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大原達朗
大原達朗アルテパートナーズ株式会社代表取締役/公認会計士・税理士・JMAA認定M&Aアドバイザー

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富士フイルムに学ぶ〜良い企業買収を実行したい時に行う情報発信の作法

富士フイルムに学ぶ〜良い企業買収を実行したい時に行う情報発信の作法
 M&A業界は情報がクローズドです。従って、シナジーが見込める企業の買収を検討しているなら、自社がどれくらいの金額で、どんな企業の買収を希望しているか、積極的に情報発信する必要があります。直近では、富士フイルムによる5,000億円規模ののM&A計画発表がその好例です。中小企業はこれにならって、どんなふうに情報発信すれば良いのでしょうか?

良い会社を買収したくてもM&A業界には情報が少ない

 新たな事業を始めたい、既存の事業を更に伸ばしたい、そう考えている経営者にとっては、シナジーの見込める企業を買収することが当然1つの選択肢となります。

 ところが、これまでもお伝えしているとおり、M&A業界は情報がクローズドな空間で、よい売り案件が少ないのも現実です。

 そこで買収を希望する皆様に提案したいのが、5W1Hを明確にした上で「買収したい」旨を、自ら進んで情報発信することです。

富士フイルムによるM&A計画発表は情報発信の好例

 お手本となる事例が、直近の富士フイルムです。

 富士フイルムは8月30日に中期経営計画を発表しましたが、計画の一部としてメディカルとソリューション&サービス部門(AI、ICT等)を中心に、M&A(合併・買収)のため、ここ3年間で5000億円を投じることも明らかにしました。 

 これが、日経新聞をはじめとして、多くのメディアで広く取り扱われていますが、これは非常に良いことです。

 よい売り案件情報を集めるためには、幾つかの方法がありますが、富士フィルムのように予算やターゲットを明示することは有効策の1つです。

 M&Aアドバイザーがその情報を元に富士フイルムへ情報を持ち込みますし、潜在的な売り手候補が「ウチも買収対象になるのではないか」と考えるきっかけが作れるからです。

 また、自ら「どんな企業をターゲットとしているか」について情報発信することで、検討対象外の的外れな買収案件が持ち込まれることも防げます。

 情報が限られているからこそ、M&Aの世界では自分たちのしたいことを、具体的かつ明確に外部へ伝えるべきでしょう。

中小企業はどのようにM&Aの情報発信ができる?

 では、中小企業の場合、企業買収により成長したいと考えているのなら、どんな情報発信を行えば良いのでしょうか?

 富士フィルムのように巨大な上場企業の場合、記者会見を開けば新聞が「自ら来て」取り上げてくれます。

 ところが、通常の場合、中小企業が企業買収したいと声高に叫んでも、大手新聞社が大きく取り上げてくれることは殆どありません。

 ならば、簡単な話です。来てくれないなら、こっちから行けば良いのです。

 ホームページで自社のプレスリリースを発表し、それを積極的に新聞社へ持ち込んでみましょう。

 意外とネタ探しに困っている新聞記者は多いですから、内容が面白ければ新聞に掲載される可能性が生まれます。

 また、プレスリリースを活用するのも1つの手です。

 PRTIMES@Pressをはじめとするプレスリリースの配信サイトは、一配信あたり数万円の費用を要しますが、魅力的な配信を行えば、ウェブメディアが大小問わず取り上げてくれます。

 そこで、自社がどんな会社であるか、M&Aを本気に取り組んでいること、予算がどれくらいあって、どんな会社が欲しいのかを具体的に情報発信しましょう。

 思わぬ良縁が生まれるかもしれません。

 ただし、やるならばトップである経営者が陣頭指揮を取って、これに取り組むべきです。

 富士フイルムの場合も、今回の5,000億円に及ぶM&A情報発信は、古森重隆会長兼最高経営責任者が行いました。

 担当に丸投げでは成果が出ないばかりか、買収を焦り、失敗につながるケースも多々あるので、くれぐれもこの点は外さないことをお勧めします。

2017年9月5日

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大原達朗
大原達朗アルテパートナーズ株式会社代表取締役/公認会計士・税理士・JMAA認定M&Aアドバイザー

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