NISAが普及してきたことによって、長期でコツコツとコンスタントに投資を積み上げる、積立投資がだんだんと身近なものになってきたようです。積立投資のメリットは何と言っても、すべての投資家に当てはまる「時間の分散」によるリスクヘッジができることです。特に来年から始まる「積立NISA」は、運用益に対する非課税期間が20年に大幅に延長されたため注目に値します。
長期運用型の積立投資が3年で倍増したのはなぜか?
先日の日本経済新聞に、「積立投資が3年で倍増」という記事が掲載されていました。
参考URL:広がる積み立て投資、3年で倍増 NISAが追い風 :日本経済新聞
NISAが普及してきたことによって、長期でコツコツとコンスタントに投資を積み上げる、積立投資がだんだんと身近なものになってきたようです。
過去には積立投資に対して、十万円単位・百万円単位とまとまった資金が無いと投資できない、手数料が高い、という不評もありました。
しかし、現在では百円単位、手数料も金額によっては無料、という設定の積立投資も出ており、積立投資を始める人が増える要因となっています。
積立投資のメリットは「長期投資」という時間を使ったリスク回避
投資の基本は、「長期積立分散投資」と言われています。
わかりやすく図でご説明すると、以下のように、「資産」「国」「通貨」「時間」の4つを分散することによって、リスクを分散して安定した資産運用を行おうという考え方です。
投資においては、図のとおり4つの全てを適切に分散することが大切なのですが、「資産」「国」「通貨」の3つに関しては投資をする方の「リスク許容度」によって、それぞれどのような選択をするのかが変わってきます。
リスク許容度とは、資産運用によって発生する損失をどの程度までなら受け入れられるかの度合いのことです。
ただし、4つの中で唯一「時間」の分散だけは、すべての投資家に当てはまる有効な投資手法だと言えます。
資産運用は、当然ながら運用の成果を求めて行うものなのですが、株価やドル円相場が上がるか下がるかを予測することは簡単ではありませんし、不可能に近いことだと思います。
リーマン・ショックが来る前に株価が暴落することがわっていれば、保有していたリスク性商品を売却することが出来たかもしれません。
しかし、そのようなタイミングは誰にも予測ができなかったでしょう。
ある一定の間隔で投資を行う「積立投資」であれば、株価が上がったり下がったりという事態に左右されずに投資を行うことが可能です。
また、下がった時には逆にチャンスにもなります。
来年から始まる「積立NISA」を積極活用しよう!
最後になりますが、平成29年度の税制改正で、「積立NISA」が来年の1月から始まることが決定していまして、これは要注目です。
現行のNISAは、年間投資金額の上限が120万円で最長で10年間の非課税期間というメリットがありました。
対して、新しく始まる「積立NISA」は、年間投資金額の上限が40万円になったものの、運用益に対する非課税期間が20年に大幅に延長されています。
老後の資金準備を行うのであれば「iDeCo」が最も有効だと考えますが、中長期の資産運用を検討される場合には「積立NISA」を活用するのが有効だと思います。
資産運用の世界では、「アセット・ロケーション(資産の置き場所)」という考え方があるのですが、ご自身のライフプランや将来の目的によって、運用する場所(口座)や方法を、賢く選択していくことが大切ではないでしょうか。
ぜひ、「積立NISA」による長期投資を検討してみるのをお勧めします。