キミアキ先生は起業相談を受ける時に、起業したほうが良いか悪いかを判断する上で、4つのポイントを意識されていると言います。果たして4つのポイントとはどのようなものなのでしょうか?ある人から起業相談を受けた経験を元に、解説していただきます。
起業したほうが良いか否かは最初に判断できる
昨日、たまたまド素人の事業計画を見る機会がありまして、もう「1年以内に確実に潰れる〜!」というものでした。
これを良いきっかけとして、私がどういう所を見て「これは起業した方が良い!」であったりとか「これは起業しない方が良いなぁ…」という判断しているか、ノウハウを公開していきたいと思います。
私の所属するあおば会計の練馬事務所では、冬のある時期になると毎年看板を出しておりまして、「ごめんないさい!今年も新規のご依頼をお受けできません」って出すんですね。
実際に、繁忙期は新規のお仕事を全部お断りしておりまして、この看板は野方事務所にも出してます。
私、1日に1回野方と練馬の事務所をまわるんですけれど、それから帰って来て、昨日は沼袋事務所にいたんですよ。
そしたらたまたま知り合いが来て、「タナカさん!チョット散歩行きましょうよ!」なんて言われて連れ出されて、そこで「ハイッ」って事業計画書を出されました。
「一緒に商売やるやつも呼びますんで!」とか言って、本当に仲間を呼んできたんですよ。
こっちは看板まで出して、「ごめんなさい!」で新規様の仕事全部お断りしてるのに、「散歩行こう!」なんて上手いこと言って私を連れ出して、タダで事業計画書を判断してもうらおう!と思いやがってですね〜。
もう本当にとんでもないのに引っかかりましたよ!
〜キミアキ流〜起業したほうが良いか否かを判断する上で役立つ4つのポイント
話が脱線しましたが、私ね、いつも事業計画書の相談を受ける時は、4つのポイントを見て、起業したほうが良いか悪いかを、判断することにしているんです。
以下、ご紹介します。
1)参入障壁が高いか?低いか?
1番最初に見るのは、その商売の『参入障壁』が「高い」商売か「低い」商売かというところです。
参入障壁で、今ほとんど大きいのは資本力ですね。
この商売は最低1億円ないと出来ないっていうような商売は、参入障壁が「高い」ですね。
中小企業では、1億円の初期投資で始めるっていうのは、本当に大変だったりします。
ですから普通に商売を始める場合って、数百万〜1千万くらいを初期投資として設定して、だいたいの方は参入障壁は低くて、誰でも出来るような商売を考えます。
でも、最初は参入障壁が低くても良いんですよ。その理由が、2つめのポイントにつながっていきます。
2)競合を作らないようにしているか?
参入障壁が最初は低いなら、参入障壁は自分たちで作れることが出来れば良いんですよ。
低い状態で中に入って、誰でも始められるような商売なんだけど、自分たちで参入障壁を作ってしまって、ライバルがその商売を出来なくしてしまえば良いんです。
これは結局、競合相手を排除するのが目的でして、そらぁ正直な話すると競争なんてしたくないんですよ。
ですから参入障壁を作って、まぁその〜「頼むからヨソでやってくんない??」みたいなね(笑)
そんな感じで、作れれば良いわけですよね。
でね、昨日の事業計画書は、そういうところから、もぅダメだったわけですよ。競合が沢山いる所で、同じような事をやる!っていうんですね〜。
もうここまででも、既にイヤになってました。ド素人過ぎるわコイツ…って。
それなのに「タナカさんの動画見て研究してるんですよ〜!!!」って言ってるんですよ…本人は。
もう腹立つわッ本当にッ!(笑)
3)ターゲット層がお金を持っている人か?
さらに!
そのターゲットとしている人達がまた、1番お金の無い、それも「個人」なんですよ!!!
結局、万年黒字社長のお客様や取引先様は、金持ち企業か金持ち個人に決まってるんです。
資本力がない上に、お金が入ってこない人を相手に商売始めたところで、回らなくなるだけなんですね。
もう、「動画見て研究しましたからっ!(キリッ)」って、ここまでよくもまぁ俺のことバカに出来るよな〜、っていう(笑)
4)立地が良い場所か否か?
最後のポイントは、立地です。
立地というのは商売の基本でして商、売敵とかライバル・競合がいない所であるのはもちろん、どういうお客様を相手にするにしてもですね、これは業種問わずに、路面店をとった方が普通は必ず有利になります。
道が1本ずれていようが、2本ずれていようが、路面店のほうが良いんですよ。
ちょっと言い方悪いですけど、よく我々も「空中」とか「モグラ」とかいう言い方をするんですよ。
「空中」っていうのは上の方でやるやつで、それから「モグラ」ってのは地下ですよ。
地下から出てきてビラを配っても、なかなか人間ってのは地下に降りて行かないんですよ。
更には地下に降りる街と、降りない街とかもありまして、そのくらい立地というのは本当に大事です。
立地は商売の基本中の基本で、何をやるにも考えなければいけないんですが、昨日の相談パターンだと、立地は何も考えていなかったと。
4つのポイントをクリアし粗利2000万円が見えれば起業したほうが良い
昨日の相談は、何かひとつでも良い所があったりとか、ここを直せばなんか商売出来るかな…というところがあれば良かったんですけれど、全てがダメだったので、結局は受けられないという話をしました。
私に起業相談していただくと分かるんですけれど、皆さんには必ず、以下の4つのポイントはお聞きします。
- 参入障壁
- 競合
- 客層
- 立地
しつこいですが、この4つのポイントを聞いた上で、これは会社を起こしてやった方が良いのか、それとも個人事業で1回試しにやってみて、それから法人化した方が良いのかと。判断します。
もう一つ言うと、これを先に聞いた後に、粗利益2千万円が見えるかどうか。を大事にしています。
最初の基本中の基本ですから、これがグチャグチャの状態で、「頑張る!!!」とか「根性!!!」とか、失敗するのが目に見えているので、お受けしていないです。