超効率国家ドイツ 18時以降残業禁止へ

労務

 合理的な思考のドイツで「18時以降は全国民残業禁止」という驚きの法案が国会を通過しようとしている。羨ましい限りであるが、ドイツは人口8,000万人、GDPも日本に次ぐ世界4位の超大国である。真面目な気質や職人が尊ばれる文化など日本とドイツには似た側面もあるため、彼らの働き方から学べるものは多い。

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超効率国家ドイツ 18時以降残業禁止へ

 ドイツ連邦の労働大臣アンドレア・ナーレス氏が、午後6時以降に仕事をすることを禁止する法案改正を2016年までに進めることを示唆したことが伝えられ話題となっている。※1
 
 長時間労働が人の心に及ぼす影響についての研究を根拠としており、法案が通過すれば、勤務時間外は仕事に関するメールを見るのも一切禁止となる。
 
 日本人にとって、国家がこのような法改正を試みること自体驚きであり、羨ましい限りだ。実際に日本人が年間2,071時間勤務するのに対して、ドイツ人は日本人の70%、1,397時間しか年間の勤務時間を費やさない。※2
 
 しかしながらGDPは世界4位と日本に肉薄する国力を有している。ドイツの効率的なビジネスとの向き合い方から、学べるものは多い。

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ドイツ人の働き方 実に効率的かつ合理的

 以下、ドイツ人がなぜ効率的に働けるか4つの理由をあげる。

1)小さい頃から専門教育 効率的に専門性を教えられる

 ドイツで日本の小学校に当たる初等教育期間は4年間しかない。10歳になると職業教育か高等教育準備のどちらを希望するか、予め進路選択を子どもたちは迫られることになる。気合ではなく、仕事は効率的に分担したほうがよいことを小さいころから学べる。また専門性の高い分野を子供のうちから学べるため、「何ができるプロ」という1人の人間としての自主性が早いうちに育まれる。

2)仕事は朝型が主流 夜はプライベート

 特殊な場合を除き、たいていのオフィスはフレックス制度となっている。朝7時半くらいから始業し、昼食の時間は日本のようにたっぷり1時間も取るということはない。大体30分くらいしか昼休みがないのだ。お茶やタバコ休憩も取ることはほとんどない。残業は原則せず、日暮れ時には皆そそくさとオフィスを出る。

3)サービス残業させると管理職に罰則が加えられる

 ドイツでは労働基準法により、1日8時間が労働時間の上限で、8時間を超えて社員を働かせると企業と管理職に罰金が課せられる。管理職は労働基準法の管理下にないため、馬車馬のように働く必要があるが、その分高給を受け取ることが慣例となっている。

4)労働は罰 8割の人が長期のバカンスを取る文化

 上記のように切り詰めた時間をドイツ人は4週間〜6週間のバカンスに充て、南仏やスペインやイタリアといった南国で過ごすケースが多い。その間は仕事の連絡を一切断ち切り、家族との時間を楽しんで過ごすのだ。筆者もドイツ企業との取引で「担当者がスペインに行っているため、案件について答えられるのが4週間後になる。」といった対応を受けた時は唖然としたことを覚えている。彼はバカンスリフレッシュ後、何事も無いかのように悪びれず仕事についた。

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日本人と似た気質 学べる部分は多い

 キリスト教に端を発する個人主義国家ドイツ(ヨーロッパ)と、和をもって尊しとなす島国日本で、同じ制度や考え方を妄信的に真似することは得策と言えない。
 
 しかし、日本の労働観においても徐々に個人主義やダイバーシティ化が進んでいる。ドイツも元来はマルティン・ルターが唱えた「職業召命観」を基礎として勤勉に働くことを尊ぶ文化があり、勤労時間も長い国であったが、1950年代からの長い労働闘争を経て現在の仕組みができあがっている。
 
 1980年代までのように「24時間働けますか?」という価値観も形骸化している今、ドイツの効率的な仕事への向き合い方と得ている実益からは学べる要素が多い。

※1 ELITE DAYLY  
http://elitedaily.com/news/world/germany-ban-work-emails/783212/
※2 グローバルノート「世界の労働時間 国別ランキング統計・推移」
http://www.globalnote.jp/post-7518.html

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