営業変革に必要な経営者・幹部の腹決め
営業変革は、既存の組織に新しいやり方や仕組みと息吹を吹き込むこと、組織にこびりついた垢を削ぎ落とす作業だと、先日の記事でお伝えしました。
参考リンク:4月は営業変革を行う絶好タイミング!変革を阻止する◯◯を打破せよ
営業変革は、経営者、幹部が強い意志を持って自ら取り組まなければ、管理職や一般社員からの発信だけでは到底成しえません。
そのため「とことんやりきる覚悟」が必要です。
変革のベースとなるのは前回の記事でもお伝えしたように、
- 1)組織全体の「仕組み」
- 2)「仕組み」を営業現場で実行するための「現場力」
- 3)「現場力」を育成・支援する「マネジメント力」
という3つの視点で目指すべき姿と現状とのギャップを認識することです。
今日はそれぞれがどのようなものか、詳細をお伝えしたいと思います。
1)組織全体の「仕組み」とは?
組織全体の「仕組み」とは、
- 営業組織を効率的に動かすための行動基準
- ターゲット選定の仕方
- ターゲットのリスト化
といったことが一つの戦略理論に則って営業組織共通の考え方が備わっているか…
これらをチェックする方法として、言葉で明文化するとよくわかります。
例えば、ターゲットについてですが、「うちの会社は、〇〇の業界がターゲットです」という返答がよく来ますが、こういった大雑把なくくりはターゲットとは言いません。
なぜならば、こういったくくりでリスト化すると何千社、何万社にもなります。これらにすべてアプローチすることは不可能です。
ターゲットとは、アプローチすべき全数のことを言います。ですから、ターゲットとして捉えてはいるけれども、アプローチしないのであればそれはターゲットではありません。
つまり、ターゲットとしての絞り込みができていないのです。ターゲットの絞り込みができていないから、営業活動の効率も落ちるのです。
ですから、行動基準やターゲットというものを明文化すると、営業組織に「仕組み」があるかどうかがすぐにわかります。
2)「現場力」
「仕組み」が定まったとしても、その仕組みをいざ現場で実践しようとした時に、現場の実行力が欠けていたとしたらどうでしょう…
例えば、お客様とスムーズに会話すらできない、その結果叩き込まれた営業トークに終始し、押し売り営業の結果成約に至らない。こういった現状があるのではないでしょうか?
「現場力」とは、テクニックを磨くことだけではなく、
- 営業の仕事の本質
- 営業としての挨拶の仕方
- 提案営業の基本的なアクション
といった、営業職における基礎・基本を身に着けない限り、いくらテクニックを身に着けても現場では上滑りするだけです。
営業としての基礎教育だけでも飛躍的に営業は成長するのですが、現場で通用する基礎教育を行っている会社を見たことがありません。
ですから、営業は小さな枠の中で悩みながら、その小さな枠を打破できずに疲弊してスピンアウトしていくのです。
現場力無くして、仕組みを動かすことはできません。
3)「マネジメント力」
管理者のマネジメントについても同様です。
管理者に期待するマネジメントの内容は何でしょうか?そもそも、皆さんの会社のマネジメントの定義は何でしょうか?
これが定まりませんと、「仕組み」が組めないのも当然です。
管理者に期待することが明確で明文化されており、マネジメントの定義に則って管理者に活動をしてもらうためのことが前提ですが、期待やマネジメントが定義されていなければ、具体的な「仕組み」が出来上がるわけがありません。
現実のところ、この「仕組み」なき営業、「現場力」なき営業、「仕組み」なきマネジメントが横行しているというのが実態だと思います。
営業変革というのは高度なテクニック論ではなく、営業組織の根幹のところにあることを認識すべきです。そこを経営者、幹部がとことん議論し明確にすべきです。
この営業組織の打開として、経営者、幹部が本気で、腹を決めて取り組まない限り営業変革は実現しません。