8月末に厚生労働省は、平成29年度の「地域別最低賃金」を公表しました。もし最低賃金額より低い賃金を労働者と使用者が双方の合意で決めたとしても、それは法律によって無効とされ、使用者は最低賃金額を支払わねばなりません。9月のうちに給与支給額が最低賃金を下回っていないか、必ずチェックしましょう。47都道府県の「地域別最低賃金」を一挙公開します。
平成29年度の「地域別最低賃金」が公表される
厚生労働省が、平成29年度の「地域別最低賃金」を8月末に公表しました。
最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低額を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わねばならぬことを定めた制度です。
この縛りは非常に厳しくて、もし最低賃金額より低い賃金を労働者と使用者が双方の合意で決めたとしても、それは法律によって無効とされ、使用者は最低賃金額を支払わねばなりません。
最低賃金制度に違反した場合、50万円以下の罰金(特定最低賃金の場合30万円以下)を支払わねばならなくなります。
10月からは全ての企業に適用されるため、従業員に支払っている給料が時間換算で下回ってないかチェックするのは懸命でしょう。
47都道府県の平成29年度「地域別最低賃金」(昨年との比較付き)
それでは、47都道府県の平成29年度「地域別最低賃金」を以下の通りご紹介しましょう。
平成28年度と比較して、皆さんの住む都道府県で「地域別最低賃金」は、果たしてどれくらい変わったでしょうか?
都道府県 | 平成28年度・最低賃金時間額【円】 | 平成29年度・最低賃金時間額【円】 | 昨年からの引き上げ額【円】 |
北海道 | 786 | 810 | +24 |
青森 | 716 | 738 | +22 |
岩手 | 716 | 738 | +22 |
宮城 | 748 | 772 | +24 |
秋田 | 716 | 738 | +22 |
山形 | 717 | 739 | +22 |
福島 | 726 | 748 | +22 |
茨城 | 771 | 796 | +25 |
栃木 | 775 | 800 | +25 |
群馬 | 759 | 783 | +24 |
埼玉 | 845 | 871 | +26 |
千葉 | 842 | 868 | +26 |
東京 | 932 | 958 | +26 |
神奈川 | 930 | 956 | +26 |
新潟 | 753 | 778 | +25 |
富山 | 770 | 795 | +25 |
石川 | 757 | 781 | +24 |
福井 | 754 | 778 | +24 |
山梨 | 759 | 784 | +25 |
長野 | 770 | 795 | +25 |
岐阜 | 776 | 800 | +24 |
静岡 | 807 | 832 | +25 |
愛知 | 845 | 871 | +26 |
三重 | 795 | 820 | +25 |
滋賀 | 788 | 813 | +25 |
京都 | 831 | 856 | +25 |
大阪 | 883 | 909 | +26 |
兵庫 | 819 | 844 | +25 |
奈良 | 762 | 786 | +24 |
和歌山 | 753 | 777 | +24 |
鳥取 | 715 | 738 | +23 |
島根 | 718 | 740 | +22 |
岡山 | 757 | 781 | +24 |
広島 | 793 | 818 | +25 |
広島 | 753 | 777 | +24 |
徳島 | 716 | 740 | +24 |
香川 | 742 | 766 | +24 |
愛媛 | 717 | 739 | +22 |
高知 | 715 | 737 | +22 |
福岡 | 765 | 789 | +24 |
佐賀 | 715 | 737 | +22 |
長崎 | 715 | 737 | +22 |
熊本 | 715 | 737 | +22 |
大分 | 715 | 737 | +22 |
宮崎 | 714 | 737 | +23 |
鹿児島 | 715 | 737 | +22 |
沖縄 | 714 | 737 | +23 |
最低賃金は労働者のためのセーフティネット
この最低賃金は、各都道府県で10月1日〜6日の間(大阪府のみ9月30日)に、発行予定日が組まれています。
また、最低賃金は、パートタイマー、アルバイト、臨時、嘱託など雇用形態や呼称に関係なく、各都道府県内の事業場で働くすべての労働者とその使用者のために、セーフティネットとして適用されるものです。
もしも、
- 1. 精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い方
- 2. 試の使用期間中の方
- 3. 基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受けている方のうち厚生労働省令で定める方
- 4. 軽易な業務に従事する方
- 5. 断続的労働に従事する方
という特殊な事情を抱えた人材を雇用する必要があり、最低賃金を一律に適用するとかえって雇用機会を狭めるおそれがあったとしても、使用者が都道府県労働局長の許可を受けなければ、ここから減額することは出来ません。
ぜひ、9月のうちに自社の給与支給額が最低賃金を下回っていないか、必ずチェックするように致しましょう。