動画メディアの運営はかなり難しい商売
この頃、自分の動画メディアを持ちたいという方が増えています。
動画メディアを作っていくという起業ブームです。
2017年もあとからあとからボコボコと出て来たわけですけれども、2018年も引き続き「動画メディアを持ちたい!」という相談が多いです。
動画メディアは、”自分のテレビ局”という格好良い言い方もあるんですが、どちらかと言うと、ちょっと一世代前の「自分が読みたいような雑誌が作りたい」とか、あのノリの延長線上で動画が流行っている感じです。
そして、もちろん零細企業でも、自分でサーバーとかを用意しなくてもYouTubeにアップするだけで、自社のチャンネルを持つことも可能なので、今年も流行りそうだな〜…と思っています。
ですが、基本的に私は、動画メディアの運営は難しい商売だと思っています。
動画メディアのハシリ『Cチャンネル』も未だに赤字
動画メディアのハシリは多分『Cチャンネル』さんだと思います。
CチャンネルはLINEの元社長の森川さんが起ちあげた会社です。
こういうネットベンチャーは、やはりネット系の資金がガァーッと入っていまして、あらゆるところからお金が入っていて、70億円以上集めているわけですよ。
今年の決算もそろそろ出るんですが、去年の決算を見てみると経常損失が18億3千8百万円。
大赤字です。
この数字が今年どれくらい良くなっているかで、「ヨッシャ!Cチャンネル良くなってるじゃないか!やっぱりこれで起業するぞー!」みたいな感じの方もいるんじゃないかなと思います。
動画メディアが簡単なのは、ひとりでも出来ることなんですよ。
もちろん、「会社」としてやるのも良いんですけれど、動画メディアっていうのは、ひとりでも起ち上げることができるし、今はブログブームが終わりかけていていることもあり、素直に動画の方に行こうよ!っていう機運も高まっているのでね。
このCチャンネルさんの決算がどれくらい良くなっているか?っていうのが楽しみであります。
乱立する”料理系”メディアもマネタイズに苦しんでいる
あと、動画メディアは”料理系”がとても多いですね。
私が知っているだけでも20どころではないんじゃないかな?というくらい、ボコボコ新しい動画メディアが出て来ています。
代表的なところだと、kurashiruさんとか動画の閲覧回数が凄い伸びているみたいですね。
”料理系”の動画メディアの良いところっていうのは、実は顔出しも要らないし、声出しも要らなくて、料理作っているのを撮って、そして編集して、早回し編集みたいなのをやって尺を短くして、ボップな音楽を付けて、材料とかを日本語と英語でって感じでやっていけば良いだけなので、正直言うと、仕事として簡単なんですね。
こんな具合に、”料理系”動画メディアもボコボコと乱立しているわけなんですけれども。
あれだけ乱立するとね〜…料理の雑誌とか料理の本とかはもう売れなくなるだろうなって、それくらいしっかりとした動画メディアができ上がってしまったなぁという気がしています。
ただ怪しいのは、じゃあどこでお金にするの?っていうマネタイズの問題です。
ボコボコボコボコできて来ているんですけれど、私から見たらアレどうやって黒字化するの?としか思えないです。
コレ黒字化するの大変だぞ…って。
例えば…もっとユーチューバーの方がやりやすいっていうのは、ネイティブ広告っていう動画の中にモロ広告が入っている…
要するにユーチューバーがよくやる”企業案件”ですね
企業から依頼を受けてその商品を紹介する、「これ凄い!」「これいいな〜!」っていう動画を作れます。
これを料理に置きかえてみるんだったら、特定のメーカーさんの調味料を使ったりとかしかできないかな…って。
マネタイズする時に、ネイティブ広告みたいに「モロ広告だ!」みたいなものを、さも楽しい動画のようにみせながら、しっかり広告を打っていくっていうのが、なかなか難しいだろうな〜と思います。
企業タイアップ動画も明らかに見られていない
それからあとは、ハウツー動画。要するにノウハウ系の動画にPRを重ねていくっていうやり方で、特に料理なんかまさにそうですけれども、PRが今できていなんですよ。
マネタイズの方が一切できていなくて、ハウツーをバーっととにかく流している。
そういう状態で一部動画メディアが、PRはPRで分けて、PRでハウツー動画を出しているんですけれども、じゃあ露骨に「PRだ」って分かった時に、クリックしてその動画みるか?ってなるとね、やっぱり全然見られていないです。
全然再生回数が回ってない。
ですから、零細企業でも自社メディアを持ちたい!っていうのは分かるんですけれども、このやり方をやっていく限りは全然おカネにならないだろうと思います。
つまり、赤字の垂れ流しの方が大きいから、結局は資本力のあるメディアが最終的に勝ち残るんじゃないかなって、そんな感じです。
中小は真正面からではなく採用の一環で動画を活用するのも一つの手
じゃあ、真正面から動画メディアを作らないってなった時に、中小企業は動画をどうやって活用すりゃいいの?という話です。
我々、中小零細企業が自社メディアを持つなら、モノを売るための広告ではなくて、もう割りきって求人広告にするというのも一つの手だと思っています。
これ思ったのは、中小零細企業にいたっても求人広告って結構お金使うんですよ。
その時に今、Indeed(インディード)っていう求人の検索エンジンに近いものがあるんですけれど、グーグルさんとかでも求人を検索するとだいたいindeedが最初に載ってきます。
Indeedっていうのは上手く活用すると、無料でかなり自社アピールができる仕組みになっています。
Indeedの自社ページの作り方っていうのを、いっその事「自社メディア」っていう感じで、求人に特化したようなページを作って、そこに動画も作って載せちゃうんです。
その動画も全部、求人用の動画です。
会社を強くする時に、どうしても求人が弱いと会社は絶対強くなりません。
ですから、むしろ自分の会社のメディアは、自分の会社の求人に特化した形で、求人目的で職を探している人がうちのサイトに来たら、「ずっとここに居たい…」みたいな感じで、どんどん色んな記事や動画を見て回遊してくれるような感じにした方が良いのかなと。
というのは、ボコボコ動画メディアができているにも関わらず、やっぱり黒字化して行くっていうのは相当大変です。
普通にYouTubeにハウツー動画をアップして広告料収入を貰っている方が、まだ赤字の垂れ流しにはならないんじゃないかなって思うんですね。
中小零細企業が自社メディアをやるならば、むしろ求人広告のような、求人広告を安くするような形で考えて作った方が良いんじゃないかな〜と思います。