民法120年ぶりの大改正 ポイントを絞りわかりやすく解説

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 今年、民法が大幅に改正される。実に1896年に制定されて以来、実に120年ぶりの改正だ。改正部分は、「債権法」と呼ばれる部分であり、消費者や責任をとれる能力の乏しい中小企業を救済する意思が見て取れる。連帯保証制度の公正証書の事前作成など、中途半端な改定に留まったものも含めて、よりよい法律になるよう注視していきたい。

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126年ぶりの大改正 民法が生まれ変わる

 今年、民法が大幅に改正される。

 実に1896年に制定されて以来、実に約120年ぶりの改正だ。ちなみに1896年に生まれた著名人は宮沢賢治、同年に死去した著名人は樋口一葉、いかに歴史のある法律かが分かる。

 1)120年の間に大きく変わった生活や社会経済を考慮する、2)これまでの判例を元にわかりやすい法律にする、この2点を中心に、民法改正案が作成され、今年の通常国会へ法案提出し可決されることで施行される予定だ。

 ここでは大きく改正される法律にポイントを絞ってご説明する。

 「ツケ」で飲んでいる人は特に要注意ですよ。

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民法の大改正は中小零細企業寄りの内容

 民法の大改正による生活の変化を、以下わかりやすく説明する。改正部分は、「債権法」と呼ばれる部分が主となる。

◆飲み屋のツケから逃げられない

 メディアでも一番話題になっている部分だが、現行の民法では職業別に「短期消滅時効」が設定されており、具体的には飲食店は1年間、小売店は2年間と設定されている。つまり居酒屋などでツケで飲んだ場合、1年経てば支払い義務が消滅するという具合だ。ツケとはつまりは「債権」を意味し、短期消滅時効が設定されていない債権の場合の時効は10年間。今回の改正では職業別の短期消滅時効が橋され、職業に関わらず「権利行使できると知った時から5年」という時効期間が設定される。1年→5年に延長するということはすなわちツケから逃れることはできないよ、という意味だ。飲食店は中小企業が運営している場合が多いため、中小企業よりの改正内容と言える。

◆保証人の制限

 借金の連帯保証人となって思わぬ負債を多く抱えてしまうことを避けるため、保証人の保護を強化する目的で公正証書の事前作成が義務化される。経営者の家族でも連帯保証人となったことで、身を持ち崩すケースが多いことなどを踏まえ、保護政策が取られることになる。これに加える形で国は、クラウドファンディングによる未上場企業への出資を認める政策を始めるなど、企業の多様な出資先を作る目論見もかいま見える。

◆損害保険の保険金受取額が増加

 120年前と比較すると、現在の法定利率は民法制定時から全く変わっていない。今回はまず5%に固定されていた金利を、3%に引き下げ、さらに3年毎に見直すこととなる。事故にあった時の損害金などが増えることになり、また損害保険会社の支払保険料は増えるため、保険料の値上げを行うことが考えられる。

◆賃貸などの敷金は原則返還

 オフィスでも家庭でも不動産賃貸時にトラブルが後を絶たないのが敷金の帰属・返還問題である。現状の法律では特に「退去時の原状回復費用」について、明文がない。今回の民法改正では、敷金の返還義務が明文化される。「経年変化」は貸主側の負担で直すこととなるが、不動産業者は、「原状回復」の状態について、賃貸契約の締結時により細かな項目設定を行う必要が生じる。

◆認知症の高齢者による契約は無効

 119年前の日本には「認知症」の概念がなかったため、現行の民法に認知症患者の権利や免責事項は一切触れられていなかった。今回の法律改定により、現在の高齢化社会を前提に、意思能力のない人への契約が法的な効力を持たないことが明文化される。

 私たちの生活に大きく関わるものが多いので、一度目を通しておくときっと何かの役に立つはずだ。

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問題点あるも改正内容は前進している

 民法は、私法の一般法、つまり日本で生活しているすべての人間に関わるものだ。

 連帯保証制度の「公正証書の事前作成」などは、債務者が個人の場合、債務者の共同経営者又は配偶者が例外とされるなど、ほとんど債務者側のリスクが変わっていないものもある。

 今後漸進的に、”勧善懲悪”が明確になり、悪いことはダメ、善良な人は救われる、といった光が見えてくる、素晴らしい法律としてブラッシュアップされることが望まれる。

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