再生エネ優遇見直し 太陽光発電の今後

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 太陽光発電エネルギー施設の設置コストはかなりの割合を経費で落とすことが可能である。節税対策としてソーラーパネルを導入する企業も多いが、電力会社が新規買取を一旦保留するなど業界は混迷を極める。しかし再生エネルギー事業は国策である。時を買う視点で、冷静に業界を見るとこれから利益を出すことも可能といえる。

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太陽光発電ビジネス 大手企業がこぞって参加

 ソフトバンク・トヨタ・LIXIL・GSユアサ・オリックス・京セラ・NEC・NTT・丸紅・コスモ昭和シェル、これら日本を代表する大企業が共通して行っている事業がある。
 
 太陽光発電メガソーラー事業だ。
 
 2011年の東北大地震以降、原発の停止を受けて国が設けた再生エネルギー買取制度を利用し、大企業は田舎で大規模な土地を奪い合い、メガソーラーを立ち上げた。
  
 各省、地方公共団体が数多の補助金制度を設け、更にソーラー施設の建設にかかる費用は経費扱いできるため、巨額の税金対策としても有効だったからだ。
 
 国が設けた固定価格買取制度により、作った電力の売先が既にあるためビジネスとしても成り立つ。
 
 中小企業でも節税と売電メリットを見越してソーラー施設を設置したケースが数多くある。
 

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電力会社が一旦接続保留 暗雲立ち込める業界

  
 今月に入り太陽光発電ビジネスに激震が走った。
 
 地方電力会社が、売再生可能エネルギー発電設備の接続申込みに対する回答を一時的に保留しはじめたのだ。
  
 新規参入を予定した中小企業はもちろんのこと、売電を見越して新築の住宅にソーラー施設を設置した家庭にとっては大ショックである。
 
 出口がないので一旦の節税にはなっても、比較的高コストで施設を設置した分維持費がかかり、赤字垂れ流しとなる可能性があるからだ。
 
 大手企業は既にこの事態を見越していたので、早々にソーラー施設を建設、電力会社から「供給承諾」も受けているため、なんら問題ない。
 
 売電価格は供給量が増加するほど徐々に下がっていくことが予想される。
 
 よって今すぐに、中小企業が規模の経済性がない太陽光発電施設を立てて節税対策をしようというのは、あまり得策とは言えない。
 
 太陽光発電ビジネスはもう終焉を迎えたのであろうか?

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業界自体は未だ黎明期 周辺ビジネスも派生

 今回の接続申込み回答保留は、電力会社の電力を受け取るインフラが十分に整っていないことに大きな問題がある。
 
 インフラが整えば話は別だ。
 
 今後も再生エネルギー導入は国策であり、今後も拡充が見込まれる。
 
 例えば、北海道電力は太陽光発電エネルギーの買い取り量を、2013年の2億ワットから2015年までに10億ワットへ引き上げる計画を提出している。
 
 現在よりも売電価格は落ちるだろうが、同時にソーラー施設設置コストは今回の一件を受けて、今後大幅に下がることが予想される。
 
 「時を買う」ことでお得な価格でソーラー施設設置が可能になるかもしれない。
 
 また、ソーラー施設の耐用年数は一般的に20年程度と言われている。低コスト運営が望まれることから、施設のメンテナンスを高いレベルで専門的に行う会社が業績を伸ばすだろう。
 
 NPC※1がその一例として考えられる。上場しているが今までの業績悪化を受けて、株価も比較的安いためチェックしておくことをお薦めする。(あくまでも株式の推奨ではなく、業界の趨勢を図るうえで役立つ指標の会社としての提示である。)
 
 問題点は様々あるが、これからも黎明期にある太陽光発電ビジネスに注目していきたい。
 
 ※1 NPCホームページ http://www.npcgroup.net/

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