるのです。
ですから、その分について、会社は還付を請求することができるのです。
ただし、会社負担分も還付されるので、会社が日本年金機構に還付請求をして、労働者分も受け取って会社から労働者に還付する、という流れが必要になります。
たとえ少額でも、保険料が帰って来れば節約になりますし、少しは採用活動も浮かばれるのではないでしょうか?
年金事務所からのお知らせを必ずチェックする
数日で辞められた会社側にして見れば、退職した労働者が退職後に社会保険に加入したかどうかは、普通はわからないものです。
従って、このようなケースでは、年金事務所からお知らせが届くことになっています。
ところが皆さん、還付請求できるのに、元社員へも負担分を返金する連絡が取りにくいようで、どうやら還付請求を出していない場合がほとんどです。
もし、年金事務所からお知らせが届いたら「ラッキー!」と思って、迷わず還付請求を受けましょう。
元社員にも少額かもしれませんが、連絡して負担分を返金した上で、気持よく新しい会社での活躍を願ってあげようではありませんか!
ちなみに、還付できるのは厚生年金保険料だけであることと、あまりにも元社員への返金通知が遅くなると連絡が取りにくくなる点は、注意していただければと思います。