どうもこんにちは。
あおば会計コンサルティングのタナカキミアキです。
サンケイBizに東京商工リサーチの特別リポートとして、上場企業の給料大調査を、東京商工リサーチさんが各業種14業種に分けて載せています。
上場企業の給与は上昇している
まずは上場企業についてみてみましょう。
2018年給与No.1はGCA。平均給与は2063万円。
2018年の上場企業の給料は結構上昇していて、もちろん1位はご存知のM&AのGCAで、平均給与が2,063万円です。
これならすごく頑張りますね。
世界的に大きめの買収の仲介役をやっているので、1人当たりの付加価値が高いために給料が高いということでしょう。
2位は不動産賃貸のヒューリックです。
高級賃貸を建てて、回っているのですが、不動産業としてよく頑張っている感じです。
1位のGCAが2,063万円で、2位のヒューリックが1,636万円ということです。
上場企業の平均給与は606万円
それでは平均給与はどうかというと、平均給与は606万円です。
上場企業2,591社の平均給与は606万で中央値は593万ですが、7年連続で増えていて、8年間で平均42万5000円上昇しているようです。
1位のGCA、2位のヒューリック、そして3位以下は総合商社が名を連ねていて、1千万円以上の会社が31社、日本は経常利益100億円以上の会社が500社以上ありますが、そのうち平均給与が1,000万円以上の会社が31社ということで非常に高い給料を払うようになってきた感じです。
中小企業と上場企業の平均給与は167万円の差
東京には結構な数の本社があって、給料の高い人たちが多いので、だいたいで年間平均給料で200万円ぐらい差があるような感じです。
業種別では建設業がトップで718万7000円
それから業種別にみると、10業種の中でどの業種が一番かというと、皆さんの予想通り建設業が高くて、718万7000円でトップです。
2位は不動産業で、696万円そして次はインフラの電気、ガスが672万円と続きます。
業種別に考えるとやはり建設業が高く、4年連続トップとして頑張っています。
ところが建設業には闇みたいなものがあり、すごく儲かる業種ですが、それは上場企業の給与が高いだけであって、末端に行くと、国税庁のデータでも個人であったり、1人親方で働いている建設業の末端の人達というのは実は平均年間所得が200万円にいかないという部分もあります。
ですから上場企業型で働いている建設業の人たちはとても給料高いですが、1人親方とかになると全然違うのでそういう人たちは年収が低い傾向があります。
所得が低い業種は小売業で473万円
それから所得が低いのは皆さんの予想通りで小売業の473万、そして次がサービス業で540万円、さらに水産農林鉱業が602万円という感じで、所得が低い業界は小売業とサービス業でだいたい固定化されてきた感じがします。
給与が下がっているのは金融業
金融機関、銀行系などは今、金利の影響を受けていて、給料が下がっています。
それから、金融保険業と水産農林鉱業とインフラの電気ガスが唯一下がっています。
その他の業種は平均給与も上がっていて、格差もトップの建設業と最低の小売業の差は244万円と、業種でかなり差が開いてはいるものの、それでも小売業は6年連続、サービス業も8年連続で平均年間給与が前年を上回り、待遇改善は進んでいます。
給料が上がっていますからトップの建設業と最下位の小売業との業種の差がありますが、それでも待遇改善自体はサービス業や小売業でも続いてます。
給与が最も上昇しているのは不動産業
そして伸び率は不動産業が3%増と一番です。
それから卸売業、建設業も労働集約型産業である運輸・情報通信も小売業も増えています。
給与が最も減少しているのは金融保険業
減少率が最も高かったのは金融保険で2年連続で前年を下回って、マイナス金利の影響が出ているようです。
中小企業でも優秀な人材を獲得するには上場企業並みの給与を支払う必要がある
このような結果を見ていくと、中小企業においても、いい人材を獲ろうと思ったら、結構上場企業並みの給料を払わないといけないという現実問題があります。
しかし、実際には中小企業の給料というのは、年収でだいたい600万円で頭打ちという暗黙の了解というか、600万円以上払うのはきついということがあります。
とはいえ、中小企業においても本当に上場企業並みの優秀な人材を獲得するには結構給与を支払う必要があるということなので、皆さんもいろいろ考えてみてはいかがでしょうか。