三菱東京UFJ銀行が、「三菱UFJ銀行」(株式会社三菱UFJ銀行(英文名:MUFG Bank, Ltd.))へ社名変更を行うことを発表しました。
平成30年4月1日を目処に、“東京”の文字が同社の社名から消えることになります。
三菱東京UFJ銀行が「三菱UFJ銀行」へ社名変更
今回の社名変更は、長くて覚えにくい名前を変更することによる認知向上と共に、組織再編による法人業務の商業銀行への一本化、という目的があり、社名変更を行うことによる経済的メリットが存在します。
松下電器がパナソニックへと社名変更した際も、傘下に抱えていたサンヨー・ナショナルといったブランドを一本化することで、イメージ刷新、事業効率化が行われました。
社名変更時の具体手続き〜まずは社内と法務局
それでは、社名変更を行う際の具体手続きや、初期費用をおさらいしよう。
社内〜手続き
まず最初に新社名を決めねばなりません。
社名変更は、株主総会による決議における合意を経て、株主総会議事録を用意する形で行われます。
法務局〜申請手続き
社内で社名変更が認められた後は法務局へ行き、社名変更手続きを行う必要があります。
社名変更手続きは、株主総会の特別決議から2週間以内に行わねばなりません。
必要なものは、
- 株主総会議事録
- 社名変更の登記申請書
- 印紙3万円分
- 登録免許税3万円
です。
登記申請書のテンプレートや見本は、以下のリンクからダウンロードすることが可能です。
参考リンク:法務局:商号・目的の変更
申請後
申請後、即日では承認されないので、2.3日後にもう一度登記所へ出向く必要があります。
新しい社名の登記簿が入手できたら社名変更は完了となります。
新しい登記簿を入手する際は、同時に改印届を提出するため、新社名での代表印、改印届に必要な代表者個人の印鑑及び印鑑証明書も先に準備する必要があります。
法務局以外の官公庁への申告も続々と行い…
社名変更後はこれ意外にも、関係各所へ以下のような連絡作業を行わねばなりません。
市町村
管轄の市町村へ、法人名の異動届を提出する必要があります。
こちらは、管轄の市町村ホームページから異動届をダウンロードすることが可能です。
都道府県
管轄の都道府県にも、法人名の異動届を提出する必要があります。
こちらも、管轄の都道府県ホームページから異動届をダウンロードすることが可能です。
税務署
管轄の税務署へ、法人名の異動届を提出する必要があります。
こちらは、e-Taxによる電子申請が便利です。
年金事務所
年金事務所へ、健康保険・厚生年金保険適用事業所所在地・名称変更届を提出する必要があります。
ハローワーク
ハローワークに、「雇用保険事業主事業所各種変更届」を提出する必要があります。
こちらは、ハローワークインターネットサービスによる電子申請が可能です。
労働基準監督署
労働基準監督署へは、名称・所在地等変更届を提出する必要があります。
こちらは、e-Govによる電子申請も可能です。
社名変更にかかる初期費用はどれほど?節約は可能か?
いかがでしょうか?社名変更は思ったよりも大変な作業ですよね。
なお、登録に必要な税金や印紙、証明書交付など、事務手続きにかかる費用は約6万円程度です。
これに加え、銀行、ビル管理会社、ドメイン管理会社、取引先などへの連絡作業、看板差し替え、新たな名刺・会社案内の印刷コスト、これらのコストも換算すれば更に費用は膨らみます。
また、お金の観点以外に時間というコストから考えても、株主総会の開催日の後、2週間~3週間程度の期間をかけて諸手続きが行われるため、人件費も考慮する必要があるでしょう。
できるだけ電子申請やメールによる変更通知を行うなど、作業を簡素化し、時間を短縮することが、節約ポイントと言えそうです。
規模の大小関係なくとも、これだけの作業が生じるのですから、三菱東京UFJ銀行が“東京”を抜いて、社名変更するのに必要なお金と労力は…少なくともウン十億単位となることでしょう。
Photo credit: yto via Visualhunt.com / CC BY