社名変更にかかる費用っていかほど?

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パナソニックの社名変更(正式には商号変更)に300億円の費用がかかったことは有名な話ですね。

創業時から主要業務が変わった場合、時代の変遷によるイメージアップなど、どんな企業でも社名を変更する可能性はゼロではありません。

この記事では、社名変更を行う際の具体手続きや、初期費用をおさらいしてましょう。取引先が社名変更を行う際に契約締結で追加するべき条項についても軽く触れます。

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パナソニックの社名変更費用は300億円

創業者の松下幸之助が考案し約80年間愛された「ナショナル」ブランド。2008年、会社名を松下電器産業からパナソニックに変更するにあたり、「ナショナル」ブランドも廃止されることになりました。

松下・パナソニック・ナショナル、確かに1社で3つの名称を抱えていることは、それだけで業務上の煩雑さや余計な経費がかかっていたことを想像できます。

パナソニックの社名変更にかかった費用は300億円。社名変更やブランド名統一に伴う純粋な費用です。

莫大な費用ではありますが、今まで3種類の”ブランドネーム”に分散してかけていた広告宣伝費を、1つに集中させることで得られる効果は高く、すぐにペイできると当時パナソニックは主張していました。

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社名を変更するための具体的な手順おさらい

創業時から主要業務が変わった場合、時代変遷によるイメージアップなど、どんな企業でも社名を変更する可能性はゼロではありません。

パナソニック以外に、社名変更を行った企業の代表例は以下の通りです。

  • 中村製作所 → ナムコ
  • 龍門製パン所 → エースコック
  • 日本楽器製造 → YAMAHA
  • 松尾糧食工業 → カルビー
  • 谷田賀良倶商店 → タニタ

ここからは、社名変更を行う際の具体手続きや、初期費用についておさらいしましょう。

社名変更(正式には商号変更)に伴い自社で行うべきこと

  1. 新社名を決める→法務局の登記所で類似商号や重複があれば再検討が必要
  2. 株主総会議事録を用意する→全員が合意したという証明
  3. 定款変更手続き→社名は定款に記載されているので、株主総会で決議が必要

申請手続きについて

  1. 株主総会の特別決議から2週間以内に法務局の登記所で行う。
  2. 株主総会議事録、社名変更の登記申請書、印紙3万円分、登録免許税3万円、を用意する。
  3. 議事録や登記申請書などの資料見本は法務省のサイトからダウンロード可。
  4. 代表者以外が申請する場合は委任状も必要

申請後について

  1. 申請後、即日では承認されないので、2.3日後にもう一度登記所へ出向く。新しい社名の登記簿が入手できたら社名変更は完了する。
  2. 新しい登記簿を入手する際は、同時に改印届を提出するため、新社名での代表印、改印届に必要な代表者個人の印鑑及び印鑑証明書も先に準備する。

社名変更を関係各所へ連絡

社名変更後は関係各所へ連絡作業を行います。効率よく行うためにリストアップしておきましょう。

取引先、税務署、地方自治体、年金事務所などの税金、年金関連や、銀行、ビル管理会社、ドメイン管理会社など連絡すべきところはたくさんあります。

それぞれ新しい登記簿の原本やコピーが必要な場合があるためこちらも事前に調べておくとスムーズです。

かかる初期費用と時間

必要な期間は株主総会の開催日から2週間~3週間程度、費用は登録に必要な税金や印紙、証明書交付などで約6万2千円。

それに新社名での印鑑作成代と変更連絡に必要な登記簿代。

それに加えて、自社名の入った封筒やゴム印の作成などもろもろの事務費用についても忘れないでおきましょう。

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取引先が社名変更するなら気をつけるべきこと

社名変更について考えておきたいことは他にもあります。取引先企業が社名変更を行った場合です。

例えば、プライベートブランドの販売者(例:小売)が社名変更した場合は、製品ラベル切り替え費用が発生します。

契約時に「社名変更にかかる費用に関する特約」をつけなければ、他社の社名変更で発生する費用を自社が負担する可能性も。

相手方に社名変更の可能性があれば、契約書を交わす際は、「社名変更にかかる費用に関する特約」を条項に入れておきましょう。

参照元
画像:Wikipedia/パナソニック

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