生命保険とがん保険の加入率を比較してみよう
生命保険の加入率
生命保険文化センターの平成28年度「生活保障に関する調査」によると、生命保険に加入している人は、男性では80.6%、女性では81.3%となっています。
がん保険の加入率
一方で、がん保険はどうでしょうか。同調査によると、がん保険及びがん特約の加入率は37.8%とのこと。生命保険全体の加入率と比べると、意外に低い気がします。
少し前まで「掛け捨てのこの保険だったら〇〇生命が安い」「入院保険だったら▲▲生命が保障が充実している」などの特徴がありました。
でもこの数年でどんどん商品開発が進み、どこの会社も商品的な差はなくなってきたように感じます。続く低金利の中、貯蓄性の保険など突出した商品の開発が難しいというのも、その理由の一つかもしれません。
そんな中で、比較的各会社の特徴が表れているのはがん保険ではないでしょうか。
がん保険・代表的な5つの特約とその特徴
がん保険はその名の通りがんに罹患してしまった時に給付を受けられる保険です。一昔前には「がんで入院した時に一日1万円出る」といったスタイルがほとんどでしたが、最近は色々な特約が付帯されています。主な保障内容は以下の通りです。
入院給付金
その名の通り定額の入院費が給付されます。例えば、20日入院して
10,000円×20日=20万円
といった計算です。通常の入院保険が「1入院当たりの上限」「一生涯の上限」を設けているのに対し、がん保険での入院保険は上限がないことも多いです。
診断給付金
がんと診断されたら、治療の如何にかかわらず給付されます。初回の1度のみ、もしくは何度でも(2年に1度、1年に1度などの条件付きで)給付されるパターンがあります。最近のがん保険は、比較的後者の「何度でも給付」タイプが多くなってきているようです。
手術給付金
がんの治療を目的として、手術を受けた時に給付されます。回数制限はなし、というパターンが多いようです。
通院給付金
がんの治療を目的として、通院した時に給付されます。診断後〇年間、合計●日分、などの条件が付くのが一般的です。
がん先進医療給付金
がんの治療を目的として、先進医療を受けた時に給付されます。この場合の先進医療とは、厚生労働省が定める先進医療に限ります。この特約は定額ではなく、上限を定めたうえで実費を支払うとしているケースがほとんどのようです。
抗がん剤治療給付金
最近注目されている、抗がん剤治療を受けた時に給付が受けられる抗がん剤特約です。がんで怖いのは転移や再発です。早期の手術や処置で寛解した場合、がんになってもそれほどお金がかからなかった、という話も聞きます。
しかし、がんになった時の最も大きなリスクは、やはり長期にわたる療養。そしてその代表が抗がん剤治療ではないでしょうか。 この特約は抗がん剤の治療を受けた月には、5~10万円の給付を受けられる、といったタイプが主流のようです。
健康保険が適用される場合、一回の抗がん剤治療で生活が破たんすることはないかもしれませんが、何年も続くとボディブローのように家計に響いてきます。
仕事も制限しながら、月数万円を負担するのはかなり大変です。
このリスクをカバーするのがこの特約です。ただしこちらも、最大〇年、最大●回まで、と決まっていることがほとんどです。
特約は厳選して加入すべき
それぞれ有意義な保障ですし万が一の時には役に立つのですが、付加すればするほど当然支払う保険料が高くなるので、どの保障、どの特約を付加するかは慎重に選ぶ必要があります。
最近は様々ながん保険が世に溢れているので、不要な特約は外し、必要な保障を増額できるようなフレキシブルなタイプを選んでみてはいかがでしょうか。
※本稿はがん保険と分類される商品についての一般的な説明であり、特定の保険会社・保険商品の内容についての説明ではありません。