去年公開された映画『闇金ウシジマくん3』は情報商材を売るカリスマと、その元に集まる信者たちを描くシニカルなドラマでした。主人公の天生翔(てんしょうかける)のモデルとなったのは、皆さん御存知の秒速1億円さんです。彼らが信者たちに売っていたものとは、結局なんだったのでしょうか?ビジネスが破綻した時、信者たちを待ち構える運命とは?
映画『闇金ウシジマくん3』の題材となった秒速1億円さん
去年公開された映画『闇金ウシジマくん3』の原作となったのは漫画ですよね。
ちょうど情報商材が流行った時に、みんなが情報商材にガーッと乗って、そしてたくさんの人が破綻したんですけれども、この映画のネタはちょうど情報商材でした。
闇金ウシジマくんでネタになった時っていうのは、だいぶもう鎮火していた頃なんです。
現実の社会で首謀者だった秒速1億円さんがね、ちょうどお金が無くなっちゃったっていう時だったので、けっこう社会問題にはなっていたんです。
けれども、今のクレジット・サラ金の過払い請求のように、「その情報商材のお金を返してください」とか、そういう社会問題にまではならずに鎮火してしまったな〜、という程度のものでした。
情報商材は元を辿れば「ネズミ講」「マルチまがい商法」
『闇金ウシジマくん3』には、「ようこそ、史上最大のマネーゲームへ」というサブタイトルがついています。
そして、今思うことはやっぱり、情報商材という、あれは本当に一体何だったんだろう…??ってことです。
今はだいぶ浄化されてきまして、情報「教材」というものが売られているわけなんですけれど、昔はナンの価値も無いものが世の中に出回っていたんですね。
それもほんの数年前まで出回っていたっていう事を知っておくだけでも違うのかなって思います。
もともとはネズミ講なんですよ、ただの。
我々が若い頃は…30年くらい前になりますけれども、「マルチまがい商法」という形で、要するに普通にお金のやりとりだけをしているとネズミ講になってしまうので、どーでもいいボロい商品くっつけちゃおうぜっていうのが、30年前くらいに横行しておりました。
私の友達の中でも薄っぺらい奴がこれに引っかかりましてね〜、「これで金持ちになるんだ!!!」みたいな感じでね、それで大体は失敗してこっそりいなくなるんですけどね。
誰でも起業家になれる最高の情報商材30万円 お友達紹介で3万円
この情報商材も同じです。
要するにネズミ講に「情報商材」というどうでもいい物を付けただけの、マルチ商法だったってだけの話です。
ウシジマくんの映画にも「マルチ商法 闇キング」というね、秒速1億円さんをモデルにしたなってはっきり分かるような人物「天生翔(てんしょうかける)」が出てきましたよね(笑)。
原作の漫画の時点でかなり取材しているんだな、っていうのが分かったように、今回の映画におきましても、キマってますよ〜、しっかり再現されています(笑)。
映画では、弟子が親分である天生翔の情報商材を売るわけです。「誰でも起業家になれる最高の情報商材30万円 お友達紹介で3万円」というやつです。
この、”誰でも起業家になれる”というところが大事なんですよ!
儲かる系の親分の情報商材を売るだけで、”起業家になれる”ですよ!起業家!
こんな笑いが止まんないような言葉を信じて、多くの人が彼の情報商材を買うということが、ほんの数年前まで起こっていたんです。
どういうやり方かというと、お友達を紹介すると3万円くれるって、まずそこから始まるんです。
親分が作った情報商材を人に売ると3万円の手数料がもらえるという形でね。
どうやって勧誘していくかというと、親分の成功を見せつけて成功できると錯覚させるというこれが原点にあるわけです。
親分があんだけ儲かっている、あんなにお金を儲けている人が居るでしょう?
あなたもホラ!この情報商材を30万円で買えば、あなたもアチラの世界へ行けるんですよ〜!という形で底辺の人達へ売っていきます。
情報商材を買うのは底辺の人達ばっかり⇒破綻を前提としたビジネス
この映画がまた露骨なんですけれど、情報商材を買うのは底辺の人達ばっかりなんですよ。
社会の底辺の人達にどんどん借金をさせて売りつけて行くんです。そういう構図がよく表されていました。
ですからね、そんなん買ったところで成功なんて無いんです。錯覚なんです。
六本木ヒルズでドンチャン騒ぎをして、「俺達は成功者だぁぁ!みんなも俺達みたいに成功者になろうぜ〜!」みたいな事を数年前までやっていたんですね。
そして今度は弟子の方も自分で考えるんですね。
弟子が自分の商材を作ります。
「誰でも起業家になれる最高の情報商材100万円 お友達紹介で50万円」って、誰でも起業家になれる情報商材を今度は100万円で売るわけですね。
お友達紹介は、もう1割とかじゃない。「5割!半分はあなたにあげます!」っていう感じにぶち上げるんですよ。
弟子が自分で考えた商材も、もちろん売られる相手は本当に底辺の人達ばかりです。
当たり前ですけれども、ネズミ講が破綻するようにマルチまがい商法も、そして情報商材を絡めた情報商材ビジネスも所詮は破綻するんです。当たり前なんです。
なぜかって、要するに1番下の連中というのは買うだけだから。売れないんですよ!
自分が100万円で買う。お友達紹介で50万円もらえるんですけれど、売れないわけです。
ですから、どちらにせよ損をして破綻していくんですね。
秒速1億円さんは何を信者に売っていたのか?
じゃあ、つまるところ、秒速1億円さんは何を信者に売っていたのか?
彼らは売り方を語る時に、金儲けの方法を売っているわけですが、30万円とか100万円で売っているものっていうのは、金儲けの方法ではなくて、「金儲けができそうな雰囲気」を売っているんです。
結局は実が無いんです。全く実が無いことを売って50万円、100万円ともらっていたんです。
こんなっ!こんなアコギな商売がこの前まであったんですからね(笑)。
でもね、こういう商売は繰り返し繰り返しやってきます。歴史は繰り返しますからね。
与沢さんなんて、まだ小物で、もっと凄い人が昔は沢山いたんですよ!
豊田◯事とか、光ク◯ブとか、もっと組織的に、何十年も前からやっていて、彼らが破綻するたびに、騙されていた人も、周囲で囃し立てていた人も、「結局あれは何だったんだ?」「ネズミ講じゃねーか(笑)」って言うんですけれど、時代が変わると形を変えて同じ手に必ず底辺の人達がハマるんですよ!
ですから今日はこのお話をしているわけです。
情報商材の末路で信者や親にはどういうことが起こるのか?
では、こういう商売の末路ではどういうことが信者さんと親の間で起こるか?
もちろん信者さんは破綻しますから、最後は「お金返してよ!私の100万円返してよ!」ってなります。当たり前です。
100万円…これ大金ですよ。
もちろん商売をやっていても「お金を返せ!」っていくらでもあります。
倒産させてしまった、お金が払えなくなった、そしたらガンガン来ます。
そしてね、これは…あまり言えないんですけれどね、もう描ききれないですよ…あの修羅場は。
人が死んでもおかしくない状況。あの場は。
その場をどうにか乗り越えたとしても、本当にいつか自分は刺される、刺殺されるんじゃないかって、そういう事をずっと思って行かなきゃいけないんじゃないかってくらい本当の修羅場です。
100万円って大金ですからね。
100万円をどこかから、たとえば闇金から借りて積んでしまったものなら、100万円は絶対返済できないです。
そして自分はどんどんどんどん追い込まれます。
追い込まれて、追い込まれて、こうなったのは誰のせいだって。
私にあの100万円のクソ教材を売りつけたあいつだ!って。普通は殺されます。
だからみんな遠くに逃げちゃうんですね。これは当たり前の行動だと思います。
情報商材なんかやらなくても、きちんとやればネットで儲けられる
じゃあ、ネットの商売が全て悪いかって言われると、それはないです。
実は私もパソコン通信からインターネットに移る、そこら辺からネットにおいてちゃんとお金を稼いできた人間です。
というのも、結局世の中を見てみると、企業というのは必ず広告費を払います。
これだけの広告費を払って、そしてしっかりと儲けていこうっていうふうに、予算組されたちゃんとした広告費を彼らは使います。
ですからみなさんが実務をやっている場合、自分が広告費を払って儲けていっても良いです。インターネットの世界でね。
もしくは、広告費を払う人がいるわけですから、インターネットの世界で広告費をもらう。これも良いわけですね。
アフェリエイターっていう人はこの広告費をもらっているわけですし、ユーチューバーもこちらですね、広告費をもらう方ですね。
広告費を払って実務で儲けている人も沢山いらっしゃいます。
ですから、インターネットの世界では儲かる系の情報商材なんかやらなくても実務をしっかり乗せることができるし、たくさんの広告費がうごめいているわけですから、広告費をもらうという形でも、しっかりと儲かるビジネスモデルが組めると思いますよ。