3月17日(金)に中小企業庁は、平成28年度補正予算「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」について、採択事業者を発表し、採択率は39.6%となりました。狭き門をくぐるには、良い事業計画書作りが重要になります。そこで本稿は、過去に事業計画書が不採択となった際の主な減点ポイントをご紹介します。
平成28年度の「ものづくり補助金」採択率は39.6%
先週の17日(金)、中小企業庁は、平成28年度補正予算「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」について、採択事業者を発表しました。
1次募集にあたり15,547件の申請があり、6,157件が採択されました。
最大で3,000万円の補助金が支給されることもあり、今年は予算が700億円規模に拡大したものの、採択率は39.6%と非常に狭き門です。
従って、有利な状況を作るため、「経営強化法による支援」に基づく「経営力向上計画」を事業所管大臣に申請することが重要です。
ただし、計画書の内容により、不採択となる事例もあります。
そこで本稿は、過去に事業計画書が不採択となった際の、主な減点ポイントをご紹介します。
過去に事業計画書が不採択となった主な減点ポイントを紹介
以下、事業面、技術面、その他、3つの項目にわけて過去の不採択事由をご紹介します。
【事業面】
- 事業拡大(人員拡大)の内容が薄い
- 債務超過、営業損失等のため、財務状況が芳しくないため計画遂行が怪しい
- 競合他社との比較説明が具体的にない
- ターゲットとしているユーザー層が解らない
- 将来の収益性に関する説明が抽象的で、信憑性にかける
- 市場調査の内容が少ない、適正でない
- 対応設備を導入することでの効果について説明が弱い(数値の説明がない)
- 市場におけるニーズとやろうとしている事業のミスマッチ
- 事業自体の費用対効果が弱い(基準ギリギリ)
- 補助事業の特徴や差別化・革新性について分かり難い
- 既存の機械・設備でも実現可能な事業
- CAD/CAM等の導入事例は多くなってきており、それだけでは革新性が弱い
- 既存技術の転用に過ぎない。独自性がもっと欲しい
- 通常の機械導入だけで達成出来る技術課題である。業界で革新的な取り組みではない
- 達成目標が具体的でない。「精度」「リード単位のコスト削減」等
- 設備能力に依存する面が多く、他社でも簡単にできる事業
- 技術的な課題が設備のみの課題
- より詳細で定量的な検討が欲しい
- 技術面の工夫などが足りない、より新しい加工技術への挑戦が望ましい
- システム導入により具体的にどのように生産性を上げるかの説明が抽象的
- 写真やイメージ等が少なくて解り難い
- 専門用語が多くて解り難い
- 事業規模が小さい
- 審査者は本分野の専門家ではないので、理解出来るように書いて欲しい
- 1)ものづくり補助金の趣旨に合致した応募であること
- 2)設備投資することによる費用対効果が高いこと
- 3)誰に説明しても1)、2)、の事由を理解してもらえること
【技術面】
【その他】
誰もが理解できる事業計画書を作成しよう
規模の大きな補助金のため、事業計画書の減点理由も多岐に渡りますが、大事なのは、
の3点です。
今年も2次募集が6〜7月頃に行なわれることが予想されますので、これから申請される方は、ぜひ事業計画書作りに上記の減点事由を役立ててください。