東京都には様々な助成事業が存在しますが、近年設立された『成長産業等設備投資特別支援助成事業』は、補助金額が小規模企業で3,000万円、中小企業で1億円、と非常に額が大きい補助金であり、注目に値します。指定された成長産業で製品・役務の開発・生産・提供をしているならば、ぜひ詳細を確認することをお勧めいたします。
1億円が補助される?革新的事業展開設備投資支援事業
あまり多くの人に注目されていませんが、東京都が主催する助成事業(補助金)は非常に充実しています。
参考リンク:東京都中小企業振興公社:助成金一覧
この中で、特に注目の補助金がありますのでご紹介したいと思います。
『革新的事業展開設備投資支援事業』という制度です。
制度の趣旨は、2020年以降も、活力ある持続的発展を目指し、現状に満足することなく果敢に挑戦する中小企業等が、更なる発展に向けた競争力の強化や成長産業分野への参入を目指す際に必要となる最新機械設備の購入経費の一部を助成する、というものです。
簡単に言うと、「ものづくりを行う製造業」が主な対象となる事業です。
こちら、なんと、補助金額が小規模企業で3,000万円、中小企業で1億円、と非常に額が大きい補助金です。
ぜひ、概要をチェックしていただければと思います。
革新的事業展開設備投資支援事業とは?
1)助成対象者
東京都内に登記簿上の本店または支店があり(個人にあっては都内で開業届出をして事業を営んでいる者)、2年以上事業を継続している中小企業者等
2)助成対象事業
事業計画を伴う以下の①または②の事業であること
- ①更なる発展に向けて「競争力強化」を目指した事業展開に必要となる最新機械設備を新たに購入する事業
- ②成長産業分野の「支援テーマ」に合致した事業展開に必要となる最新機械設備を新たに購入する事業
①の事業は、例えば、製品・サービスの高付加価値化、生産性の向上、新製品・新技術の事業化、新事業展開 、海外展開 、高効率及び高付加価値化、IoT活用、などの取り組みが対象になります
②の成長産業分野の「支援テーマ」に合致した事業とは、以下にあげる6つの事業分野とこれに類する開発・生産・提供を言います。
医療・健康・福祉
- 医療機器等の生産
- 創薬、再生医療に関する製品・商品の生産および販売、もしくは役務の提供
- スポーツ・健康増進および高齢者等の生活支援、介護負担軽減に関する製品・商品の生産および販売、もしくは役務の提供
- 再生可能エネルギー、省エネルギーに関する製品・商品の生産および販売、もしくは役務の提供
- 資源リサイクルに関する製品・商品の生産および販売、もしくは役務の提供
- ⑥環境汚染防止、環境負荷低減に関する製品・商品の生産および販売、もしくは役務の提供
- 防災・減災に関する製品・商品の生産および販売、もしくは役務の提供
- 防犯対策に関する製品・商品の生産および販売、もしくは役務の提供
- 食の安心・安全に関する製品・商品の生産および販売、もしくは役務の提供
- 航空機(部品、装備品等)に関する製品の生産
- 航空機活用・関連産業に関する製品・商品の生産および販売、もしくは役務の提供
- 宇宙関連産業に関する製品・商品の生産および販売、もしくは役務の提供
- 産業用ロボットの生産
- サービスロボットに関する製品・商品の生産および販売、もしくは役務の提供
- 次世代自動車に関する製品の生産
- 自動走行関連装置に関する製品の生産
- 平成29年4月1日現在で東京都内に登記簿上の本店がある
- 製造業、運輸業・郵便業、卸売業のいずれかの業種である
- 設置場所である工場等が神奈川県、埼玉県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県のいずれかであり、平成29年4月1日現在で稼働している
環境・エネルギー
危機管理
航空機・宇宙
ロボット
自動車
3)助成率及び助成限度額
①の事業では、中小企業者、中小企業団体等に対しては、対象経費の1/2以内(助成限度額1億円、助成下限額100万円)が助成、小規模企業者[※製造業・その他:従業員数20人以下、商業・サービス業:従業員数5人以下]に対しても、対象経費の2/3以内(助成限度額3,000万円、助成下限額100万円)が助成されます。
②の事業では、対象経費の1/2以内(助成限度額1億円、助成下限額100万円)が助成されます。
4)助成対象期間
交付決定日の翌月1日から1年間
助成対象設備等の契約、支払から設備稼働までをこの期間内に行う必要があります。
5)助成対象経費
最新機械設備の購入経費のうち、公社が必要かつ適切であると認めた必要最低限の経費
6)設備設置場所
原則として東京都内の自社敷地内(テナント入居、借地含む)に設置する必要がありますが、以下の3点を満たしていれば都外での設置も対象になります。
平成29年は2回目の募集まで時間がまだある
なお、申請にあたっては、税金や保険料の滞納がないこと、同じ設備の取得に際して他の助成を受けていないことも、他の補助金事業同様に求められています
今年の募集に関しては、1回目の募集は既に終了しましたが、2回目の募集が10月1日を基準日として行なわれる予定であり、これから狙っても十分にチャンスがあります。
東京都中小企業振興公社による以下の募集要項で詳細をチェックしてみてください。
参考リンク:東京都中小企業振興公社:革新的事業展開設備投資支援事業募集要項
内容が細かいので、わかりにくい場合は、
□ 申請・問い合わせ先 □
企画管理部 設備支援課 設備投資助成担当
(旧:設備リース課 特別支援担当)
〒101-0025
東京都千代田区神田佐久間町1-9 東京都産業労働局 秋葉原庁舎4階
TEL:03-3251-7884
もしくは、補助金事業に詳しい専門家と相談して申請することをお勧めいたします。
※1 助成を受けるためには、具体的な事業計画、経費見積及び資金計画等を提出し、審査を受けることが必要です。(事業計画を伴わない単なる設備の導入は、本助成の対象とはなりません)
※2 (例)製品の高付加価値化、生産性の向上、新製品・新技術の事業化、新事業展開、海外展開など