経営者や経営者を目指す人の中には「今までにない新しい商品やサービスを作って顧客を感動させたい」と考える方もいらっしゃるかもしれません。ただし、本当に利益を出して儲けを作りたいならば、新しくゼロからつくるという発想は危険かもしれません。その理由を島倉さんが解説してくださいます。
新しくゼロから作るという発想は早く捨てろ
今日は「新しくゼロからつくるという発想は捨てましょう」という話をしたいと思います。
商品やサービスを作る時に、ゼロから考える方ってかなりいらっしゃいますが、これってはっきり言うと時間もコストも無駄にするだけです。
なぜか?その理由をご説明しましょう。
ゼロベースでビジネスを考える人が迎える顛末
まず、ゼロから作る人がどういう発想かというと「この世に無いものを作れば売れる」というものなのですが、大抵は以下にあげるような顛末を迎えます。
自分オリジナルって本当か?
ゼロから作る発想の人って、常に「これはまだ誰もやってないから、やれば当る」って考えていて、そのアイデアは完全に自分のオリジナルだと思い込みがちです。
しかし、このような時は、なぜ今まで市場に無かったのか?ということを考えなければなりません。
つまり、自分で何か商品やサービスをゼロから考えて作るのは、とても優秀なことなのですが、大抵の商品やサービスというのは考えつくされています。
ゼロから考える人も確かに優秀かもしれませんが、その人が考えた商品やサービスは既にもっと優秀な誰かが考えついていたりします。
そもそも儲かるのか?
そして、これも本当によくある話なのですが、自分がゼロベースで凄いアイデアだと思っていることが、本当に儲かるのか?といえば、そうでないことのほうが多かったりします。
もっと突っ込めば、似たようなことを先人達がやった結果、儲からないから撤退した。
とことん考え抜いた結果、これは儲からないビジネスモデルだから敢えてやっていない。
こういうことが殆どだったりします。
ゼロから始めるより今あるものを良い意味でパクって始めたほうが良い
特に、起業当初に完全オリジナルでゼロベースのビジネスを目指す人は、往々にして潰れやすい状態となってしまいます。
起業したばっかりなのに完全オリジナルの商品開発をするなんて、よっぽどの資金調達が出来ない限り出来ないんです。
もし貴方がお金を稼ぎたい、ビジネスで成功したいと考えるならば、早く思考を変える必要があります。
では、どうすれば良いのかというと、ゼロからやるの反対で、今あるものをやる、もっと言えば優れたものをパクったほうがビジネスは成功します。
パクるって言うと印象悪いかもしれませんが、まんま商品やビジネスをパクるのでは無くて、自分なりの価値をプラスαとして優れたサービスに加えるというのが、非常に効率的なビジネスの立ち上げ方です。
既存のサービスを自分流にアレンジすればチャンスは沢山ある
実は私、もともと大学院で経営学の研究者をしていた時代があります。
研究者ってオリジナルのゼロベースから論文を作ったり、全く未知の分野について研究していると思われがちなのですが、そんなことって全くありません。
というのも、研究するにしても、「分野」が既に存在しているわけで、これまで確立されてきた理論だとか、研究結果を踏まえたうえで、その分野で違った角度の検証を行ってみたり、プラスαの研究を行うわけです。
新しい発見を目指す研究の世界ですら、このように何かを土台にして、何かを良い意味でパクって行われるものなんです。
いわんや、ビジネスをや。という話だと思いませんか?
その市場が本当にあるのか?お客様はそこに価値を見出しているのか?
最悪な場合は、大手が市場を食い荒らした後に、何の旨味も残っていないビジネスモデルだと後でわかったら?
新しいインターネットの世界を作ったと言われるグーグルだって、既に検索市場があり、既に検索サービスを行い成功するプレイヤーがいた状態で、既存の検索サービスにプラスαを作ることで成功したわけです。
極論、世の中にゼロベースのビジネスモデルなんて無い。今あるものをどうやって顧客に喜んでもらえるように自分流でアレンジするか?という視点が、ビジネスを成功させる上ではとても重要になるでしょう。