「芸能人は歯が命」というキャッチフレーズを大流行させたコマーシャルが世に出て20年、予防歯科の概念は少しずつ広がっていますが、それでも40代の実に80%が歯周炎に悩んでいるようです。国もこのような事態に対して歯周病予防を啓発する「8020運動」を展開します。年齢を重ねても健康な歯を保つ秘訣をご紹介します。
経営者は歯が命…ところが歯周炎大流行の怪!
今から20年ほど前に大流行したコマーシャルがあります。
それはAPAガードという歯磨き粉のテレビコマーシャルで、出演者は東幹久さんと高岡早紀さんでした。
「芸能人は歯が命」
このキャッチフレーズは瞬く間に流行語となり、予防歯科やホワイトニングという概念も、この頃から一般に浸透しはじめました。
芸能人といえば、一般的な報酬形態は個人事業主もしくは、個人事務所の経営者です。
つまり芸能人にとって歯が命ならば、経営者にとっても歯は命!(やや強引ですか)
健康な歯を維持することは、実生活はもちろん仕事で良い結果を出すことに、大きく貢献してくれます。
ところが、現在の日本では、働き盛りである40歳以上の実に約8割が、健康な歯をむしばむ歯肉炎に悩んでいます。
まだまだ、「歯茎のハレと痛みが深刻になってから、駆け込みで歯医者さんに行く」という方が多く、忙しい経営者の方は、特にそのような傾向を持っています。
そこで国も歯周病を予防するために、「8020(はちまるにまる)運動」という啓発運動を展開しています。
国が歯周病予防を啓蒙する「8020運動」とは?
8020運動とは、80歳になっても20本の歯を保っていられるために、国が行っている歯周病予防の啓発運動です。
この啓発運動は、平成元年から厚生労働省と日本医師会が中心となって発足しました。
なぜ、「8020」かというと、80歳になっても、親知らずを除く28本中20本の歯があれば、問題なく食べ物を噛み砕け、食事を楽しめると言われているためです。
確かに、いつまでもごはんを美味しく食べるには、歯の健康が第一ですよね。
そこで、今回は忙しいビジネスマン向けに、歯のケア方法をご紹介したいと思います。
歯周病で歯が抜けぬために行いたい歯のケア術
日本人の平均寿命は、世界でもベスト3に入るほどの長寿国ですが、残念ながら、歯の寿命自体は長くなった平均寿命に比例して、伸びておりません。
成人の歯は親知らずを含めれば通常は32本生えていますが、「平成11年歯科疾患実態調査」によれば、60歳になるとその数はなんと20本に減ってしまうそうです。(近年では改善傾向も見られている)
成人後は仕事や家庭で、とにかく忙しく、自分の歯に気を配っている時間がありません。朝は素早く歯を磨いて、夜も疲れていて簡単に済ませていませんか?
このような状態を放っておくと、後々歯が抜ける原因になってしまいます。普段から出来る歯のケアで有効な習慣を見てみましょう。
- 週に1度は歯ぐきの状態(色・つまり等)を見る
- 3ヶ月に一度は歯科検診を受け、定期的に歯石も取る
- 普段からよく噛んで食べる(30回以上が望ましい)
- デンタルフロスや歯間ブラシを使う
これらに加えて、一番大事なのが「正しい歯磨きをすること」です。
正しい歯磨きとは、なるべくプラーク(歯石)や汚れを取り除くことを意識した歯磨きです。
1本1本丁寧にブラッシングを行い、外側を磨く時はブラシを水平に、歯ぐきと歯の隙間を磨く時は45度に傾けるなどしてください。
歯には個人差があるため、定期健診の際はせっかくですから、歯科医師や歯科衛生士に「自分の歯に合わせた歯の磨き方」を教えてもらうことをお勧めします。
生活習慣の改善も8020運動の一貫として行おう
最後になりますが、歯は身体の一部ですから、生活習慣から大きな影響を受けます。単に歯を磨けば良いということはあり得無いのです。
不規則な生活習慣、例えば寝不足などにより疲労が溜まると、歯が痛くなったりしますよね。
今一度、規則正しい生活を心がけるために、知っている方もいるかもしれませんが、良い歯を保つための生活習慣をご紹介します。
- バランスの良い食事…かみごたえのあるものを食べると良い
- 十分な睡眠…十分な睡眠は心身の健康の源です
- 適度な運動…免疫力や体力作りに
- 糖尿病予防…糖尿病は歯周病が悪化しやすいと言われています
- タバコを控える…喫煙は歯や歯ぐきの抵抗力を弱くするので注意
- ストレス解消…ストレスは偏食やケアがおろそかになり、また、免疫力も下がる原因に
歯が悪くなると、肩こりや胃腸障害の原因に始まり、心臓や肝臓に炎症を起こすこともあります。
面倒臭がらずに、ぜひ今日から8020運動を実践し、正しい歯のケアを始めましょう!