業務中の様々なリスクから生じる賠償責任を担保し、企業を守ってくれる保険に、「一般企業向け賠償責任保険」というくくりがあります。このくくりにある保険は、万が一事故が起こった場合に、示談交渉を自ら行わねばなりません。従って、頼りになるのは保険代理店です。従って、一般企業向け賠償責任保険だけは、扱いに慣れた代理店と契約するのがオススメです。
一般企業向け賠償責任保険は企業を守る命綱
業務中の様々なリスクから生じる賠償責任を担保し、企業を守ってくれる保険の主なものは以下のとおりです。
- 施設所有管理者賠償責任保険
- 請負業者賠償責任保険
- 生産物賠償責任保険
- 受託者賠償責任保険
たとえば、施設賠償責任保険は、保有する建物や施設の瑕疵により、お客様を怪我させてしまったり事故を起こしてしまった際に、賠償責任をカバーしてくれる保険です。
請負賠償責任保険は、建設や警備その他諸々の請負作業を請け負った企業が、偶然な事故によりその業務遂行中に他人に怪我をさせたり、他人の物を壊したりした時に、賠償責任をカバーしてくれる保険です。
これらの保険は、「一般企業向け賠償責任保険」というグループに属しますが、もしもこれらの保険を適用しなければならくなった時、誰が示談をして、保険金はどのように支払われるのでしょうか?
一般企業向け賠償責任保険は示談交渉を自分でやる必要がある
まず、「一般企業向け賠償責任保険」に対する保険会社の契約規定は、契約者自身が直接被害者と示談を行い、示談した内容に基づいて保険金を支払うものが一般的です。
保険会社も適正な金額しか支払いたくないですから、もし賠償責任が起きて示談交渉を行う際に相談くらいは乗ってくれるでしょうが、車両保険のように被害者との示談交渉は行ってくれません。
とはいえ、こちらは法律の素人集団で、法律に則った示談交渉もあまり経験が無いのが当たり前。
直接被害者と示談交渉を行えば大きなストレスを感じ、示談に対応するため従来の業務に不効率が生じるなど、負の連鎖が発生する可能性があります。
どのように、この事態に対応すれば良いのでしょうか?
一般企業向け賠償責任保険は取扱に長けた保険代理店で契約しよう
このようなケースでは、助け手として保険代理店の存在が非常に重要になります。
「一般企業向け賠償責任保険」については、何かあった時は保険代理店と直接相談することをお勧めします。
“慣れた代理店”なら、被害者との示談交渉の場に同席してくれる場合もあるからです。
逆に言えば、請負賠償責任保険等でに事故に不慣れな保険代理店で保険加入してしまうと、示談交渉がスムーズにいかないことも考えられます。
私も顧問先等で、こういった保険加入の相談を受けることが多々ありますが、「一般企業向け賠償責任保険」だけは、絶対に「お付き合い」で保険に加入せず、同保険の取扱に長けている保険代理店を探して、保険加入するようアドバイスしています。
もしも保険会社による示談付きの「一般企業向け賠償責任保険」があれば、それに越したことはありませんが、現状考えられる得策は以上です。