アウトプットしなければインプットしても何も変わらない
「人生を変えたい」と考え、必死にインプットをしている人は、この世に数多くいます。
インプットすると、脳の中の情報や知識が増えます。しかし、インプットだけでは、現実的な変化は何ひとつ起きません。一方、アウトプットは「行動」です。アウトプットして初めて、現実世界に対して変化や影響を与えることができるのです。本を100冊読んでも、まったくアウトプットしなければ、現実の世界は何ひとつ変化することはありません。
引用元:学びを結果に変えるアウトプット大全 8ページより
これは勉強熱心なビジネスマンこそ、理解しておくべき現実です。
人間は思考の動物ですから、現実世界の他に脳内世界を持っています。インプットをすることで脳内世界を変えることはできますが、アウトプットしなければ現実世界を変えることはできません。
精神科医である筆者の樺沢さんによると、
「自分は本を読んで内容を覚えているぞ!と自負する人は部屋の本棚の本を適当に取り出して、その内容について5分で説明してみてください。それが出来ないなら読書しても役に立っていません」
実際、大ベストセラー、「嫌われる勇気」を読んだという30人に「アドラー心理学とはなんですか?」と尋ねても、内容について適切な説明ができたのは10%、たった3人しかいなかったようです。
あれだけの大ヒット作であっても、その趣旨を他者に説明出来ないということであれば、「読書は読んでアウトプットしなければ無意味」というのも頷ける話です。
ある売れっ子セミナー講師は「講演に来てくれる人で行動するのは1割以下。後の9割はリピートしたり、イベントがあれば駆けつけてくれる熱心なファンではあるけれども行動しない」と言っていました。
「インプット3割、アウトプット7割」の黄金比率
インプットだけでは脳内世界に刺激を受けるだけで、現実世界には何も変化はありません。ですが、アウトプットだけをやっていても、そもそも根っこが変わらないのでそれだけでは意味がありません。
この両輪をどちらも手に入れるうえで、樺沢さんはインプットとアウトプットの黄金比率を「インプット3割、アウトプット7割」と言っています。しかし、実際にはこれの逆が多くの人の平均的比率となっています。
大学生を対象にした調査によると、インプット(教科書を読む)とアウトプット(問題を解く)に充てている時間はインプットが7割を占めていたそうです。学生も社会人もほとんどの人はインプット中心の学習をしているというのが現実だといいます。
インプット→アウトプット→フィードバックのサイクルで自己の成長を促せ
樺沢さんのおっしゃるように、インプットをして、すぐにアウトプットをすることを続ければ、猛烈な自己成長が出来そうなイメージがあります。
しかし、樺沢さんは「それだけでは一向に成長をしないケースが見られる」とも付け加えています。
そのケースとは、インプットとアウトプットの後にフィードバックがきちんとなされていない場合です。
勉強して、行動する。これで成長が出来るのはインプットもアウトプットも優れた質であることが大前提ですが、実際にはこれだけでは足りず、「インプットした内容は正しいのか?」「アウトプットのやり方は間違っていないか?」とフィードバックが必要なのです。
一つの例をご紹介しましょう。
私はネットショップを経営していますが、時々SEO対策しませんか?という営業の電話がかかってきます。
話を聞いてみると、彼らの主張するノウハウはGoogleのアルゴリズムのアップデートにより、まったく効果がでなくなった手法です。
言うことに耳を傾けて、そのような手法に手を染めてしまっては逆にペナルティを食らって、検索結果上位表示どころか圏外に飛ばされてしまう恐れすらあります。
そんなことを知らずに、必死に間違ったノウハウを売り込もうとする「プロのSEO業者」がいるのです。
特にネットビジネスは日々、どんどん環境が変わっていきます。一度うまくいった手法も、テクノロジーやビジネス環境の変化で通用しなくなってしまうことはよくあります。
学びっぱなし、やりっぱなしでは成長につながらない、という言葉は、今一度誰もが自問するべき問題だと感じます。
特になかなかうまく成果が出ないと感じている人ほど、フィードバックの機会を設ける事が重要です。
私自身も、ビジネスや投資の分野ではコンサルをつけて、必ずアウトプットや行動した後のフィードバックを受ける仕組みを取り入れています。
本やセミナーの元は取れている?投資の概念を常に持とう
ちなみに、私は昔、コンサルしていただいていた方から、こんなことを言われたことがあります。
「本やセミナーは時間もお金もかかる投資だ。1000円の本を買ったら、1000円以上稼げなければ投資として失敗をしている。映画は娯楽だから”あー面白かった”で済むのだが、本やセミナーがそうであってはならない」
コンサルにそのことを教わったので、これまで何をするにも「投資」と位置づけてきました。
誰か人と会う時も「時間と労力をかけて会ってくれる相手には、価値のある時間だったと思えるような有意義で価値ある話し合いにしよう」と考え、相手にとって有益な情報や話を準備してから会うように心がけてきました。
本書の主張の通り、読書やセミナーも学んで終わりではなく、しっかりとアウトプットをする必要があります。アウトプットする際にも、可能な限り「投資した時間と費用の元を取る」という発想を持つと良いでしょう。
ちなみに先日、私は数十万円もする投資のコンサルティングサービスを利用しました。そこで得られた情報を元に投資を行い、わずか3日間で大きな収益をあげ、そのコンサルティングフィーの何倍も元を取ることが出来ました。
本を買うときも「この本を買うことでどうやって元を取ることが出来るのか?」ということをしっかり考え、吟味した上で買うようにしています。本書もこうして記事にすることで、すぐには無理でも大きく見てしっかりと元が取れると考えています。
本書を読んで感じたことは、「ここに書かれていることを全部実践できれば成果が出ない人などいなくなる」という事実です。実際、そのくらいアウトプットをきちんとこなしている人はほとんどいないのが現実なのです。
ぜひ今日からすぐにでも、7割のアウトプットを中心とした習慣を持つことで、人生、つまりは「現実世界」に変化をもたらす力をつけてみませんか?