ペーパレス化は進んでも紙の会計書類はまだ大事
会計書類をあげると本当に色々な種類がありますよね。
- 契約書
- 注文書
- 注文請書
- 納品書
- 請求書
- 領収書
PDF化しクラウド管理できるようになったため、ペーパレス化は進んでいるものの、国税庁が発表するところによると、2017年6月末までに「スキャナ保存申請」で書類提出されて、「承認」された件数はまだ1050件程度です。
ということは、紙で管理しないと不安、保管場所を確保するのが大変という事業者の方が、未だ圧倒多数ということでしょう。
請求書と領収書を発行する目的・両方が揃わない取引も多い
これら取引・会計関連書類の中でも代表的なものといえば、請求書と領収書です。税務調査などでも、この二つ若しくはどちらかを求められることが多くなります。
請求書は文字通り代金を請求する書類で、何某という商品あるいはサービスの対価として、○○円を何時までに支払うよう記載しているのが一般的です。
日付や内容、金額を明示した請求書を発行することで、代金未回収のリスクを避けられる目的で発行する書類ですね。
領収書は金銭を領収した際に発行する書類で、特に現金でのやり取りでは、後日支払いの有無や金額の相違などで双方の認識に齟齬が生じないようにする目的があります。
振込での支払いでは預金口座(通帳)に跡が残るため、領収書の発行を省略する場合が多くなります。
請求書や領収書は会計帳簿を作成するために必要になるだけでなく、税務上もその取引があったことを証明するため、保存・保管が義務付けられているものです。
とはいえ、請求書が発行されない、領収書が発行されない、あるいはその両方が発行されないこともよくある話です。
例えば、コンビニや量販店で物品を購入した際には、請求書は発行されず領収書のみしか受け取れません。
また、前述のように、振込で支払いが行われる場合、請求書のみが発行されて領収書が発行されないことがほとんどです。
更に、家賃やリース料など毎月定額が自動引落されるものは、当初の契約書があり、それ以降は請求書も領収書も発行されないことが多くなります。
このように書類が一つの取引を通じて、完全に揃わない場合、経費処理は認められないのでしょうか?
請求書と領収書が完全に揃わなくても大事・ただし気をつけるべきことがある
そもそも、これらの書類を発行する目的は、請求の根拠と支払(受取)の事実を、双方誤認の無いよう客観的に証明できるようにすることにあります。
請求書が無い場合でも領収書に日付・内容・金額等が明記されている、領収書が無くとも通帳等で支払・受取の事実が確認できる、といったように全ての書類が無ければNGということではありません。
ただし、気をつけるべき点が一つあります。
現金で領収したのに領収書を発行しない(受け取っていない)となれば、支払・受取の事実が証明できません。また、領収書があっても内容の記載がなく請求書等もないとなれば、何のために支払ったのかの根拠がわかりません。
特にこれから、消費税にインボイス制度が導入されることから、書類の記載内容や保管には十分に注意しましょう。