「円」硬貨の重さや直径を知ろうとすることはなぜ大事か?

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 1円の重みを知ることは、お金を愛していることにつながる。1円の文字通りの重さは何グラムかといえば、正解は、1グラムである。大した知識ではないかもしれないが、優れた経営者は1円が持つ「価値の重み」を知っている。バブルが発生し、少し浮かれ気味になった世の中に流されないように、今一度「1円の重み」を思い返してみよう。

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1円の重さを知ることはお金を愛すること

 2015年本屋大賞にノミネートされ話題になっている小説「億男」の中で、印象に残ったシーンがある。

 貧乏と借金で苦しむ主人公が助けを求めて向かったのは、起業した会社を売却することで億万長者となった友人の元だった。

 億万長者となった友人は主人公に対して、「君はお金が好きかい?1円が何グラムか知っているかい?」と問いかける。

 もちろん主人公はとっさに答えることができない。

 そんな主人公に対して友人は「つまるところ、君はお金が好きじゃないんだ。自分の体重や、家族の好きな食べ物や、好きな女性の誕生日は気にしているのに、毎日触れているお金の大きさや重さを君は知ろうともしていない。本当に興味があれば、お金のすべてを知ろうとするはずなんだ。」と伝える。

 この後、主人公が億万長者の助けを得ながら、自分の道を見つけ家族を再生していく、というのが、億男のストーリーである。

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1円を作るのにかかるコストはなんと2円!

 1円の文字通りの重さは何グラムかといえば、正解は、1グラムである。ちなみに1万円札も1グラムなので、”物”としての重さは1円=1万円となる。

 せっかくなので、1円以外の硬貨についても重さや大きさを調べてみた。

  • 1円:直径20mm 重さ1g
  • 5円:直径22mm 重さ3.75g
  • 10円:直径23.5mm 重さ4.5g
  • 50円:直径21mm 重さ4g
  • 100円:直径22.6mm 重さ4.8g
  • 500円:直径26.5mm 重さ7g

 どれ1つとして同じ大きさではないこと、10円より100円の方が重いことなど、意外な「へぇ」が多い。

 ではそれぞれの硬貨について、更に「へぇ」となるマメ知識をご紹介しよう。

 1円硬貨を作るのにかかるコストは2円。原材料(アルミニウム)価格が高騰しているため、作れば作るほど赤字になるが、一番発行枚数の多い硬貨である。描かれている絵は植物だが、実は架空の植物で一般公募により選ばれたものである。

 5円硬貨に描かれている絵は、稲穂と水面、穴の周りの歯車で、これらはそれぞれ農業・水産業・工業を表している。

 10円硬貨というとギザギザ付きのものが高い価値があるが、これは昭和34年までしか発行されていない。当時10円が高額貨幣として取り扱われていた時代に差別化するために施されていたが、貨幣価値の変化とともになくなった。

 50円硬貨には菊、100円硬貨には桜がそれぞれ描かれている。

 500円硬貨には、高額面硬貨にふさわしく、桐・竹・橘が描かれ、500と大きくある面には、肉眼では見えづらいものの1文字0.2mmの大きさで「NIPPON」の隠し文字がある。

 無駄な知識かもしれないが、これらの豆知識で、少しでもお金に対する愛着を持ってもらえたら嬉しい。

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優れた経営者は1円の価値の重みを熟知する

 億男に登場する億万長者のように1円が何グラムか知ることは、極端な例かもしれない。しかし、優れた経営者は必ず1円の持つ「価値の重み」を知っている。

 1円では何も買えないかもしれないが、それが積み重なって売上を作り上げていることをよく理解しているからだ。

 奇しくも自動車メーカーのスズキ社長の鈴木修氏は、売上高3兆円、利益900億円という莫大な利益を出す理由について「小さな部品1つの利益1円50銭を積み上げてきたからであり、製造業は1円のコストダウンが生死を分ける」と語っている。

 日経平均株価は4月10日(金)、15年ぶりの20,000円代に到達した。世の中では余ったカネが、行き先を求めて彷徨い始めている。

 少し浮かれ気味になったこんな世の中に流されないように、今一度1円の持つ「価値の重み」を思い返し、経営者として気を引き締めて経営に当たりたい。

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