来年の確定申告に向けて、節税対策で活用可能な新たな控除が、平成28年度税制改正で決まりました。いずれの控除も、平成28年から3〜5年の間に期間を限定されたものばかりです。特に住宅関連の控除は、マイナス金利の導入による住宅ローン金利の低下と共に有効活用できそうです。オトクに活用したい新たな控除を3つご紹介したいと思います。
来年の確定申告に使える新しい控除が決定する
確定申告も一段落というところで、勤勉な読者の皆様は既に来年の確定申告にも、目を向けられていることでしょう。
来年の確定申告に向けて、節税対策で活用可能な新たな控除が、平成28年度税制改正で決まっています。
そこで、それらのうち特に要注目の控除を、今回はご紹介したいと思います。
平成28年税制改正で設定された3つの控除
1)三世代同居に対応した住宅リフォーム代の特別控除
三世代同居に対応した住宅リフォームに関し、借入金を利用してリフォームを行った場合や、自己資金でリフォームを行った場合の税額控除制度が創設されます。
①借入金を利用した場合
借入金(償還期間5年以上)の年末残高1,000万円以下の部分に1~2%の割合を乗じた金額を5年間税額控除
②自己資金の場合
標準的な工事費相当額(250万円を限度)の10%を支出した年から税額控除
③適用時期
平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間に居住した場合
2) 空き家を売却した際の譲渡所得の特別控除の導入
相続により生じた空き家で、旧耐震基準しか満たしていないものに関し、必要な耐震改修等を行った上で、土地又は家屋を売却した場合に、売却益から3,000万円を控除することができる制度が創設されます。
適用時期
平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に売却した場合
3)スイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)の導入
適切な健康管理のもとで、医療用医薬品からの代替を進めるという点から、検診、予防接種等を受けている個人を対象に、自主服薬(セルフメディケーション)推進のためのスイッチOTC薬の購入費用を所得税から控除する制度が創設されます。
①控除対象
スイッチOTC医薬品の購入金額は、1.2万円を超える部分の金額で、8.8万円が限度です。
②適用時期
平成29年1月1日から平成33年12月31日までの各年で、現行の医療費控除との併用はできません。
いずれも期間限定のため使えるうちに有効活用
いずれの控除も、平成28年から3〜5年の間に期間を限定されたものばかりです。
特に住宅関連の控除は、マイナス金利の導入による住宅ローン金利の低下によるローンの借り換えと共に、資産運用の手段として有効活用できるのではないでしょうか?
来年の確定申告を見据えて、使える控除は有効活用するのが得策と言えるでしょう。