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【技術者の視点】トランプ氏の政策が技術革新の視点で見て極めて合理的なワケ

【技術者の視点】トランプ氏の政策が技術革新の視点で見て極めて合理的なワケ
 日本のニュースメディアは、トランプ氏のやろうとしている内向き政策が、昔の貿易摩擦時代への回帰を目指すもので、いずれコストアップとインフレを起こすだろう、という論調に終始一貫しています。ただし、ITやAIの技術進歩の観点から見た時に、トランプ氏の政策はアメリカにとって極めて合理的で違った結果を生み出すものとなるかもしれません。

トランプ氏の政策は単なるモンロー主義か?

 こんにちは。アイティーエムクリエイトの伊藤です。

 先月の21日にアメリカでドナルド・トランプ氏(以下、トランプ氏)が大統領に就任して以降、日本のニュースメディアはトランプ氏の発言に対して、
  • トランプ氏は国内雇用を保護する内向き政策を行っている。
  • 昔の貿易摩擦時代への回帰であり、モンロー(孤独)主義である。
  • しかし、最適なコストダウンはグローバリゼーションによってしか実現しない。
  • 従って、彼の政策は国内に一時的な雇用を生み出しても、コストアップによるインフレを生み出し、アメリカがいずれ不景気になるのは避けられない
 という論調に終始一貫しています。

 しかしながら、少しだけITやAIの技術開発に携わらせていただいている私は、全く別の視点でトランプ氏の政策を捉えています。

 結論から言うと、彼の政策はここ数年の間に起きている技術革新を踏まえると、全くもって合理的な政策です。

 私達は、トランプ氏が大胆な形で行う、製造業を国内回帰させる方針が、エクスポネンシャル(爆破的な革新)な展開に基づいていることに、早く気付かないといけないでしょう。

 おそらく、ここ1~2年で急激な産業発展を遂げることも、現場視点で少しずつ見えてきましたので、以下お伝えします。

AIやロボットの活用はローカライゼーションによるコストダウンを産む

 そのように言える根拠は、アメリカにおける製造業で劇的に進む、AI、ロボットの活用による著しい効率化にあります。

 3Dプリンティング、AI等のテクノロジーによって、アメリカの製造業はここ数年で、著しい低コスト化、高効率化に成功しています。

 アメリカの製造業は、世界の低コスト工場で作らなくても、テクノロジーで近辺の工場に作れる状態になり始めているのです。

 自国、しかも自分達の地域で製造ができれば、コストダウンは更に成功し、著しいインフレーションが起こるということもまず想定しにくい、というのが技術者目線にも理解できます。

 例えば、一番原始的な製造業と言えば、飲食業があげられますが、シリコンバレーやサンフランシスコの街へ行くと、驚くほど沢山の無人飲食店が運営されています。

 ロボットが注文を受け、オペレーターの人間は少人数、という形で飲食店の運営が行われるというビジネスモデルは、日常風景となりつつあります。


 これまでのように、中国が駄目ならベトナム、ベトナムが駄目ならミャンマー、と工場を転々とする時代は、もう数年経てば終わることでしょう。

 グローバリゼーションからローカリゼーションへのベクトルが、技術革新で補えることが見えてきた時、トランプ氏が今やろうとしていることに皆が気づくはずです。

アメリカの「世界の工場化」をトランプ氏は目指す?

 でも、今までと同じ工場を動かすのに、今までより人の頭数が少なくて済むならば、結局のところ雇用増とはならないのでは?と考える方もいることでしょう。

 しかし、トランプ氏は海外の企業に対して、アメリカに工場を作ることについては、否定的な姿勢をとっておらず、むしろ積極的に誘致する姿勢を取っています。

 アメリカは世界にある工場を国内に戻すと同時に、今後は世界の大手工場を米国で建設するよう、更に強く招待することになり、その数が増えることで、雇用を増やせると見込んでいるのでしょう。

 私達は今、米国に対して感情的にならないで、米国の内向きノウハウを吸収する時期にいるのかもしれません。

 トランプ氏は他国と絡まなくても、米国人口を養っていく展望が見えているのだと、私自身は感じています。

 日本の過疎問題、格差問題等にも、このノウハウは適用することが可能です。

 AIやロボットの劇的な技術革新は、雇用の妨げとなるものではなく、逆に街工場でも世界の受注を請ける可能性を高め、ローカルな雇用を安定させるなど、私達に恩恵をもたらすものなのです。

Photo credit: Gage Skidmore via Visual Hunt / CC BY-SA

2017年1月30日

モンロー主義 ロボット AI 技術革新 エクスポネンシャル シンギュラリティ ドナルドトランプ

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