育児をしながら正規社員として夫婦が共に働くためには、「仕事場でも育児ができる環境」が必要です。これを踏まえて政府は、従業員のために保育施設などを設置した大企業や中小企業を対象とした「企業主導型保育事業」において助成金を交付しています。詳細をご紹介します。
保育施設を運営する企業を政府が応援する「企業主導型保育事業」
「旦那は仕事、妻は家事」という価値観の時代が終わりを迎えようとしています。
これまでの一般的な夫婦の共働きに関するモデルケースは、夫は正社員で妻はパート勤めというものでした。
しかし、配偶者控除の見直しをはじめ、政府は結婚した女性に対しても正規社員として就労することを求めており、女性の社会進出はもはや既定路線と言えるでしょう。
とはいえ、育児をしながら正規社員として夫婦が共に働くためには、「仕事場でも育児ができる環境」が必要となります。
これを踏まえて政府は、従業員のために保育施設などを設置した大企業や中小企業を対象とした「企業主導型保育事業」において助成金を交付しています。
「企業主導型保育事業」を利用して保育施設を作るメリット
「企業主導型保育事業」で保育施設を導入するメリットは、以下の4点になります。
- 延長・夜間・短時間・土日保育など様々な保育施設の運営形態が採用できる
- 複数の企業が共同設置することが可能
- 地域住民の受け入れを行うことができる(50%以下の要件)
- 運営費・設備費について認可施設並の助成金が受けられる
例えば、東京都内に定員12名、11時間開所、保育士比率50%の保育施設を解説した場合は、運営費として年間2,600万円を基本額として国が支給してくれます。
なお運営費は、延長・夜間・短時間・土日保育などがある場合、加算額をもらうことも可能です。
また、これ以外にも整備費の助成金活用が可能であり、地域区分(4区分、標準/都市部)、定員区分の2つの区分における基準額を基礎として基本単価を算出し、実際にかかった工事費用に3/4を乗じた額と比較し低い方の額が助成されます。
例えば、一例として定員30名の保育施設を東京都内に新設した場合は、約8,000万円の助成金がもらえ、更には病児保育スペースや一時預かりスペースを用意すると、追加で加算額が助成されることも可能です。
政府は今後も「企業主導型保育事業」を積極的に推し進める
現在、同制度を利用して150社へ76億円の助成金が既に交付されており、助成金を活用した保育施設の利用予定定員数は3,887名になります。
しかし政府は、5万人まで保育児童預かり枠の拡大を目指しているため、今後も積極的な同制度の活用を企業にアピールしています。
詳しい制度内容は、以下のホームページからご確認ください。
内閣府:企業主導型保育事業の概要