今週末は23日(日)「勤労感謝の日」を挟んだ連休となっている。勤労感謝の日は本来、秋の豊穣を祝う「収穫祭」であることをご存知だろうか?せっかくなので世界中の収穫祭をまとめてみる。更に今年の秋・冬、日本の農作物や旬を迎える魚は豊作・豊漁傾向にあり、お買い得だ。難しいことは抜きにして今週末は美味しい秋の収穫物を食べよう。
勤労感謝の本当の意味
今週末23日(日)は勤労感謝の日である。小さい頃から筆者自身も勘違いしていたのだが、勤労感謝の日は決して「勤労に勤しむ父や家事に励む母を称える」ためだけの日ではないことをご存知だろうか?
「祝日法 第二条」を見ると、勤労の日は「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」とあるので、上記の解釈は決して間違えではない。
しかし歴史を紐解くと勤労感謝の日の起源は奈良時代に書かれた日本書紀(日本で現存する最古の書紀)に記述された「新嘗祭(にいなめさい)」という、五穀豊穣の祝いにルーツを発する。つまり勤労感謝の日はもともとは収穫祭なのだ。
太平洋戦争が終わるまでは農業国・日本にとっては重要な祭典であったが、戦後のGHQ占領政策によって、天皇崇拝とも結びつく祭りは「勤労感謝の日」と名前を変えられて今に現存する。
世界の収穫祭 面白いお祭りのルーツは収穫祭
日本人がよく知っているお祭りはあれもこれも収穫祭にルーツを発している。代表的な例は以下3つだ。
1)サンクスギビングデー/アメリカ 11月第4週の木曜
映画でもテレビでも見る「七面鳥」で祝う収穫祭である。イギリスからアメリカ大陸に移住したピルグリム・ファーザーズ(イギリスのピューリタン入植団)が、現在のアメリカ合衆国マサチューセッツ州に到着した1620年の冬は大変厳しく、大勢の死者が出た。インデアンの知恵を借りてなんとか生き延び、翌年豊穣の秋を迎えた彼らが、神の恵みに感謝してインデアンと一緒にご馳走を食べたことが起源と言われている。
2)オクトバーフェスト/ドイツ 9月中旬〜10月上旬
日本でも各地で開かれるようになったドイツビールを飲むお祭りである。起源は9月に収穫したホップを、10月からビールに醸造しはじめられることをお祝いする収穫祭だった。一番オクトバーフェストが有名なバイエルン地方では、19世紀にバイエルン公国の皇太子が同時期の結婚祝いを行ったことで更なる盛り上がりを見せて今日に至っている。
3)ラ・トマティーナ(トマト祭り)/スペイン 8月最終水曜
スペインバレンシア州で行われるお祭りで、完熟したトマトを投げ合うお祭り。日本のニュースでもよく取り上げられるが、これもルーツは収穫祭である。完熟したトマトを大量に投げ合っても足りるくらいの収穫に感謝して始まったと言われる。今では若者がはしゃぐためのお祭りとなっており、トマトが勿体無いという声もあるが、そこは陽気なラテンの血を尊重しよう。
今年日本は惠みの豊作 感謝し食べよう
今年の日本は夏に青果が台風や長雨の影響で一旦不作となったが、10月以降は徐々に持ち直して作物が全般的に豊作傾向に入りつつある。
また、魚もサンマやイワシ、カツオをはじめとして、近年稀に見ない豊漁の年となっている。
よって、いずれも単価は下落傾向にあり、美味しいものをお得に食べることが可能な年である。
勤労感謝の日に豊作・豊漁を祝って、感謝しながら美味しいものを食べてみてはいかがだろうか?