ホームページの作成時に私達は、どんなデザインで構成すればお客様は問い合わせてくれるのか?を必死に考えて、デザインや写真についてあーでもないこーでもないと議論しがちです。しかし、大事なのは目に見えるデザインや写真の構成よりも、「ホームページの裏側にある目に見えない安心感」を引っ張り出すことです。それはどんなものなのでしょうか?
どんなデザインのホームページを作ったらお客様は問い合わせてくれるのか?
今日は、ある問い合わせに対する答えを兼ねてお話してみたいと思います。
このようなお問い合わせです。
「お客様の目線に立ってホームページの改善をしようと思っているのですが、社内で会議を開き、写真の改善など散々考えて実行しようとしてます。どんなデザインで構成すればお客様は問い合わせてくれるのでしょう?」
というものです。
結論から言うと、私の答えは以下のとおりです。
「デザインを変えたら上手くいくかもしれないし、何も変わらないかもしれない。もしかすると今より数値が悪くなるかもしれない。でも、それ以上に大事なものがあって、それは、『ホームページの裏側にある目に見えない安心感』だ。」
ということなんです。
詳しく解説していきましょう。
同じ風景を見ても人がそれぞれ感じる事は違う
まずは、こちらの写真を見てください。
かっこいいですよね。そう、フェラーリです。
この写真を見て、まず貴方は何を考えますか?
では仮に、あるカップルが散歩していて、たまたまこの写真と同じ風景に遭遇したと仮定してみてください。
おそらく男性の多くは、「うわぁ、めちゃこのフェラーリかっこいい。タイヤもでかいし、フロントのキャリパーなにこれ。しかも、あえてのディープブルー。しかも、めっちゃ連れてる女性も美人やし。」
こんな感じでしょうか。
対して、女性のほうはこの写真をどう見るか?というと、「あの車の後ろのお店に置いてある服、あれかわいいな。」って、そう思っているはずです。
フェラーリなんかには目もくれず、その後ろにある洋服屋さんにしか興味が無いんです。
じゃあ、2枚目の写真に行きます。
大きな川ときれいな水が印象的な一枚ですね。
あなたはこの写真に何を見ますか?
ある人は「大きな岩だな。」「水きれいだな。」って思うかもしれません。
一方で、「あの左の岩、あれ人間の顔に見える」「これどこ?日本?海外?」って思う人もいることでしょう。
ちなみに、私は何を思ったかと言うと、「うわぁ、ここの川は釣れそう!」って思ったんですよ。
なぜかって、私が無類の釣り好きだからです。
制作側とお客様の視点には異常な開きがある
インターネットの制作側と、出来上がったホームページを見るお客様の間には、上記であげた2つの例と全く同じ現象が発生します。
出来上がったホームページで、制作側がお客様目線で、「こうやったら喜ぶ」と意図したコンテンツに対して、お客様が喜ぶ視線は全く違うコンテンツに注がれていることが往々にして生じるのです。
デートにたとえましょう。
彼氏は、「フェラーリでデートしたら彼女喜ぶんじゃないか」って、レンタカーでフェラーリを借りました。
フェラーリで彼女の家に駆けつけたら、彼女は「うわぁ、凄いね!」と喜びます。
いよいよデート本番ですが、ずっとこの車をドライブしていたいと彼氏は願うのですが、一方で彼女は「あのお店で服買いたい!」「あのカフェでカプチーノ飲みたいの!」ってうるさいんですよ。
要は、彼女がデートで重きを置いてるのは、フェラーリに乗る体験よりも、服を買ったり、カフェに行くことだったんですね。
その彼女にとって車は、フェラーリだろうが、パジェロだろうが、ミニだろうが、なんだって良かったんです。
ホームページを徹底的にお客様目線で作ったとして、その後で自分達が価値を置いてるところと全く違うところにお客様が価値を見出すことは、相手が不特定多数ですから、こんなどころの話じゃないわけです。
いちいち、「なんで凄いと感じてくれないんだ!お客様は酷い!」なんてやったり、「ウェブじゃ売れない!」なんてやるのは、はっきり言って凄くナンセンスなことです。
良いデザインより写真より大事な「ホームページの裏側にある目に見えない安心感」を引っ張り出すこと
それで私のお客様でも、「ホームページで安心感を与えたいんだ」「安心感をもって問い合わせてもらいたいんだ」っておっしゃる方が多いんです。
ところが、この安心感って、小さな会社、名前の売れてない会社が、表面上のキレイなコンテンツを幾らいじっても、お客様は殆ど見てくれません。
そういうところが多々あるんです。
小さな会社であっても、名前を今まで知らなかった会社であっても、お客様がホームページから問い合わせてくれるきっかけは、実は「ホームページの裏側にある目に見えない安心感」です。
「ホームページの裏側にある目に見えない安心感」とは、あなた自身の人柄だったり、スタッフの人柄だったり、そういう部分なのです。
そのホームページの裏側にある目に見えない部分を、お客様は見ようとしてるものです。
なのに、ユーザーインターフェースがどうとか、トップ画像を変えたら、色を変えたら…というところにばかり気を遣っても、あまり意味をなさないことのほうが多いでしょう。
小さな会社がホームページを作る時、改善しようとする時は、デザイン云々もそうなのですが、それ以上に「ホームページの裏側にある目に見えない安心感」を引っ張り出すことを意識してください。