補助金は原則的に後払いで、補助金の対象となる事業を実施したことを報告して、その後で入金されることになっています。入金までの時間がかかるだけでなく、申請採択後から入金されるまでの煩雑な手続きに音を上げてしまう人も多く、採択されたのに辞退するケースも後を絶ちません。補助金の面倒な報告事務をスムーズに片づける攻略方法をご紹介します。
補助金申請で採択を受けるも辞退は後を絶たず
「補助金を申請して、◯◯百万の採択が貰えた!」と喜ぶのもつかの間、多くの企業がここから補助金に苦しめられます。
それは、補助金の受給システムが独特なものだからです。
補助金は原則的に後払いで、補助金の対象となる事業を実施したことを報告して、その後で入金されることになっています。
入金までの時間がかかるだけでなく、申請採択後から入金されるまでの煩雑な手続きに音を上げてしまう人も多く、辞退するケースも後を絶ちません。
まして、相手は役所であるため、証拠などもちゃんと用意し、期限を守ることも必要です。
ただし、補助金申請の形状はある程度共通しており、作業の予測を事前に立てることが可能です。
そのため、報告事務などをあらかじめ予想しておき、それに合わせて準備などを進めていくことで、面倒な報告事務の効率化が可能になります。
そこで本稿は、煩雑な補助金の面倒な報告事務を、スムーズに片づける攻略方法をご紹介しようと思います。
補助金の面倒な報告事務を片付けるマル秘術
補助対象となる商品は採択後の日付で販売されることが絶対条件であるため、それを証明するには、見積書や発注書、請求書、領収書は必ず保管しなければなりません。
報告事務はこれらの数ヵ月後、半年後以降に発生するため、これらの書類を紛失しないように保管することが、第一に求められます。
更にここでポイントとなるのが、申請した名義で「費用の出し手」を統一することです。
費用を立て替えをした人物(企業)が多くいると、それだけで事務が複雑になり、カード明細や精算書など複数箇所から集める労力が必要になります。
こうなると事務手続きは、ただただ煩雑になってしまいます。
そのため、会社名義で申請した場合には、できるだけその名義で統一して費用を支出する必要があります。
そして、何より重要なことは、補助金の対象となる全ての費用を計上して、補助金をもらおうとしないことです。
例えば、人件費を補助金対象としようとしても、厳密な原価計算の算出に苦労してしまうことは多数あります。
これを踏まえれば、あえて人件費を補助金の該当部分として計上しない選択肢も出てくるのです。
満額を貰おうとせずシンプルな報告に徹しよう
もちろん満額の補助金を貰えれば、それはそれで良いことなのかもしれません。
しかし、満額の補助金をもらおうとするあまりに、事務方が報告事務に忙殺されてしまうのであれば、逆に不効率な人件費が発生し、結局は補助金効果が薄れてしまいます。
挙げ句の果てに、補助金の権利を放棄してしまうならば、最初から補助金を申請しないほうが良かったということになります。
時と場合によっては、満額ではなくとも、確実に補助金をもらうシンプルな事務手続きを重視し、面倒な計算や作業を削るというのが賢明な補助金攻略法となることを覚えておきましょう。