我々の情報はグーグルの巨体に飲み込まれざるをえないか?

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 先月5月初旬にグーグルがクオリティーアップデートを実施して、日本のグーグルの検索結果もがらっと変わりました。グーグルに反乱の狼煙をあげる企業や政府のある欧州における検索ビジネス市場ですら、グーグルは実にシェアの9割を握っています。しかしグーグルばかり利用する現状に対して、いつも疑問を持つことを忘れてはいけません。

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グーグルの検索順位が5月に大幅変更された

 必読の週刊誌があります。

 2015年6月13日号「週刊東洋経済」の特集「Google 創造者か、破壊者か」を、ウェブで集客をすることを仕事にしている人はもちろん、ウェブユーザー全ての皆様にお勧めします。いくつかの発見、あるいは知識の再確認が出来る一冊です。

 未だ購入していない方はアマゾンKindleストアで、すぐにダウンロードしてお読み頂けます。

 今回はその特集の中でも「渦巻く欧州の不満:強まる巨人包囲網」についての感想をお伝えしたいです。

 記事によると英国の価格比較サイトが、突然グーグルのアルゴリズム変更によって「価格比較」と英語で検索しても、サイトが出てこなくなり死活問題になったようです。

 そこで彼らは他の同じような目にあった企業と一緒に、グーグルを欧州委員会に告発したそうです。

 この出来事は、かつてのマイクロソフト社のブラウザ抱き合わせ販売(ウィンドウズとインターネットエクスプローラの一括購入強制)をきっかけにした、独占禁止法訴訟を思い起こすデジャブーです。

 これは人ごとではありません。

 先月5月初旬にグーグルがクオリティーアップデートを実施して、日本のグーグルの検索結果もがらっと変わりました。

 順位が落ちたサイトと上がったサイトを比較分析したところ、順位が落ちたサイトタイプの1つに比較サイトがありました。

 比較サイトの多くは、本質的に他社のサイトに書かれた文字コンテンツをコピーしているものが沢山あります。

 これら比較サイトの順位は、クオリティーアップデート実施以降に落ちています。しかし、価格コムのような業界トップのサイトは健在です。

 順位が大幅に落ちたのは知名度があまり高くないサイトです。

 価格コムにはたくさんのトラフィック(便覧者の往来)がありますし、口コミという形で膨大な数の書き込みがあります。

 トラフィックもあり、オリジナルコンテンツもたくさんある場合は、いくらグーグルでもユーザーが見たがるサイトを消すわけにはいきません。

 逆に言えば、自社のサイトを消されないようにするためには、トラフィックを増やして、オリジナルコンテンツを増やすことが必要になります。

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ウェブ検索時にグーグルを避けるのは難しい

 話を元に戻します。

 ヨーロッパでは現在、沢山の企業がグーグルを告発しています。政府もこれに呼応する動きを見せるようになっており、課税も強化することを検討しています。

 しかしこれらの動きは、根本的な問題の解決となりません。

 何故なら東洋経済の記事に「グーグルが欧州における検索ビジネス市場の実に9割を握っている」とあるように、ヨーロッパの消費者はグーグルばかりを使っているからです。

 この告発をした企業の人達はどこの検索エンジンを使っているのでしょうか?グーグルを使っていなかったら、どの検索エンジンを使っているのでしょうか?

 Gmailは使っていないのでしょうか?

 グーグルの独占に抵抗するための本質的解決策は、グーグルを使わない事です。

 スマートフォンはアップルかマイクロソフトのOSを使い、地図はグーグルマップ以外を使う。動画もユーチューブではなく、フランスのデイリーモーションを使う・・・

 不可能ではありませんが、最初は苦痛を伴うでしょう。

 しかし、私達日本人も考えなくてはなりません。グーグルの製品ばかりを使っていて良いのかということを。

 幸いにして日本にはヤフージャパンがあります。

 しかし非常に残念なことに、2010年にヤフージャパンは、グーグルの検索エンジンを使う契約をグーグルと締結してしまいました。

 その時から私達は、今のヤフージャパンで何かを検索しても、実質グーグルと同じ検索結果しか見ることが出来ません。(グーグルの検索結果に、単にヤフージャパンが追加したい情報を、少し追加しただけの状態となっている。)

 検索の世界でヤフージャパンは既に、「ヤフーグルジャパン」になってしまったのです。

 こうした理由から今のところヤフージャパンには、検索エンジンとして期待が出来ません。

 残るはマイクロソフトの「Bing」ですが、シェアが伸びているという話は一向に聞くことが出来ず、最近は名前を思い出すのに数秒かかることもあるくらいです。

 かすかな希望は今度無料ダウンロードができるようになると発表されたWindows10ですが、Bingを目立たせるとまた周囲から叩かれるはずです。

 このような状況ではGoogleに挑戦できるサービスを期待できる企業は、ほとんど見つかりません。

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グーグルに対していつも疑問を持って接する

 で、結局どうすれば良いのでしょうか?

 現実的に今のところ私達に出来ることは1ユーザーとして、何かグーグルのサービスを使う時は「本当にグーグルのサービスを使って良いのだろうか?」と一瞬でも自分に疑問を投げかける事くらいでしょう。

 しかし、このささやかな抵抗こそがグーグル以外の企業が成功するチャンスを与えることになり、かつグーグル一極支配をより強めないための対策なのではないでしょうか?

 いつもいつも疑問を持って下さい。本当にグーグルのサービスばかりを使って良いのかということを。

 この疑問を無くしてしまった時こそ、デジタル化が可能なもの、つまり私達の保有するウェブサイトはもとより、私達の個人情報は何もかも、グーグルに飲み込まれ、その巨体の一部になってしまうはずです。

 今はせめて、たまにはBingを使いましょう。URLはこちらです。http://www.bing.com

追伸:
 ただ、Bingばかりを使ってしまいBingが人気が出てしまうと、Bingを運営するマイクロソフトも、今のGoogleのように振る舞う恐れがあります。いつもいつもネットユーザーとして、リスク分散のためにもサービスの提供元は分散しましょう。

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鈴木将司

一般社団法人 全日本SEO協会 代表理事

鈴木 将司
MASASHI SUZUKI

1968年 東京生まれ

ヤフー・Google・Bing等検索エンジンでの上位表示対策とネット集客に成功するために全国の企業様、個人様が結集する一般社団法人 全日本SEO協会(2007年6月設立)の代表です。会員様のアクセスアップの為、奮闘の日々です。

最終学歴
オハイオ州立アクロン大学経営学部マーケティング学科、クイーンズランド州立大学教育学部卒業
経歴
オーストラリア クイーンズランド教員、現地法人Digital Land社を経て、現職。
1996年よりウェブ製作に携わる。企画・製作した日米豪のホームページは多数。

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