近年、企業同士のM&Aが頻繁に行われるようになり、M&A仲介業者の数も増えてきました。
設立されて間もない仲介業者も多い中、1990年代からM&Aの仲介を行ってきたのが「日本M&Aセンター」です。
日本M&Aセンターは、老舗のM&A仲介業者として、現在もM&A業界を牽引しています。
今回は、そんな日本M&Aセンターについて、詳細を解説していきます。
日本M&Aセンターとは
会社名 | 株式会社日本M&Aセンター |
資本金 | 25億円 |
設立 | 1991年4月25日 |
事業内容 | ・M&A仲介 ・PMI視線 ・企業評価の実施 ・上場支援 ・企業再編支援 など |
社員数(連結) | 638名 |
本社所在地 | 東京都千代田区丸の内一丁目8番2号 |
日本M&Aセンターは、1991年に設立されたM&A仲介会社です。
東証一部に上場している会社でもあり、M&A仲介会社の中でも最大手です。
本社以外にも、大阪・名古屋・福岡に支社、札幌・広島・沖縄に営業所が置かれ、全国ネットワークを展開しています。
また、アジア地域にも事務所、現地法人を構えており、国外のM&A案件も手掛けています。
日本M&Aセンターは、全国の公認会計士・税理士が共同で出資して創設されたM&A仲介会社です。
会社内には公認会計士などの士業専門家が多数在籍しており、全国の1,700の士業事務所とも連携しています。
日本M&Aセンターの特徴
日本M&Aセンターの特徴として、下記の点が挙げられます。
- M&A成約実績国内No.1
- 1案件につき法務、会計、税務担当者がフルサポート
- 国内最大級のM&Aネットワークを保有
- M&A成約後のPMIもサポート
M&A成約実績国内No.1
この数字は、国内のM&A仲介業者と比べても抜きんでており、成約実績はNo.1です。
多くの実績を積んでいることから、中小企業M&Aのノウハウが蓄積されており、あらゆるM&Aに対応できる体制を敷いています。
1案件につき法務、会計、税務担当者がフルサポート
監査や各種契約書類の作成を行ってくれるので、企業側はM&Aの交渉に注力することができます。
国内最大級のM&Aネットワークを保有
また、証券会社やベンチャーキャピタルとも連携しており、成長著しいベンチャー企業の案件も扱っています。
集められた情報は、データーベースに日々登録されていきます。
他の仲介業者の追随を許さない、膨大な量の情報を集積して、M&A仲介サービスに活かしています。
M&A成約後のPMIもサポート
一般的なM&A仲介業者は、M&A成約時点で、サービスの提供を終了します。
PMIは企業間に任せており、あくまでも「仲介」のみを行うスタンスです。
これに対して、日本M&AセンターではPMIの専門チームを設けており、M&A成約前の段階から、企業統合の戦略を考えていきます。
社員に対して、M&Aを開示する際のサポートも行っており、発表のタイミングや話し方など、詳細な部分に関してもアドバイスが行われます。
日本M&Aセンターの料金
M&Aの相談に関しては、無料で行うことが可能です。
着手金
着手金は、M&Aの規模によって変わってくるので、無料相談の際に概算を確認するようにしましょう。
新興のM&A仲介業者は、仲介金を「0円」にしているところが多いですが、日本M&Aセンターはあえて、着手金を無料にしていません。
着手金を0円は、利用者側からすると魅力的なのですが、仲介会社からすると、「M&Aを成約しないと、利益が生まれない」ことになるので、「何としてもM&Aを成約する」ことに意識が向いてしまいます。
ときには、サービス利用企業にとって最適ではない相手企業を紹介することもあり、M&A仲介の質を担保する上で、障害となります。
M&Aセンターでは、このような事態に陥らないよう、着資金の回収を行っているのです。
成功報酬
日本M&Aセンターでは、レーマン方式に基づいた料率で、成功報酬額を算出します。
料率は下記の通りです。
譲渡企業の時価総資産額 | 料率 |
5億円以下の部分 | 5% |
5億円超~10億円以下の部分 | 4% |
10億円超~50億円以下の部分 | 3% |
50億円超~100億円以下の部分 | 2% |
100億円超の部分 | 1% |
また、日本M&Aセンターは「移動資産ベース」での成功報酬算出を行っています。
移動資産ベースとは、「企業の総資産」をベースにする方法です。
多くの中小企業M&Aの際は、「純資産額」をベースにしてM&Aの取引金額を決めていきます。
ただし、この場合だと、借入金が多い企業ほど、支払い手数料が少なく済んでしまい、同じ企業規模でも支払い手数料に差が生まれてきます。
日本M&Aセンターでは、このような自体を防ぐために、総資産をベースにした成功報酬を採用しています。
日本M&Aセンターを利用したM&Aの流れ
日本M&Aセンターを利用したM&A成約までの流れは下記の通りです。
- 事前コンサルティング
- 企業評価
- 企業レポート作成
- 候補企業の抽出・選定
- 候補企業への提案
- トップ面談
- 交渉・成約
- PMI
事前コンサルティング
M&Aに限らず、どの事業継承の方法が会社にとって最適か、一緒に考えてくれます。株価算定も同時に行ってくれるので、会社の市場価値を客観的に把握することも可能です。
提携仲介契約の締結
契約を行う際に、仲介業務の内容、着手金、成功報酬、契約期間などの情報を確認して、互いに齟齬がないよう、確認を行います。
提携仲介契約の締結後、本格的なM&A仲介が始まります。
企業評価
その後、提出した資料に基づき、日本M&Aセンターが企業評価を実施します。
企業評価では、企業の収益性・成長性・財政状態・経営計画などを総合的に確認していき、客観的な評価を出していきます。
日本M&Aセンターは、企業評価の専門子会社である「株式会社企業評価総合研究所」を設立しており、長年の株価算定で培ったノウハウを基にして、企業評価を実施しています。
企業評価の目的や企業の状況に応じて、以下の手法を活用して株価の算定を行います。
- 時価純資産価額法
- 類似会社比準法
- DCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)
時価純資産価額法
時価純資産法とは、企業が保有する資産を時価換算して、その時価から負債分の時価を引いて、資産額を求める算定方法です。
中小企業のM&Aで最も頻繁に利用される手法であり、日本M&Aセンターの企業評価においても、メインに試用されている手法になります。
類似会社比準法
類似会社比準法とは、評価対象の会社と業種・規模などが類似する上場企業の株式市場価額、過去の取引価額を参考に、企業価値を算定する手法です。
市場価額や他の企業の価額を参考にするため、客観性が高い算定手法になります。
ただし、比較対象によって評価が変わってくるので、どのような企業と比較しているのか、あらかじめ把握しておく必要があります。
DCF法(ディスカウント・キャッシュフロー法)
DCF法とは、将来獲得するであろう収益の現在価値をもとに企業価値を計算して、割引率で割って企業の現在価値を求める手法になります。
企業価値を計算する際は、5年間程度の事業計画を作成することが多く、毎年の獲得予定収益を現在価値に直していきます。
企業レポート作成
分析と通して、これまで見えてこなかった会社の魅力や強みを再発見するきっかけにもなります。
日本M&Aセンターでは、独自のインタビューシートを活用して、情報を整理。分析結果、情報は「企業概要書」にまとめられて、買い手候補の企業に公表されます。
候補企業の抽出・選定
マッチングの際は、担当コンサルタントのみならず、全社規模で実施される「マッチング会議」でも情報が共有されます。
日本M&Aセンターには400名以上のM&Aコンサルタントが在籍。幅広い知見を集結させて、最適な候補企業を探していきます。
また、マッチングの際には、全国の企業ニーズが登録されたシステムを使用して、データマッチングも実施されます。
日本M&Aセンターがこれまで集めてきた情報を活用して、最適な候補企業を抽出します。
候補企業への提案
情報が流出しないよう、秘密保持契約・提携仲介契約を締結して、提案を進めていきます。
提案段階では「ノンネーム」を採用。
譲渡企業が特定できない状態にして、買い手企業が純粋にM&Aを検討できる体制を整えています。
トップ面談
買い手企業、譲渡企業の経営者同士が初めて顔を合わせるタイミングです。
日本M&Aセンターでは、トップ面談前に事前の打ち合わせを行い、面談がスムーズに進むようサポートします。
トップ面談での話し合い次第では、互いの企業を直接訪問する場もセッティングされます。
企業訪問を行う場合、社員にM&Aの動きが悟られないよう、日本M&Aセンターがサポートを行います。
交渉・成約
M&Aにおいて最も時間がかかる場面です。
互いの条件がかみ合わずに、交渉が難航することもありますが、日本M&Aセンターが間に立って調整を行ってくれます。
交渉の結果、互いに問題がないことを確認したら、「基本合意契約」に進みます。
基本合意契約では、M&A契約予定日、独占交渉権、有効期限などの諸条件を記載。基本合意契約を締結した段階で、他の企業とはM&A交渉ができなくなります。
買収監査
買い手候補企業から公認会計士などの専門家が派遣され、財務監査・税務監査を行います。
目安ではありますが、中小企業の場合で2~3人ほどの公認会計士が3日間ほどで作業を実施します。
公認会計士と合わせて弁護士が派遣され、法務監査やビジネス監査も同時に行われることもあります。
最終条件交渉
最終条件交渉では、株価・退職金・譲渡代金の支払方法など、詳細項目を詰めていきます。
M&A成立後に問題が生じないよう、慎重に内容を決めていきます。
最終契約の締結・成約式
手続きでは、「最終契約書の捺印」「譲渡代金の受領」「印鑑・手形帳などの重要物品の授受」などを行います。
最終契約の準備は、日本M&Aセンターが担当。
成約式の実施についてもサポートを行ってくれるので、最後まで安心して任せることができます。
まとめ
日本M&Aセンターは、30年近くにわたり日本のM&A仲介業を担ってきた老舗企業です。
日本国内で最大規模のM&A成約実績を誇り、まさにM&Aのプロフェッショナル集団といえます。
M&A契約後のPMIまでサポートを行ってくれる、面倒見のよい仲介会社でもあります。
歴史ある仲介会社で、質の高い仲介サービスを受けたい場合は、日本M&Aセンターを利用してみてください。