いよいよ新年度入りとなりましたが、日本政府の会計年度も4月から新たな始まりを迎えており、これに合わせて様々な税制改正の適用もスタートしました。これらのうち、4月から適用される改正を5つおさらいしたいと思います。法人税率の引き下げ、空家問題の解消、国際会計基準への対応、など、現代の日本で起きる問題に対する写し鏡のように、税制も変わっていきます。
政府の会計年度がスタートし税制改正も適用に
さて、いよいよ新年度がスタートしました。
フレッシュな人員が入り、気持ちを新たにされている方も多いのではないでしょうか?
日本政府の会計年度も4月から新たな始まりを迎えており、これに合わせて様々な税制改正の適用もスタートしました。
今回は、4月から適用される税制改正を改めて、おさらいの意味も込めてご紹介いたします。
4月から適用される5つの改正内容をおさらい
1)法人税の税率の引き下げ
現行の法人税率23.9%が23.4%に引き下げられます。
段階的に税率の引き下げが予定されており、黒字企業に対する恩恵措置、海外企業の誘致を狙った政策と言われています。
適用開始時期:平成28年4月1日から開始される事業年度
2)繰越欠損金の利用制限の見直し
資本金1億円超の法人について課せられている繰越欠損金の利用上限が、現行65%から60%に引き下げられます。
適用開始時期:平成28年4月1日から開始される事業年度
3)減価償却制度の見直し
平成28年4月1日以後に取得をする「建物附属設備」「構築物」の減価償却方法は、定率法が廃止され定額法のみとなります。
海外では減価償却について、定率法の採用が主流となっているため、国際会計基準に合わせようという、政府の意向を受けた税制改訂です。
適用開始時期:平成28年4月1日以後に取得したもの
4)企業版ふるさと納税の創設
地方公共団体が行う一定の地方創生事業に対して、寄附を行った場合に、法人事業税等から税額控除が認められます。
受け取った特産品を収益として計上しなければならない点は、個人のふるさと納税とは趣旨が違うので、注意が必要になります。
控除額 | 控除の上限 | |
---|---|---|
法人事業税 | (1)寄付額の10% | 法人事業税の20% |
法人住民税 | (2)寄付額の20% | 道府県民税の20% |
法人税 | (3)法人住民税で控除しきれなかった額 | 法人税額の5% |
適用開始時期:平成28年4月1日以後に寄附を行ったもの
5)空き家に係る譲渡所得の特別控除
相続により取得した一定の家屋で旧耐震基準しか満たしていないものを、耐震改修して売却した場合や、建物を取り壊してその敷地を売却した場合に、売却益から3,000万円を控除することができるようになります。
820万戸を超える日本の空き家、そのうち多くが30年以上前に建築されたものであり、相続されないまま廃墟になっていくことが問題なっています。適正な管理を相続人が行うことで、空き家が犯罪の温床であったり、災害時に2次被害を起こさないよう、求める代わりに、一定の控除を付与する制度です。
適用開始時期:平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に売却
財務省のホームページから更に確認してみよう
改めてこうして振り返ると、税制改正は今の世の中に対する写し鏡と言っても、過言ではないかもしれません。
自分に影響がありそうなものは、更に詳しく財務省のHPから、確認することをお勧めします。
それでは、新年度入りの4月も張り切って行きましょう。