あまりにも有名なマズローの五段階欲求説。その中でも今、多くの日本人が「承認欲求」の満たし方に悩んでいます。承認欲求は良い効果を生み出す一方、満たし方を間違えると「生きにくさ」を感じさせるものとなります。承認欲求の正しい満たし方とは、いったいどのようなものなのでしょうか?
承認欲求が可視化されているFacebook
承認欲求とは何か
承認欲求とは、端的に言えば「他者から自分を認めてもらいたい欲求」のことです。
美人と言われたい!
成功者と思われたい!
価値ある人間と思われたい!
このように人の目を判断基準にして自らの価値を決めたり、行動を起こす誘因となるのが、承認欲求です。
承認欲求度合いの強さは、たとえばFacebookでわかりやすく可視化されています。
やたらといいね!を求めるような投稿をしていたり、自分を有名人や成功者であるかのようなPRがある人はいませんか?
このような人は承認欲求が強い人です。
高級ブランドを身に着ける理由も根源に承認欲求
また、お金の力を使って承認欲求を満たす人がいます。
高級ブランドを買って身につければ、周囲と差をつけることができます。また、高級ホテルのディナーに行ったり、インフルエンサーの主催するイベントに参加して記念写真を撮れば、SNSで称賛の声を集めることができるわけです。
承認欲求をこじらせると中毒になる
承認欲求は本能的なものですから、一時期満たされても時間が経つとまた自然に湧いてきます。
食欲や睡眠欲の欲求が尽きないのと同じような欲求です。
そして、この欲求は社会的動物である人間にとって、非常に強い欲求であり、承認欲求をこじらせると永遠に満たされたいと追い求めてしまう、「中毒者」になってしまいます。
承認欲求の中毒者が抱える大きなリスク
笑えない承認欲求の中毒症状
承認欲求中毒になると、たとえばFacebookなら、次々といいね!してもらえるネタに奔走することになります。
以前にブランド物の小物の写真をアップしたら、次はバッグという具合に次々とグレードを上げていかなければ、称賛の声を集めることができませんからキリがありません。
使うお金の金額もドンドン高まっていき、最後には承認欲求を満たすために破産してしまうという、なんとも笑えない話もあります。
お金をかけて承認欲求を満たすのは危険
確かに、承認欲求はお金を使えば即座に満たされます。
ネットショッピングで高級ブランドバッグを買って写真を撮り、投稿するだけですから、ものすごく簡単です。
しかし、このような形で承認欲求を一時的に満たそうとする行動はインスタントに済むがゆえに、非常に危険です。
端的に言えば、お金で承認欲求を満たすことはするべきでありません。
なぜなら本当のお金持ちでない限りは、資金繰りが立ち行かなくなりいずれは承認欲求を満たすことができなくなってしまうからです。
周囲にも良い気持ちを抱かせない承認欲求中毒
承認欲求はコストもかかるだけでなく、あまりしつこいPRをするほどに、周囲に良い気持ちを抱かせません。
人は自分が一番かわいい生き物です。
逆の立場で、もしあなたが他者の承認欲求を見せ続けられたらどうでしょうか?
多分、その人のPRをシャットダウンしたくなるのではないでしょうか?
承認欲求の負の面と正の面
他者依存の承認欲求は負の効果しかもたらさない
端的にいえば、お金で満たしたり、他者に依存した承認欲求は「他人の人生の中で生きている」と言っても過言ではありません。
称賛されたいという欲求が抑えられないということは、相手がいなければ自分が存在できないわけですから、他人に依存する自縄自縛的な生き方になってしまいます。
それでは自分が本当にやりたいこともできず、素の自分をさらけ出すこともできませんから、当然生きづらくてコストもかかるわけです。
承認欲求にはプラスの面もある
「承認欲求なんてロクなものじゃないな」と思われるかもしれませんが、メリットはあります。
それは周囲から認められたくて努力をする場合です。お金の力を借りて承認欲求を満たす行為に価値はありません。
しかし、努力をして仕事などで成果を上げることで、周囲から認められるのであれば被害を受ける人はいませんから、すんなりと受け入れられるのです。
承認欲求があるからこそ、スポーツや仕事の世界でも懸命に努力するモチベーションになるわけです。
お金ではなく自らの努力で承認欲求を満たそう
個人的には、承認欲求はお金の力ではなく、努力して掴み取るような実績で満たすべきだと考えます。
例えば、仕事を頑張って優秀な成績を収めたり、メディアに活躍を取り上げられたりということです。
努力して何かを成し遂げるというのは、必ず社会貢献をしていることになります。仕事であればビジネスで社会に貢献をしていますから、周囲も心からの祝福の言葉をかけたくなるでしょう。
また、お金の力で承認欲求を満たすのではなく、自分自身の力で物事を成し遂げるわけて承認欲求を満たした場合、自然に承認欲求の次の段階である、「自己実現欲求」へと上がることが可能になります。
つまりは、承認欲求の段階を卒業し、いよいよ自己実現欲求の段階へと移行することでさらに人生の高いステージへと足を踏み入れることになるわけです。
承認欲求を容姿やモノ、インフルエンサーなどで満たそうと思うのは自滅する道を歩むことになります。
そうではなく、自分を高めるモチベーションとするガソリン代わりに付き合えば、承認欲求には価値があることが見えて来るのではないでしょうか。