起業を考えている人の多くは「起業することで自分自身の人生は変わるのだろうか?」という、素朴な疑問を抱えていることでしょう。この疑問に、キミアキ先生がズバリ答えてくれます。
しかし勇者の前に立ちはだかる世界は…
本稿は、これから起業へ踏み切ろうとしている全ての人へエールを送る記事です。
ドラゴンクエストに例えて起業を説明すると
起業するだけで貴方は立派な勇者になります!
今日は「起業で人生は変わりますか?」というテーマで話してみたいと思います。
結論から言いますと、
というのも起業すること自体が非常に大変で、起業できただけで「貴方は人生の勇者」だと断言できるからです。
例えば私も起業相談を受ける時があるのですが、そこでは2種類の相談があります。
- 起業したいんだけれどぉ〜(迷)
- 起業決めたんで会社を作ってください(キッパリ)
という、やる人と迷っている人で2種類の相談しかありません。ですから起業できただけで、その人は勇者なんです。
私は顧問として100社くらいの社長さんを見ていますが、その中に腰抜けは一人もいません。
迷ってナニもデキない人と、迷わず「ん〜!もうやるっ!(笑)」ていう人は全然違います。
勇者・戦士・魔法使い・僧侶が揃うことはない
起業したら勇者ですから、ドラゴンクエストに例えれば、ゲームのスタートラインに立てる状態です。
あくまでスタートラインに立っただけであって、これから旅を始めるわけです。
ドラゴンクエストだとスタート時に組む典型的なパーティがあって、勇者・戦士・魔法使い・僧侶でパーティを組めば、だいたい間違えありません。
勇者か戦士、もしかすると勇者だけでスタート、はい出発!とこんな感じなんですね。
思い通りに行くことはまず無く金にも必ず困る
先程も述べましたが起業すると、理想のパーティが揃うどころか、ほとんどのことが思い通りに行きません。
例えば、サラリーマン時代と違って、会社を起こしてしまったら、前の会社の顔はなく、自分たち自身が商品とならざるを得ない状況になります。
でも、これ楽しいんですよ。なぜならゲームの一部と考えれば、思い通りに行かないことが楽しいのです。
ドラゴンクエストだとスタート時に、スライムみたいな弱っちいのが出てきて、こちらも貧弱な檜の棒で、ぶっ叩けば倒せる流れになっています。
ところが実際の商売では、最初にスライムなんて出てきてくれません。
なんなら最初からキメラが出てきて、檜の棒なんかではどうにもならないんです。どうにも戦えません。
私どももスタッフさんに払う給料が足りなくて、サラリーマン時代に作ったクレジットカードでキャッシングして、足して給料払ったりしました。
でもこれ、零細企業は殆ど経験しているんですよ。後になって、社長さんはみんな「金に困ったこと有るよね〜」とゲラゲラ笑いながらよく言います。
こういうのも一つの試練ですが、ゲームなので「金に困るという楽しみ」です。
乗り越えられない、解決できない問題もドンドン出てきて、でも乗り越えにゃならん。金も尽きて「うわぁ〜、もう俺たちオワリだ」という試練が次々に起こります。
起業とは正解のないゲーム・ゴールのない旅だ
こんな感じで、商売自体は正解のないゲームで、ドラゴンクエストのように道筋や終わりすらありません。
どうやれば売れるんだろう?買ってもらえるんだろうと?と必死に考えるのですが、ゲームだから(笑)いつの間にか楽しくて仕方がなくなります。
更にはゴールも全く見えない。始めた瞬間からゴールが見えません。「こりゃダメだと。」
思い通りにならないことをずっとやっていかねばならないのなら、ゴールはどこにあるんだろう?と、やがて考え始めます。
そしてある時に「終わるのはやっぱり死ぬ時かなぁ。」と、達観します。
「死ぬ時にこの旅楽しかったなぁと、そう言えりゃいいよな。」と割り切りが、その辺の境地に達します。
この境地に達すると、
常に動いているから言葉もいらなくなります。
するとある時から、誰が見ても自分が動いていることを理解してもらえるようになります。
何も雄弁に語る必要がないくらい、いつの間に行動で示してしまっているからなんですね。
やがて顧客の喜びがお金に変わる気付きを得る
事業者ゆえに、それこそガーッと一生懸命に動いていますからね。お客様を喜ばせてお金もらえると「こうしたらお金貰えるんやっ!!」と。
サラリーマンの時には、私もこの境地には至りませんでした。
例えば、私の所属するあおば会計も、開業当初は時間があったので、一日4回の商店街調査に行ってました。
そうすると看板の出し方一つ、掃除の仕方やお辞儀の仕方、夏場なら水撒きの仕方一つで、それぞれのお店について、商売の上手い下手を沢山気づくようになりました。
自分たちが商売を始めた分、真剣で本気で見て動きまわっているから、自然と目が行くようになったんです。
人を喜ばせてお金をいただける商売というのは、皆さんにぜひともおすすめしたいです。
でも商売は10中8、9はうまく行きませんから、その点について覚悟を決めたなら、勇者の旅に出かけてみてはいかがでしょうか?