自社キャラクターの作成費用は広告費と資産どちらに計上すべき?

知財

貴方がもし、キャラクターマーケティングに乗り出すことを決めたとします。デザイナーにキャラクターデザインを発注し、新しいキャラクターが誕生しました。

これらにかかった諸費用は、広告費として当期の費用に計上すべきでしょうか?
それとも、減価償却資産として数期にわけて費用計上すべきなのでしょうか?

キーワードは「効果の発生する期間」です。

スポンサーリンク

キャラクターマーケティングを行うメリット

キャラクターを生かしてビジネスを展開することは、一つの賢明なマーケティング施策です。

なぜなら、キャラクターは芸能人のようにスキャンダルを起こしませんし、何より年を取ることがありません。

インターネット社会が発達したことで、愛されるキャラクターを作ることにより、プロモーションに大金を投じずPRできる場合もありますし、大手企業に負けないブランド作りも夢ではありません。

ミッキーマウス、ハローキティ、ピカチュウなど、強力なキャラクターは数十年に渡り、これを生み出した企業の販促を支えます。

スポンサーリンク

キャラクターは当期の広告費となるか?それとも資産に計上し減価償却すべきか?

さて、貴方の会社でもいよいよ商品を売り出すにあたり、キャラクターを作ることになったとします。

デザイナーにキャラクターデザインを発注し、新しいキャラクターが誕生しました。

当然、会社のPRに利用するものですから、広告費としてキャラクターを作成した年度に、費用計上できるものと考えられます。

しかし、実際のところ、キャラクター作成費用は、作成した年度に一括で費用計上することが望ましくありません。

なぜなら、キャラクターが収益に寄与する期間は、キャラクターを作成した年度のみならず、これを利用して販促を続ける間、ずっと発生するからです。

キャラクターを作るのにかかった費用は、資産として計上したうえで、その効果が出る期間において、少しずつ減価償却するのが原則なのです。
スポンサーリンク

キャラクターの減価償却期間は商標の有無でわける

しかしながら、

  • キャラクターの販促効果が何年続くのか?
  • キャラクターがいつ収益に寄与するのか?

これらについては、誰も客観的に予測することができません。

従って、キャラクターの減価償却は商標登録しているか否かで、予め期間を設定して行うことになります。

つまり、

  • 商標登録をした場合:10年
  • 商標登録をしていない場合:5年

という期間に渡って、キャラクター資産を減価償却していくのです。

10年は商標登録の有効期限であり、5年は通常の資産と同じ減価償却期間になります。

この考え方は、会社のロゴを作成したり、新しいブランドのロゴを作成したときも、同じように適用することが可能です。

なお、マスコットキャラクターの着ぐるみを作成した場合の費用も資産として計上されますが、制作費が30万円未満の「少額減価償却資産」であれば、即時償却が可能です。

もし、30万円以上の費用がかかった場合は、通常通り5年をかけて減価償却を行うことになります。

キャラクターを作成される場合は、ぜひこれらの知識を念頭に置いていただければと思います。

期末節税で購入する「少額な備品」は買い方と使い方にご注意を
決算間際にかなり利益が出ていることがわかった場合、そこから短期間で節税対策を取る必要があります。そんな時に有効な節税方法が「備品を経費にする方法(特例)」ですが、この節税方法は使い方を誤ってしまうと、税務調査で経費算入を否認されてしまうことがあります。どんな買い方と使い方をすべきか、税務のプロに解説していただきました。

Photo credit: Takashi(aes256) via Visual hunt / CC BY-SA

知財
シェアする
この記事が気に入ったら
いいね!しよう
最新情報をお届けします。
編集部

起業、経営を応援するWEBマガジン編集部です。

編集部をフォローする