根拠のある売上目標を営業社員に割り振る「寄与率」の計算方法

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無茶な売上目標の割り振りでやる気なくす営業

 営業担当者にとっては、自分のこれからを左右する重大問題!となるのが、「売上目標のうち自分に割り当てられる目標は幾らか?」という問題です。

 明らかにオーバーフローしそうな目標だったり、理不尽な割り振りがされれば、営業担当者のモチベーションは途端に下がってしまいます。

 経営者として、営業統括として、どのように社員を納得させ、モチベーションを上げる売上目標の割り振りができるでしょうか?

 今回は、売上目標の適正な割り振り方法について、お伝えしたいと思います。

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根拠ある売上目標割り振りは寄与率で算出せよ

 今、仮に一つの部門の売上目標が10億だとして、この部署に10人の営業がいたとします。

 10億を10人で達成しなければいけないから、「一人当たりの売上は1億がノルマです!」

 このような売上目標で、営業担当者達は「よし達成してやる!」と思うでしょうか。まずあり得ません。

 これは極端な事例ですが、実態は遠からず(同じような割り振り)となっている会社が多いようです。

 このようにズサンな一人あたりの売上目標を作らないように、私は寄与率という数字を活用して、売上目標の割り振り方法をお伝えしています。

 寄与率とは、「会社の売上の伸びに誰がどれくらい貢献したか?」を示す指標です。

 寄与率の算式は、以下のとおりです。

(寄与率の算式)

  寄与率 = 前期売上の構成比 × 売上目標数字の伸び率

(今期売上目標÷前期売上-1)

 この算式で計算すると、前期売上の構成比は、当然ベテランは高いでしょうし、若手は低い数字が算出されることになります。

 売上目標数字の伸び率は、いっぱいいっぱいのベテランに10%アップなど期待できません。せいぜい数%というのが関の山。

 一方若手の場合は、一般論としてですが、まだまだ伸びしろがありますから、10%以上の2ケタアップも可能性はあります。

 つまり、寄与率とは、

  • ベテランが高く若手が低くなりがちな前期売上の構成比
  • ベテランが低く若手が高くなりがちな売上目標数字の伸び率

 を掛け合わせたことになります。

 要は、ベテランも若手も同じテーブルで会社の売上に対する貢献度を計るということです。

 この寄与率を把握したうえで、売上目標数字を調整していくのです。

 これによって、各営業個人が会社全体の売上、部門の売上にどれくらい貢献しているのかが明確になっていきます。

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各自に割り振る数字の意味を根拠を持って説明

 管理者は、この寄与率の意味をメンバーに理解させたうえで、営業個人の売上目標の連鎖背景、つまり「あなたの売上目標は、自部門にとってどれほど重大で、会社の目指す未来に対してどんな意味があるのか?」を説明できなくてはいけません。

 つまり、その数字の意味を伝える必要があるということです。

 「うちの部門目標が10億だから一人1億で!」とでは、本人のやる気や目標達成に対する執着心に、大きな差が生まれるのは当然のことです。

 ぜひ寄与率を算出した上で、営業担当者各自が背負う数字の意味を伝えてあげてください。

 担当者のモチベーションを維持・アップするには管理者として必須の行為です。

営業
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着実に売上を上げる営業変革!

岩月 康隆
・有限会社アクチャーコンサルティング 代表取締役
・『M-One戦略』コンサルタント
・1964年生まれ。甲南大学理学部卒

これまで250社以上において増収・増益を実現してきた営業コンサルタント。

「組織営業の仕掛け人」と称され、
  ・惰性営業から脱却したい経営者
  ・新規開拓ができない営業に頭を悩ます営業幹部
  ・売り上げ低迷、属人的営業から脱却したいBtoBビジネスをしている企業
に対して売上・シェア拡大の手法と組織(会社)に営業力を宿す指導を行っている。

●会社に「営業力」があるか?
 一部の「できる営業」によって売上が左右されるようでは、本当の営業力ではない。
●『“組織”として「営業力」をつけない限り、それを営業力とは言わない』
という一貫した考えを持っている。

学卒後、百貨店本部での営業政策部門を経て、デベロッパーに転職。
その転職先でトップ営業マンが次々と退職するたびに、会社の業績が大きく左右される様を見て、「できる営業」に依存しない「組織営業の仕組み」が必要であることを痛感し、安定経営を実現する『組織営業』の仕組みを構築させたいという強い思いから、27歳の時に独立。 有限会社アクチャーコンサルティングを1992年設立した。
その後、独自に開発した『M-One戦略』理論を確立。この理論体系を用いて、『組織営業』導入コンサルティングを主軸に実践指導を行っている。
この理論と実務・実践を併せ持った指導により、競合他社が前年実績を下回る中で、数多くの指導先が売上を伸ばしており、更に結果を出し続けている。
これが大手コンサルティング会社が、わずか半年で撤退したといわれる大阪という厳しい市場で、1992年以来二十数年にわたって指導実績を重ねている所以である。関東方面からのコンサル依頼も多く、現在では東京にも活動拠点を置いている。

これらの実績から、大手銀行のシンクタンクからも講師の依頼が相次ぎ、2005年から全国でセミナー講師を務めており、 新任営業の基礎・基本教育から営業部・課長の営業マネジメント手法まで、営業指導を得意とし、戦略から戦術、戦闘に落とし込むプロセス構築と実行の仕組みを提供し続けている。
セミナー受講者によるアンケートの結果でも、100%の方が『役に立つ』と答えた《充実度NO.1講師》との評価を得ている。

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