海外に出かける日本人のうち、7割近くが何らかのツアーに参加するとの統計が出ています。つまり、国際線航空券を使っている大半の人々は国際線航空券を自分で購入したことが無い場合が多いようです。そこで本稿は、インターネット・代理店・航空会社のうちどこから国際線航空券を買えば良いかをご紹介いたします。
意外に多い自分で国際線航空券が買えない人
「海外のどこか」に行く時に、皆さんはどんな方法を利用して出かけられますか?
もっぱら、パッケージツアーに参加するという人がいるかと思えば、海外へは出張でしか行かない、というビジネスマンもいるかもしれません。
さらに、連休などを使って近隣諸国でグルメやショッピングを楽しむ、という層もいます。
海外に出かける日本人のうち、7割近くがなんらかのツアーに参加するとの統計もありますから、国際線航空券を使っている大半の人々にとっては、
- 「チケットを単独で買ったことがない」
- 「どこでどうやっ て買ったらよいか知らない」
- 「どのように選んだらよいのか、選択の方法がわからない」
というのが現状なのでしょう。
筆者もツアー参加による海外渡航を決して否定しません。
しかし、旅への欲求がますます多様化して行く中、「自分の意思や力で海外旅行に出発してみよう」と思われる方も増えています。
昨今では、格安航空(LCC)の誕生により、海外渡航の手段も格段に増えて来ました。
金額的に見て、国内線と同じ水準で近隣諸国に行けるようになりましたし、LCC各社のチケットは、「スマートフォンで電車の発着情報をチェックする程度のスキル」「通販サイトでモノを買う程度の知識」があれば買うことができます。
ところが、「長距離フライトに乗ってどこか遠くの国に行く」となると、個人で行動を起こすにはハードルが高い、と感じる人がとても多いようです。
その結果、「アジアにはLCCで気軽に行けても、欧米に行く時は旅行代理店でなんらかのツアー商品を探す」といった人が 意外と多いのです。
なぜ日本人は旅行代理店から国際線チケットを買う慣習があるのか?〜航空券販売の歴史
国際線のチケットをどう買うか、という説明の前に、日本ではどのように国際線チケットの販売が行われて来たか、その系譜を簡単に紐解いてみましょう。
日本では、1960年代に海外旅行が自由化されて以来、長い期間にわたって「個人向けの航空券だけを単独で買うととても高い」「格安に買うには旅行代理店で団体運賃のバラ売り を手に入れる」といった状況が続いていました。
航空会社が個人用の割引運賃を一般顧客に直接販売するようになったのは1980年代後半のことでした。
その時にようやく、個人旅行者が航空会社のカウンターに直接出かけて行って、「〇〇まで大人1枚」という形でチケットを買うことができるようになったのです。
当時の状況を思い出すと、残念なことに「旅行代理店が出している料金の方が航空会社から直接買うより安かった」ほか、インターネットやウェブサイトがなかった時代でしたから、 「どこかの都市に行くのに、安く簡単に飛ぶために旅行会社スタッフのアドバイスが欲しい」といったニーズもあり、航空会社から直接購入する人は相対的に少なかったようです。
そんなさまざまな事情があって、日本では現在もなお、旅行代理店でスタッフと相談しながらチケットを買う人々の比率は、他の海外旅行先進国と比べて大きいようです。
状況別〜自分で国際線航空券を買う3つの手段
前述のように、日本では国際線航空券を扱う旅行代理店にコンタクトを取ったり、代理店のサイトをチェックしたりする人が多いようですが、現実には航空会社から直接購入しても決して高い値段にはなりません。
また、海外に拠点を持つオンライン旅行サイトの日本語版を使ってチケット選びの参考にしたり、 そこで実際に購入することもできます。
旅行客がおかれた状況や、旅行の目的によって、どの手段を選ぶのが便利化も含めて、ここからは、自分で国際航空券を手配する3つの手段をご紹介しましょう。
1)ネットで国際線チケットを探してみる
現在、ネット上には優れた検索サイトがいくつもあって、出発地と目的地、往復の日程などを入力すると、すぐに最低料金やスケジュールをはじき出してくれます。
地名や日程を入れて検索するだけなら、なんらお金もかかりませんので、サイトを開いてあれこれ試してみましょう。
意外なことに、往復の利用航空会社が異なるチケットがいくつも表示されますし、「LCCより も安いのではないか」と思うようなフルサービスキャリアのチケットが見つかったりもします。
LCC便も含めた航空券の動向がすぐにわかるサイトとしては「スカイスキャナー(Skyscanner)」があります。
このサイトは、航空券が売られているサイトを縦断して検索、価格や所要時間が最適化された組み合わせのチケットを探し当ててくれます。
スカイスキャ ナーの拠点は英国にありますが、各国の言語および通貨に対応しており、すべての案内は日本語、日本円で表示することも可能です(発券の際にリンクする各代理店や航空会社のサイトは必ずしも日本語ではない)。
また、日本発着だけでなく、世界中のあらゆる区間のフライトの情報を同じプラットフォームで見ることができます。
「支払いが必要なチケットに関わる費用の全額が示される」ことが支持を集めている大きな理由かもしれませんが、スカイスキャナーの利用者は日本でもずいぶん増えています。
日 本の旅行代理店のサイトを見ると、検索結果の最初のページでは運賃に当たる金額しか表示されず、税金などの各種費用の総額で比べるのがかなり面倒な作りとなっているものが多く、 利用者の手を煩わします。
その点において、総額を即座に示すスカイスキャナーのようなサイトは「使い勝手が良い」と言えます。
一方、フルサービスキャリアを主に利用する人がチェックするのに、比較的便利なサイト といえば「エクスペディア(Expedia)」です。
同社のサイトでは、航空券単体で購入が可能なほか、ホテル単体、ホテルと航空券を組み合わせた「ダイナミックパッケージ」を買うことが出来ます。
航空券は単体で販売する際、最低売り出し価格を下回るダンピングはできませんが、ホテルと組み合わせ「旅行商品」として販売することで、かなりのディスカウントを可能にします。
そんな背景もあり、欧米など海外旅行先進国では「ダイナミックパッケージ」 が非常に普及しています。なお、名称こそ「パッケージ」と呼ばれますが、旅行中に代理店によるアシスタントスタッフが出てくることはありません。
2)航空会社から直接買う
前述のように、日本では「航空会社から直接、国際線のチケットを買うと高い」という状況が長年続きました。
ところが現在では航空会社のサイトでも、スカイスキャナーやエクス ペディアをはじめとする航空券予約サイト上に表示される価格と同じ水準で購入できるようになっています。
電話で直接申し込み、購入することも可能です。ただし、案内される料金がサイトの表示 と異なる場合もあります。
これは航空会社が発券手数料を追加するケースや、サイト購入での特別運賃を設けていたりするためです。
ただ、直接電話で頼むメリットもあります。
サイトでは通常、その場で発券を終えなければ予約が確定しませんが、電話で頼むと発券まで数日間の猶予を与えてくれます。
つまり「仮押さえしたい時」には便利な方法となるわけです。
休暇が確定したなどの理由で、仮押さえから本発券に進むタイミングでも、まだサイト上に安い料金のチケットが残っていればそれを買う、もしなくなっていたら仮押さえ分を生かす、といった作戦もあります。
3)旅行代理店から買う
日本国内にはさまざまな旅行会社があり、格安航空券を専門的に扱っている会社も数多く存在します。
代理店が発券するサイトの運営状況を見てみると、オンラインで即座に発券するものがあるかと思えば、料金表の羅列のみが掲載してあって問い合わせや申し込みは、メールやサイト上のフォームで行うといったところもあります。
旅行代理店を利用すると「ある都市に行くための最良の方法について、スタッフからアドバイスが受けられる」「座席の仮押さえができる」などのメリットがあります。
ただ、会社によってはクレジットカードによる決済を認めていないところがあったり、意外と高額の発券手数料を求めてくることもあります。
利用する際は、最終的に支払う際、航空券以外にどんな費用がかかるか、あらかじめ確認するようにしましょう。
最後に
いかがだったでしょうか?
それぞれの申込みにメリット・デメリットがあるのがご理解いただけたかと思います。
国際線フライトは単なる移動という行為ではなく、次の滞在先までのアプローチです。
自分で、誰とどういう移動手段で行くかを決めることは、最初こそ億劫かもしれませんが、貴重な思い出ともなることでしょう。
ぜひ、ご自分で購入の手順を踏んでみませんか?