ビジネスシーンにおけるオンライン会議やビデオ会議の重要性がより一層高まっています。
一方で画面が映す自分の顔を好きな人は殆どいませんし、女性ならオンライン会議があっても自宅勤務の時はすっぴんでいたいもの。
この悩みを解決するため資生堂が開発した「テレビューティー」は、微妙な人間心理を理解した上で、テクノロジーを適切に利用したソリューションの一例です。
ビジネスシーンで存在感増し続けるビデオ会議
こんにちは。ジェネシスコミュニケーションの松尾です。
最近、Skypeなどを使ってオンライン会議を行う機会が増えてきました。
外資系のクラウドサービス等を利用していると、電話ではなくブラウザーで接続する「オンライン会議システム」を使ったミーティングを行うのが標準のビジネススタイルです。
世界中にユーザーがいて、先方まで出向いて行うリアル会議は難しいですからね。
会社によっては、ビデオ会議になることもあります。お互いPCディスプレイに映し出された相手の顔を見ながら話すわけです。
やはり、声だけでなく相手の表情がわかると意思疎通もやりやすいとは思います。
PCカメラが映す自分を好きな人は殆どいない
ただ、ビデオ会議をやられた方は実感あると思うのですが、相手に見えているであろう自分の顔の顔色の悪さやしわなどがとても気になるものです。
PCカメラで映し出される自分の顔は、なんであんなにもみじめなんでしょうか(笑)
実は、PCカメラの画像はコントラストが強く、顔色が暗く、シミのあらが目立ちやすくなるのです。
以前、電話会社が「テレビ電話」の普及に力を入れていて、私もほんのちょっとそのマーケティングを手伝ったことがあります。
当時、相当のマーケティング予算が投下されたと思うのですが、結局普及には至りませんでした。
私が、また私だけでなく消費者の多くが感覚的に思うのは、親や子との間の電話ならまだしも、それ以外の人とテレビ電話はあまりしたくないなあということ。
例えば、朝の寝起きの姿、あるいは夜遅めの時間、だらしない恰好をしていたり、特に、女性の場合、化粧していなかったりすると、そんなときの姿を相手には見せたくないものですよね。
ビジネスにおけるビデオ会議の場合には上記のような問題は起きにくいですが、やはりビデオ映りの悪さが気になります。
確かに今後、グローバル化の進展により、海外オフィスとのビデオ会議や、自宅勤務可能な企業が増えることで、在宅勤務スタッフを交えたビデオ会議が増えることが予想されますが、実は、ビデオ会議には、みじめな顔をさらしたくないといった微妙な人間心理が絡むのです。
ビデオ会議の画面映え悩みを軽減する資生堂の「テレビューティ」
昨年、この問題を解決してくれるソリューションが登場しました。
資生堂では、2016年9月から「テレビューティ」という仕組みを試験運用しています。
同社の化粧のシミュレーション技術を用いて、メイクをしていないのに、ビデオ会議で映し出される自分の顔はしっかりお化粧した顔で映るというもの。
自宅勤務の時くらい、リラックスしてすっぴんで仕事したい、でもビデオ会議があるから化粧しなければならないのは面倒、というストレスを解消してくれるというわけです。
基本メイクしない男性の場合も、テレビューティーで顔色補正された明るい表情が好評とのこと。
「テレビューティー」の実用化時期は未定ですが、ビデオ会議を行う機会のあるビジネスパーソンには待望のソリューションでしょうね。
また、自分自身ではなく、自分に似たアニメ風のアバターを登場させて会話するシステムの普及もまもなくです。
アバターは画像が重くなりがちで、ネット回線がよほど速くなければ、動きがぎくしゃくするという問題がありましたが、こうした問題も解決されつつあります。
私もアバターのデモを見たことがありますが、アバターとはいえ、自分の話す言葉に合わせて口が動き表情も変わりますので臨場感は高く、会議が楽しくなるのではと感じています。
「テレビューティ」や「アバター」などのケースでおわかりいただけると思いますが、どんなにテクノロジーが進歩しても、これをビジネスで活かすためには、微妙な人間心理を理解し、適切な解決策を編み出す必要があるということですね。