笑顔は最高の武器となることをチンパンジーは知っている

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 「営業マン」やお店の販売員さんがトップセールスになるための基本原理は究極2つだけ。信頼と好意を顧客から勝ち取ることです。信頼を得るのは当たり前のことですが、好意を得るのはなかなか難しいもの。好意を得るために簡単かつお金をかけないでできる行動は自然な笑顔を見せることですが、その理由は「笑顔の起源」を持つチンパンジーがなぜその行動を見せるかにヒントがありました。

営業マンが頂点極める基本の原理は信頼と好意

 モノやサービスを売る担当者、いわゆる「営業マン」やお店の販売員さんがトップセールスになるための基本原理は究極2つだけ。

 すなわち、以下の2つです。

  • ・信頼
  • ・好意

 この2つを見込み客から得ることができたら、高い確率で販売・成約につながります。「信頼」と「好意」を得ることがトップセールスを目指すための必要条件です。

 では、「信頼」を得るためにはどうしたらいいのでしょうか?まずは約束を守ることですね。面会時間に遅刻するようでは信頼を得ることができません。

 また、「商品知識」をしっかり身に付けることも当然ながら重要です。見込み客からの質問に的確に答えることができれば、信頼はぐんと高まります。「この人なら私にちゃんとした提案をしてくれそう」という期待を与えることができるかですね。

 しかし、「信頼」されるだけではまだ不十分。もうひとつ「好意」を勝ち取ることが大事です。好意とは見込み客から「この人いいな、好きだな」と感じてもらえること。

 人は、好きと思える人から買いたいのです。周りにもいませんか?「あの人は信頼できるけど、好きではない」って営業マン。そんな人からはあまりモノを買いたくないものですね。

 約束を守れたり、商品知識があるのは当然のことであり、その上で好意を感じる営業さん・販売員さんとお客様は取引したいのです。

好意を得るテクニック・笑顔には起源がある

 では、どうやったら見込み客からの好意を得ることができるのでしょうか?社会心理学の研究がベースになっている「説得心理学」では、「好意」を高めることに効果のあるテクニックが様々あることが検証されています。

 そうした好意を得るテクニックのうち、最も簡単で、お金をかけずすぐにできるものをご紹介しましょう。

 それは「笑顔」です。

 笑顔は、相手の警戒心を解き、リラックスさせます。営業マン・販売員が自然な笑顔を示すことができれば、見込み客は話を素直に聴くモードとなり、セールストークも成功しやすくなります。

 なぜ、「笑顔」が好意を勝ち取ることに効果があるかご存知でしょうか?

 実は笑顔には「笑顔の起源」というものがあるのです。この起源をさかのぼると理由を理解することは容易です。

 本当の意味での「笑顔」が作れるのは人類だけですが、私たちと非常に近い存在の類人猿、チンパンジーに「笑顔の起源」を見ることができます。

 チンパンジーは、ボス猿が近づくとしばしば歯をむき出す表情をします。この「歯をむき出す表情」は、威嚇しているように見えますが、実はボス猿に対して逆らう気がないこと、恭順の意を示すボディランゲージであり、「グリメイス」と呼ばれています。

 このグリメイスこそが、人類の「笑顔」につながる表情だと考えられています。私たちが、笑顔を見るとほっこりして緊張感が解けるのは、笑顔が「好意」や「恭順」のメッセージだからなのです。

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実は「好意」を示す表情であり笑顔のルーツでもあるチンパンジーの“グリメイス”

 そう、こちらが笑顔を見せるのは、相手に対する好意を表すことでもあります。人は、自分に好意を示してくれた人に好意を返したくなるのです。

 ここで笑顔が社会の平和を維持する上で役立っている例を1つご紹介しましょう。

 ヨーロッパの都市などでは、行き交う人と目が合うとにっこりと微笑んでくれることがよくありますね。実はあれ、あなた個人に関心を持ったからではありません(笑)

 様々な民族が一緒に暮らし、敵対している民族の人と出会うかもしれない国では、知らない人に対して笑顔を見せることで「敵意はありませんよ、ここで争う気はありませんよ」というメッセージを送っているのです。

 笑顔が好意を高めるというのは、DNAに埋め込まれている反応であり、昔から「笑顔は人間関係の潤滑油」と言われてきました。

当たり前なのに実行できないのが自然な笑顔

 今回、改めてその効用を解く必要はなかったかもしれませんが、実のところ、販売の現場で「笑顔」はそれほど徹底されていないのです。笑顔のない売り場って山ほどありますよね。

 だからこそ、あなたが営業マン・販売員なら自然な笑顔を振りまくことで、トップセールスに大きく近づくのは間違いありません。

 そういえば、なかなか業績回復できないマクドナルド。味が飽きられたのではとか、いろいろ理由は挙げられてますが、私個人としては、ほとんどの店員さんから笑顔が消えたのも大きな理由ではないかと感じています。「スマイル0円」というメニューが消えて久しいですが、そもそも「笑顔売ってないじゃん」というのが今のマクドナルドですね。

 なお、好意を得るテクニックには笑顔以外にもいろいろとありますが、今後一つずつ紹介していきたいと思っています。

 まずは「笑顔」、恥ずかしがらずぜひ試してみてください。

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松尾 順

株式会社ジゾン
コンサルティング準備室 室長

早稲田大学商学部卒。マーケティング・プロデューサー。
ニールセン・ジャパン、CRC総合研究所でマーケティングリサーチ、コンサルティングに従事した後、電通ワンダーマンで、データベース・マーケティングやCRMの企画・プロデュースを経験。さらに、ネットベンチャーの立ち上げにも執行役員として参画した。

現在は、心理学、行動経済学といった消費者心理・行動の理解に役立つ学問分野の研究を活用し、売れる商品づくり、効果的なコミュニケーション開発に取り組む様々な企業をマーケティングリサーチからマーケティング施策の企画・運営までトータルに支援している。

株式会社ジゾンでは、CMSシェアナンバーワンのソフトウェア「HeartCore」の導入に伴うマーケティングコンサルテーションを担当している。

【著書】
『ブランディング戦略―ブランディングの基礎と実践 (広告キャリアアップシリーズ) 』誠文堂新光社
『[実務入門] 営業はリサーチが9割! 売上倍増の“情報収集”完全マニュアル (実務入門)』日本能率協会マネジメントセンター
『先読みできる!情報力トレーニング (ビジマル)』TAC出版

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