企業がウェブサイトを構築することには、1)マスメディアを利用せずブランディングや販売促進が出来る、2)人件費などコスト削減が出来る、という2つのメリットがあります。しかし、ネットで販売しにくい商品を中心に、人が介在しない販売促進は頭打ちとなり始め、逆に人を配置し、手厚いサービスを提供しようとするトレンドが始まっています。
企業がウェブサイトを構築する2つのメリット
こんにちは。ジェネシスコミュニケーションの松尾です。
今回は、ウェブサイトがリアル店舗に近づいているという話をしたいと思います。
企業の立場からウェブサイトを構築するメリットとして、従来から言われてきたのは、第一に、エンドユーザーとコミュニケーションでした。
これにより、マスメディアを使わずとも、自社サイトを通じて「ブランディング」や「販売促進(セールスプロモーション)」が行えるからです。
すなわち、ウェブサイトをマーケティングに活用することで収益増加が見込めるというわけです。
第二のメリット「コスト削減」が崩れ始めている
第二のメリットは、例えばECサイトの場合にはお客様が自分で商品を検索して、欲しい商品を選択・決済してくれるので、店員さんが不要、人件費が削減できるという点です。
また、問い合わせについてもFAQを充実させておけば、疑問点・不明点も自分で解決してくれるので、カスタマーセンターへの電話問い合わせが減り、センター運営コストの低減が可能となるわけです。
従って、これまでのWebサイトは、上記のようなメリットを享受するため、基本的に「セルフサービス化」を志向してきたのです。
ところが近年は、逆に人を配置し、サイト上で手厚いサービスを提供しようとする方向へとトレンドが変わってきました。
具体的には、「チャットサービス」を組み込んで、サイト訪問者の問い合わせに、リアルタイムで対応するWebサイトが増えてきています。
この背景にはいくつの要因が考えられます。
徐々にリアル店舗化する企業のウェブサイト
まず、競合各社がどこもWebサイトを立ち上げ、同じような情報を提供している中、他社との差別化のポイントとして、プラスアルファのサービスを提供する必要性が高まっていることがあります。
もうひとつは、やはりリアル店舗のように、ちゃんとした接客が行えないと購入に踏み切れない商品においては、オンライン販売の伸びが頭打ちになってきていることがあります。
日用品雑貨のように普段から買い慣れていて、あまり悩まずに欲しい商品が選択できるのであれば「セルフサービス」で十分でしょう。
しかし、例えば「保険」の場合は、どんなに詳しい情報をサイトにアップしていたとしても、理解するのが困難ですし、そもそも文字を読むのがつらいという見込客も多いのです。
そこで、リアルタイムに双方向でやりとりができるチャット機能が使えれば、理解が難しい箇所について、「要するに・・・ということですよ」とわかりやすく説明してくれたり、見込客の疑問点にピンポイントで答えてくれるので購買意欲が喚起されます。
しかも、オペレーターから「ぜひ今お決めください」などと、最後のひと押しで購入に踏み切る人も増え、売上増にもつながるというわけです。
まさに、リアル店舗で店員さんが接客しているようなやりとりが、今のWebサイトでは行われるようになってきているのです。
次回は、チャットサービス導入の具体事例をご紹介したいと思います。