空間用虫よけ剤の景表法違反は対岸の火事ではない

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 消費者庁は、2月20日(金)、吊り下げるなどして使用する虫の忌避効果を標ぼうする商品を販売する事業者4社に対して、景品表示法第6条の規定に基づき、措置命令を行った。今回の一件は企業の大小問わず経営者にとって、決して対岸の火事ではない。「電子商取引監視調査システム」で我々は常に見張られていることを忘れないようにしたい。

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空間用虫よけ剤で4社が景表法違反の黒判定

 消費者庁は、2月20日(金)、吊り下げるなどして使用する虫の忌避効果を標ぼうする商品を販売する事業者4社に対して、景品表示法第6条の規定に基づき、措置命令を行った。

 措置命令は大日本除虫菊、フマキラー、アース製薬、興和の4社に対して行われた。措置対象となった商品は「虫コナーズ」「虫よけバリア」などの商品名で販売される30商品である。

 例えば、「バポナ虫よけネットW120日用」と称する、アース製薬の商品は、ユスリカ(ハエの一種)の絵を記載するとともに、「広さの目安 14畳」、「120日用」、「ベランダ 軒下 つるだけ」、「つるだけ、おくだけでいやな虫をよせつけないネットタイプの虫よけです。」、「適用害虫:ユスリカ、チョウバエ」と記載していたが、これらには合理的で客観的な証拠がないため、消費者に対する「優良誤認(よいものと誤って感じさせる)」表示であるというのが、消費者庁の主張である。

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全ての企業が景表法で監視されてると思うべき

 企業経営者にとって、今回の一件は決して対岸の火事ではない。

 特にインターネットを利用して商品を販売している企業には注意が必要だ。

 消費者庁は「電子商取引監視調査システム」を利用して常に調査を行っているからだ。

 「電子商取引監視調査システム」とは,消費者庁が一般消費者から「電子商取引表示調査員」を公募して,インターネット上の広告表示等について調査を委嘱し,問題となるおそれがあると思われる表示について報告を受けるシステムだ。

 例えば、インターネットモール上で「◎◎円のところ、今回の販売に限り▲▲円」や、本当は限定数がないのに「貴重な◯◯◯セットを今回限り販売!」と言った表現を使うことは当たり前だろうか?

 根拠や客観的な証拠がなければ、これらは全て消費者への「不当表示」、「優良誤認表示」となりアウトである。

 今は何も言われていないから大丈夫だと思ってはいけない。公正取引委員会は、電子商取引監査調査システムを利用し、疑わしき企業を発見し、仕入先を把握した後、仕入先に「◯◯社に対する調査」という内容の調査状を送るのだ。

 証拠が固まってしまうと、商品の販売を停止したり、消費者からの損害賠償で著しい損害を及ぼす可能性が生じる。

 また、景品表示法違反は消費者庁によって公示されてしまうため、企業の信頼を著しく損なうリスクもある。

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結局は正直に行くのが商売成功の近道

 空間用虫よけ剤が景表法違反で引っかかった4社は今後、表示の根拠を示さなければ措置の対象となった商品を販売できなくなり、小売店へ卸した在庫を全て引き取ることになるだろう。

 各社ともに、数十億単位の損害が生じる可能性が高い。
 
 商品の魅力を最大限アピールすることと、価値以上の表示をすることは全く違う。

 反面教師として、今回の一見を捉えていきたい。

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