マイナス金利で影響を受ける生命保険を春のうちにチェックせよ

預ける・殖やすには悪影響のマイナス金利

 1月末に発表され、2月に実施されたマイナス金利によって、その後株価や国債金利、為替も大きく変動していますが、そもそもこれらは、日本銀行と民間銀行との話。

 積極的な投資をしている方を除き、普段の生活に大きな影響を感じている方は、まだ少ないかもしれません。

 その中でも、私たちの生活で比較的身近な「住宅ローン」に関して、「マイナス金利でどうなる住宅ローン!?」で前回述べました。

 「借りる」という行為においては、このマイナス金利は追い風です。

 しかし「貸す」「預ける」「殖やす」という行為では、今は完全なアゲンスト。

 「◯◯金利に気をつけろ!?マイナス金利でどうなる住宅ローン」でも述べたように、既に預金金利は相当低いので、これ以上下がっても影響は微弱ですが、実はもっと身近なところで、この悪影響が出そうなのです。

生命保険はマイナス金利の影響を受けやすい

 マイナス金利で悪影響が出そうな分野、それは生命保険です。

 生命保険も金融機関です。ただし、銀行とは儲け方が少し違います。

 保険会社は、顧客から保険料としてお金を預り、運用して増やしたり(利差益)、預った保険料と支払う保険金の差額で儲けたり(費差益)しています。

 保険会社の儲けというと、この「費差益」のイメージが強いのではないでしょうか?

 ただし最近では簡単に保険料を比較できるツールや、複数社取り扱っている代理店も広まってきており、各社しのぎを削って安い商品を開発しています。

 つまり「費差益」には、さほど頼れなくなっているのです。

 次に「利差益」ですが、ここに大きく影響しているのが今回のマイナス金利です。

 一昔前には大手の不動産投資が話題になりましたが(今でも首都圏の駅には必ず○○生命ビルがありますが…)、リスク投資は極力控えたい昨今では、各社国債での運用が大部分を占めています。

 その国債の金利が下がっているのですから、生命保険会社は今までどおりの利益が確保できません。

 利差益も費差益も確保できない。その結果、

  • 1.保険料の値上げ
  • 2.解約金の引き下げ
  • 3.高利率商品の廃止

 に繋がります。

 1.2.に関しては、「現契約の保険」が対象ではなく、今後新たに発売される商品が対象です。現在まだ大きな変化は見られませんが、このままの低金利が続けば必ず影響があります。

 一方、3.の動きはもうすでに始まっており、2016年3月末で販売停止した商品も多数あるようです。

現保険にマイナス金利の影響がないかチェック

 ただし生命保険の全ての商品が、マイナス金利の影響を受けるわけではありません。

 一般的に「かけすて」と呼ばれる積立て機能が無い保険には、あまり影響が出ないのです。

 自分の加入しているどの保険が、市場の影響を受ける種類のものなのか、把握しておいたほうが賢明です。

マイナス金利の影響が大きい保険

(一時払)終身保険
個人年金保険
養老保険
学資保険

マイナス金利の影響が少ない保険

定期保険
がん保険
入院保険
損害保険

 影響大の商品は、今後条件が悪くなる一方だと考えて良いと思います。

 急いでいま不要な保険に契約する必要はありませんが、

  • 「子どもができた(できる)ので将来の学資を貯めたい」
  • 「いずれ相続対策は必須なので、条件の良いうちに」
  • 「法人の退職金準備をしなければ」

 と考えている方は、少しアクセルを踏んだほうが良いかもしれません。

 前述したように、「現契約の」保険料が上がることは原則ありません。貯蓄性保険の見直しは、むしろ厳禁。不要な見直しで、利率の良かった過去の保険を手放しかねません。

 一番大事なのは、自分の保険をきちんと把握すること。

 それが保険防衛の第一歩ですので、新年度のタスクに「現保険の確認」を入れてみてはいかがでしょうか。

法人保険
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赤井雅

株式会社アセットリンクマネジメンツ
取締役 赤井 雅

1977年生まれ
福島県福島市出身
中央大学商学部卒

〇個人・法人向けファイナンシャルプランニング、リスクマネジメント
〇生命保険・損害保険代理業
〇各種専門家と連携した相続対策
〇住宅ローン取次代理業

こんにちは。ファイナンシャルプランナー(FP)の赤井です。
国内ではなかなか認知度の低いFPという仕事ですが、欧米では「不動産」「保険」「運用」などの大きなお金が動くときにFPに相談するのは当たり前。

「不動産業者」「保険業者」「証券業者/銀行」などのプロに負けないノンプロを育てる、を理念に掲げて活動しています。

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節約社長