どんな人を相手に商売するのか?悩む場面は以外に多いですよね。解決策として「30代の女性」「子育ての終わった主婦層」「もうすぐリタイアするサラリーマン層」 といった具合にペルソナを設定するのですが、これもしっくり来ません。そんな時は最強のペルソナとして、「過去の自分」を描いてみるのはいかがでしょうか?その理由を解説します。
新しい事業を始める時に悩むのがペルソナ設定
起業したいという方、新規事業に参入したいという方からの相談で、多い悩みの一つに、『見込み顧客のターゲット層をどこに設定するのか』というものがあります。
これは、もう少し簡単にいうと、『どんな人を相手に商売をするのか』という悩みです。
ターゲットを狭く絞れば絞るほど、商品サービスの設計も、売り方も、よりシャープに研ぎ澄まされて、良い結果が得られます。
さて、昔のマーケティングの教科書では、
「30代の女性」「子育ての終わった主婦層」「もうすぐリタイアするサラリーマン層」
といった具合に、年齢、性別、職業、立場などで分類して、ターゲットを決めていくことなどが書かれていました。
しかし、これから個人事業主や、小規模企業として起業しようとする人にとって、このようなくくり方では不十分で、もっと詳細に絞り込んでいく必要があります。
どうしたらよいでしょうか?
過去の自分は新規事業における最強のペルソナ
新規事業や起業のためのマーケティングの世界では、『見込み顧客のことを、世界で一番よく知っていると自負できるなら、ビジネスはうまく行く』と言われています。
そのお客様が、どんなことに悩み、どんな言葉を使い、どんな行動をし、どう感じているのか、それをあなたが一番知っていると思えるほどに、徹底的に調べ、観察し、テストしていくことが必要なのです。
その意味で、相談に来られた起業志望の方に私がよくお伝えするのが、『昔の自分に売り込んでください』ということです。
例えば、5年前、10年前のあなたは、どんなことに悩み、どんなことを考え、どんな行動をし、どんな本を買い、どんな人と会い、どんなものを求めるのか?
それを一番よく知っているのは、あなた自身です。
そして、その『昔の自分』と同じことで悩んでいる人は、世の中にたくさんいます。
その人に、売ることを考えていけばいいのですね。
「そういえば、あんなセミナーに通っていたな」「あんな雑誌を読んで、あんなことを考えていたな」「あんな展示会によく出かけたな」「あんなチラシに反応して、あんなことを体験したな」ということを企画すればいいわけですね。
もちろん、昔と今では違うところもありますから、多少は現代風にアレンジすることも必要ですが、それは過去に悩んでいたあなたならできるはずです。
過去の自分をペルソナとするもう1つの効用
この方法がもたらすもう1つの効用は、過去の経験も含めて自分を愛せるようになることです。
1人の事業者として経営を続ける時に、自分を愛せること、自分を信じられることは大きな強みとなります。
過去の自分があったから今の自分があるという自己肯定感は、ビジネスを前に進めるうえで、とても大きなモチベーションになりますよね。
もし、売上を上げたいと思うなら、『昔の自分に売り込む』ことをぜひやってみてはいかがでしょう?