忘年会シーズンにいよいよ突入ですね。年末に向けてアルコールを摂取する機会が増えるわけですが、ここで思い起こしたいのが「酒税ってどんな税金?」という話題です。
酒税ってどんな税金?酒税がかかる飲み物とかからない飲み物の境界線は?酒税のドル箱となっているお酒の種類は?忘年会で使える小ネタを満載でお届けいたします。
忘年会シーズンへ突入で思い起こす酒税の定義
皆さんの会社も、そろそろ忘年会の企画を考え始めたところではないでしょうか?
実は、私はもう税理士仲間での忘年会を済ませてしまいました。
まだ11月ではありますが、私たちの業界は12月に入ってしまうと繁忙期になってしまうので、早めにやってしまおうというワケです。(おかげで少し二日酔いですが・・・(;´・ω・)アセ)
これからの時期は、忘年会など「お酒を飲む機会」が多くなってくるかと思います。
ここで純粋な疑問なのですが、お酒ってソフトドリンク等と比較すると、結構お値段が張りますよね。
それは、お酒にかかる特別な税金「酒税」があるからなのです。
そこで本稿は、「忘年会シーズンに考えたい酒税ってどんな税金なの?」という疑問にお答えしようと思います。
酒税って何なの?お酢に酒税がかからぬワケ
酒税の対象となるお酒は「アルコール度数が1%以上のモノ」と言う規定が設けられています。
ですのでアルコール1%以下のモノであれば、酒税の対象とはなりません。
例えば、お酢などには0.2%ほどの微量なアルコールが含まれていますが、酒税の対象とはなりません。
ちなみにアルコール1%のお酒は商品として存在していますが、アルコール0.99%の商品は存在していないようです。
0.99%であれば「酒税がかからない商品」として存在しそうですが、今はどこのメーカーも作っていないようです。
実は昔は0.9%程度のローアルコール飲料があったのですが、「お酒ではない」と勘違いして飲む人が多かったんですね。
ですので現在は、アルコール度数ゼロのビールテイスト飲料が主流になっているそうです。
お酒は種類で税率が変わる!酒税のドル箱となっているお酒はどれ?!
さて、一口にお酒と言っても色々な種類があります。
ビールにワイン、日本酒にウィスキーやブランデー・・・
アルコール度数1%以上であれば、どのお酒にも酒税はかかりますが、種類によって税率が変わります。
例えば、同じビール系の飲料であっても、350ml缶1本あたり
- ▼ビール・・・約77円
- ▼発泡酒・・・約47円
- ▼第三のビール・・・約28円
と結構な差があります。
ちなみに同じ量で比較すると、日本酒は約42円、ワインは約28円です。
アルコール度数で比較するならば、ビールに対する酒税の割合が非常に高くなっています。
ビールは、酒税のドル箱となっているんですね。
ただし、最近では、これらのビールに対する課税を変えていこう、という動きが出ています。
ビールと発泡酒、第三のビールなどは「発泡性酒類」というものに該当しますが、この税率についてすべて同じにしようという動きです。
多少はビールに対する税金が少なくなるかもしれませんが、その代わり、発泡酒や第三のビールに対する税金は高くなることが予想されます。
なんとかして税収を増やしたいんでしょうね。
酒税の税収が急減中。飲食ビジネスの今後は?
国がなんとかして税収を増やしたいと考えている一方で、最近は税収に占める酒税の割合が減少しています。
平成8年には2兆円を超える酒税収入があったのですが、平成25年には1.3兆円にまで税収が落ち込んでいます。
ちなみに平成25年の相続税収が約1.5兆円ですから、国の歳入に占める酒税の存在は、思いの外大きいものなんです。
やはり「お酒を飲む人」が減ったことと「お酒を飲む機会」が減ったことが原因として挙げられるでしょう。
飲酒運転など道交法も厳しくなっていますし、若い世代だと、そもそもアルコール摂取が少なくなったり、宅飲みが主流になっていますからね。
税収の減少からも、居酒屋などの飲食店ビジネスは厳しくなっていくことが想定できます。
これからの飲食店は、お酒の販売に頼らない経営がポイントですね。
酒税のような税の側面からも、今の世の中で起こっている潮流を垣間見ることが可能です。