創業期の資金調達方法で一般的な方法は、日本政策金融公庫を利用することです。創業期のメジャーな融資制度「新創業融資」の裏に隠れて、知らない人も多い融資制度があります。それは「中小企業経営力強化資金」という融資制度です。なんと、自己資金不要、無担保・無保証、金利が低い、と創業期の経営者にとってはとてつもなく魅力的な融資制度です。起業を考えているなら、知っておいて損はありません。
新創業融資の裏に隠れた凄い融資制度がある
創業期の資金調達方法で一般的な方法は、日本政策金融公庫を利用することです。
「新創業融資」という無担保・無保証の制度についてはご存知の方も多いことでしょう。
しかし、日本政策金融公庫の融資制度ではまだこれ以外に、実はあまり知られていない凄いものがあります。
それは「中小企業経営力強化資金」という融資制度です。
本稿では、創業期の理想的な資金調達方法の一つである「中小企業経営力強化資金」による融資制度を解説していきます。
中小企業経営力強化資金制度の凄い3つの特徴
この制度の凄い特徴は以下の3点です
- 1)自己資金不要
- 2)無担保・無保証
- 3)金利が低い
詳細を説明します。
1)自己資金不要
中小企業経営力強化資金には、自己資金要件がありません。
つまり、自己資本が無くても融資を受けられる可能性がああります(もちろん、あるに越したことはありませんが)。
一方で、新創業融資制度では、創業資金の10分の1以上の自己資金が必要となります。
2)無担保・無保証
中小企業経営力強化資金による融資は、 2,000万円まで無担保・無保証で利用することができます。
新創業融資については表面上3,000万円 の枠がありますが、支店決済枠は1,000万円ですので、実質は中小企業経営力強化資金の方が有利でしょう。
3)金利が低い
「特利A」という特別金利が設定されています。
市場動向に伴い変動するのですが、おおむね1%台の前半と極めて低い水準と言えるでしょう。
中小企業経営力強化資金の活用にあたり注意点
これだけ魅力的な条件で創業時の融資を受けられる制度なのですが、やはり注意点(成約)も存在します。
1)経営革新等支援機関の指導が条件
この制度を活用して融資を受ける際は、経営革新等支援機関の指導を受けることが条件となっています。
多くの税理士事務所は認定支援機関となっていますので、顧問税理士に問い合わせてみましょう。
2)事業計画書の作成が必須
中小企業経営力強化資金による融資を受けるためには、日本政策金融公庫指定の事業計画書を提出する必要があります。
他の融資制度よりも詳細に記載する必要があるため、作成にある程度の時間を割く覚悟が必要です。
顧問税理士と協力して作成しましょう。銀行の融資を受ける際もどの道必要になるので、作っておいて損はないと思います。
自己資金要件がないのは大きなメリットとなる
さて、いかがでしたでしょうか。
金利面でのメリットもありますが、個人的には自己資金要件が無いことが最大のメリットだと思います。
制度を利用するかどうかを含め、気になった方は一度顧問税理士に相談してみてはいかがでしょうか。
参考:日本政策金融公庫HP