日増しに強くなる「マラソン熱」。今年も多くの人が東京マラソンへの参加を希望して、倍率は11.3倍にまで到達しました。なんとかして挑戦したい場合にオススメなのが、チャリティランナーとして大会に参加する方法です。例えば東京マラソンの場合も10万円のチャリティランナー枠がありますが、この制度を活用すると、寄付金控除制度によって、最大で50%の節税を可能にすることができます。
東京マラソンで節税?!そんな方法あるんです!
はじめまして。走る税理士・鈴木一彦です。キャッチコピーのとおり、私の趣味はマラソンやトレイルランニングです。
さて、秋から冬にかけては、フルマラソンの大会が多く開催されます。
今年も直近だと、世界的に注目される東京マラソンが、2月28日(日)と開催が間近となっています。
ところが最近はマラソンブームなので、東京マラソンや横浜マラソンのような人気のある大会については参加するのも大変!
東京マラソンなどは抽選申し込みなのですが、申し込み倍率が10倍を超えることも!
つまり10人希望しても1人しか参加できないような状況なのです。
このような大規模の大会の場合、普通に参加費を支払って申し込む方法以外に「チャリティランナー」として参加する方法があります。
通常の場合、10,000~15,000円ほどの参加費を払って申し込むのですが、この制度は、チャリティランナーとして100,000円くらいの寄付金を払えば、優先的に大会に参加できるというものです。
「ちょっと高いなぁ・・・」と思う方もいるかもしれませんが、このチャリティランナー制度には、税制上の優遇措置を受けられるというメリットもあるのですよ!
どのような優遇措置があるのかを、以下解説します。
チャリティ寄付は寄付金控除の対象となり得る
例えば東京マラソンの場合、参加費と併せて寄付金100,000円以上を払えば、先着順に大会に参加できるチャリティランナーの制度があります。
チャリティランナーになれれば、抽選せずに優先的に大会に参加できることになるのです。
2016年の一般参加の抽選倍率は11.3倍だったので、11人申し込んで1人参加できるかどうかという状況です。
私も7年連続で参加申し込みをして7年連続で抽選に落ちてしまいました。
どうしても大会に参加したい場合、チャリティランナーとして参加することも考えています。
ただ一般の参加費が10,800円ですから、そこにプラスアルファして100,000円を払うというのは、なかなか出来るものではありません。
でも、この100,000円を寄付することによって、所得税や住民税の「寄付金控除」を受けることが出来るのです。
それでは、この「寄付金控除」とはどのような制度なのでしょうか?
寄付金控除を利用すると最大50%税額減少も
個人が国や地方公共団体、特定の公共法人などに寄附をした場合、確定申告によって所得税などの還付を受けることができる場合があります。
一定の寄付先に寄付をしたときは寄附金控除として所得金額から差し引かれるのです。
寄付の内容によって
- ①寄附金控除(所得控除)の適用
- ②寄附金特別控除(税額控除)の適用
を受けるか、どちらか有利な方を選ぶことができます。
上記の引用文にもあるように、寄付金控除とは、「寄付金を払った場合に、所得税の還付を受けたり住民税を安くすることが出来る」制度です。
最近はやりの「ふるさと納税」も、この寄付金控除の一種です。
計算はちょっと複雑になりますので、細かい計算方法については別の機会にご説明することにしますが、所得税と住民税合わせて最大で50%くらいは税額を減少させる効果があります。
ですので、たとえ100,000円寄付をしたとしても50,000円相当は税額が減少すれば、実質の負担は50,000円程度ということになります。
ちなみに今年開催予定の東京マラソンのチャリティランナー枠はすでに締め切ってしまったようですので、あしからず・・・。
来年もし節税と一緒に参加する可能性を高めたい方は、この制度を上手に活用してみるのはいかがでしょうか?
マラソン大会で寄付金控除を活用する注意点
ただ、チャリティランナーに申し込んだからと言って、必ず寄付金控除が受けられるわけではありません。
以下の点には、最低限の注意が必要です。
- ① 確定申告をしなければならない
- ② チャリティランナーの寄付先によって寄付金控除や寄付金特別控除が受けられない場合がある
- ③ ふるさと納税など他の寄付金控除制度を使っていると受けられない可能性がある
寄付金控除制度自体が少し複雑な制度なので、もしこの制度を使いたい場合には、上記の点に注意しましょう。
最近では、ふるさと納税を利用して、マラソン大会に参加できる制度もありますので、走って健康を維持しながら節税も実現してみませんか?