「家族経営の会社ってどうなんだろう?」
このようなことが気になっている方も多いのではないでしょうか?
家族経営の会社は一般的な会社と異なる独自のルールで経営が行われているケースも多くあります。
本記事では実際に家族経営の会社に勤めてわかった家族経営会社の実態やメリット・デメリットを紹介します。
家族経営会社に勤めている、または勤めようと思っている方の参考になれば幸いです。
家族経営会社とは?
「家族経営会社」とは、創業者とその家族や親族によって会社経営が行われている会社のことです。
「同族経営」、「ファミリービジネス」といわれることもあります。
特に中小企業では創業者一族が事業に関与していることが多く、役員が全員同じ苗字という場合も珍しいことではありません。
一般的な株式会社や法人等と比べると、企業方針に基づいた経営管理がなされていない、財務管理等の体系もしっかりと整備されていないケースも多いです。
家族経営会社で実際にあった理不尽な出来事
ここでは実際に家族経営の会社に勤めてきた中で起こった理不尽な出来事を紹介します。
家族経営会社で起こった理不尽な出来事①経営者の子どもが毎日学校帰りに職場に来て、その子のための間食を作らされる
家族経営会社に勤めている際には経営者の子どものためにほぼ毎日間食を作っていました。
正直なところ「家政婦として雇用されたわけではないのに、なぜ業務外のことをやらされるの?」と毎日疑問でした。
間食を作るだけではなく使用した調理器具、食べ終わった食器なども洗う必要がありますので、思っているよりも時間が取られます。
食洗機、食器乾燥機などがあればまだ時間短縮できたのでしょうが、ありませんでした。
当然その子を相手にしている時間の分、本来の業務を進めることができずにスケジュールに余裕がなくなります。
結果的に業務時間内に業務が終わらないことも多くありました。
しかし会社は残業手当を支払いたくないからか、残業の許可はおりません。
とはいえその子どもの前では苛立ちなど見せてはいけません。見せてしまうと経営陣に報告がいきます。
そして業務外の命令をしたのは経営者側であるのに、業務が遅れようものなら叱責を受けます。
そのため職場にはその子の親も居ましたが、我慢して子守を続けていました。
家族経営会社で起こった理不尽な出来事②業務時間中に経営者の副業である果物出荷作業命令
私は当時、事務職として雇用契約を結んでいました。
にもかかわらず業務時間中に経営者の副業である果物出荷作業を行っていました。
もちろん、募集要項には一般的な事務内容のみが記載されており、果物出荷作業などという文言はありません。
作業としては果物の分別作業から梱包、宛名書き、宅配手配まで及び、酷いときは1日の業務時間が終わってしまうこともありました。
当然通常業務に遅れが出ますが、上記の子ども対応のときと同様に残業は許されず、業務の遅れも許されませんでした。
対応策として始業時間より早く来て少しでも終わらそうと考えても、早く出勤することすら「契約通りの始業時間に来てもらわないと困る」と断られます。
それならばお昼休憩の時間を減らそうとすると、きちんと規定通りに休んでもらわないと労働基準法違反になるから困る、と言われる始末です。
業務時間枠が経営者都合で他のことに当てられているのに、何も用事がない設定で組まれた業務内容をこなしていくのは非常に困難でした。
家族経営会社で起こった理不尽な出来事③休日に果物収穫作業命令(職場に6時集合、代休付与なし)
経営者の副業である果物の収穫期になると、休日に収穫のお手伝いをしなくてはいけませんでした。
職場に朝の6時集合でしたので、始発電車を利用した記憶があります。
日当として手当は出ましたが、農作物の収穫は重労働です。
強い日差しの中、足場の悪い土地で体のバランスを取り、常にほぼ上を向いた状態で果物収穫……頭に血が上るためか日差しが強いからか、果ては両方からなのか気分が悪くなることがしばしばありました。
普段からやり慣れている人と未経験者では、長時間の農作物収穫作業における疲労度は差が出ます。
にもかかわらず代休を付与されることはありませんでした。
家族経営会社で勤めるメリット
家族経営会社は一般的な会社と比べるとルールが曖昧です。
そのため良くも悪くも経営者家族次第で処遇が決まります。
なので経営者家族や親族に気に入られることができれば待遇は良くなるのではないかと思います。
また組織的ではないので、比較的「アットホーム」な職場が多いかと思います。
家族経営会社で勤めるデメリット
家族経営会社には以下のようなデメリットがあります。
家族経営会社で勤めるデメリット①ストレスが溜まりやすい
経営者家族や親族から疎まれないようにするために、非常に気を遣うためストレスが溜まりやすいです。
身内の人間が多いからか和気藹々としていますが、その分、普通の会社では他人の目を気にして憚られそうな不躾な発言等もなされます。
家族経営会社で勤めるデメリット②公私混同
家族経営会社では公私混同が多いです。
上記でも述べたように経営者の子どもが会社に遊びに来るといったような出来事も起こります。
また業務とは全く関係のない家族間の問題が職場に持ち込まれ、雰囲気が悪くなることもあります。
家族経営会社で勤めるデメリット③コンプライアンス・待遇の低さ
家族経営会社はコンプライアンス意識が低い傾向にあり、パワハラやセクハラがあっても曖昧に済まされる、酷いときには被害にあった側が不遇な対応を受けることもあります。
また経営者家族や親族と比べて露骨に待遇の差があります。
いくら頑張って業績を出したとしても、優遇されるのは経営者家族や親族で、経営が危なくなったときに真っ先に雇用悪化の影響を受けるのは外部の人間です。
家族経営会社に勤めていて辞めたいと思った理由
メリットよりも断然デメリットの方が大きすぎて、これから先もこの状態が続くのかと考えたら耐えられない。
それが職場を辞めたいと強く思った理由で、すぐに転職活動に踏み切りました。
数百人規模の従業員を抱える企業ならまだ良いですが、中小企業で家族経営の会社に勤めると上記にも挙げたような事柄が非常に目立ちます。
もちろん、メリットやデメリットは所属している会社によって違うでしょう。
「あるある」と思われる方も「いや、そんなことないけどな」と思われる方もいるでしょう。
ただこの記事を読んだ方で、これから家族経営の職場に勤めようと考えている方は、今一度自分に合うのか考えることをオススメいたします。
また、もし現在家族経営の職場で勤めている方でデメリットの方が大きく思える方は、転職を検討してみるのも手段の一つだと思います。
職場はそこだけではありません。
ここでしか自分を雇ってもらえないなどと卑下する必要はありません。
あなたを正当に評価してくれる企業はどこかにあります。
人生は有限であり、あなた自身のためのものです。
体調を崩したり、精神疾患になったりする前に再考してください。