独立前に検討すべき退職金利用の節税テクニック

退職金

 先立つ資金がなければ退職後起業したとしてもすぐに行き詰まってしまう。若い時に多額の自己資金を手に独立する人は少ない。独自のポジションがあり、会社を円満にやめることが可能で、会社と業務委託契約の交渉が可能なら、契約金を初年度は退職金としてもらおう。貯蓄があれば維持可能、自分へ入ってくるお金も効率的に節税可能だ。

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20代の独立志向者に告ぐ 200万円はすぐ消える

 企業の終身雇用制度が崩れた昨今、ビジネスマンの独立志向は益々旺盛だが、開業した後10年後に30%、20年後に50%の企業が廃業しているという。※1
  
 また20代単身世帯の平均貯蓄額は231万円程度であり、うち約30%が無貯蓄であるという。※2
  
 仮に会社を独立し20代平均貯金額を保有していたとしても、独立後無収入の状態が6ヶ月もすれば貯蓄は大幅に毀損され心の余裕もなくなる。
 
 自分の構想するビジネスに自信がある、既に着手しマネタイズできている、既知の資本調達先がある、などのエビデンスがないなら、自己資金は多いに越したことない。

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できていることをお金に 退職金で節税

自己資金を多くするために効果的な節税方法は 「会社と一年の委託業務契約を締結し、初年度の契約金を「退職金」とみなして支払ってもらう。」ことだ。
  
 上司または経営者と相談し以下の手順で交渉を進めよう
 
 ①会社を退職し独立したい旨を伝える
 
 ②一年は業務の引き継ぎに時間を要す旨を伝える
  
 ③引き継ぎ期間として一年をかけ後進の教育、業務ノウハウを教授する意思を伝える。
  
 ④後進の教育や引き続き業務を行う対価を退職金に加え支給してほしい旨を伝える。
 
 引き継ぎ期間のフィ500万円を退職金としてもらえた場合、退職所得控除が働き支払い税額が15万円程度で済むのに対して、給与として500万円を支払われる場合は100万円程度を税金として支払う必要が生じる。80万円の節税が可能となる。

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限定1回のみ有効 退職金節税の注意点

 勤務していた企業から退職金を支給される節税のチャンスは一度切りだ。
  
 業務委託契約の契約交渉を行うにしても会社で有能と認められ、独自のポジションを築いている必要がある。
  
 もし、条件を満たしているならば退職金節税をお薦めする。
 
 会社も年収同額を退職金として支払った際、雇用保険の半額負担を支払う必要がないので、支出が抑えられメリットが生まれる。
 
 あなたは一括で資金を確保することでキャッシュ・フロー良好になり、委託業務契約を締結することで、一年後自分の思った方向性でマネタイズができていなくとも再度会社と交渉し生き延びる選択肢を残すことが可能になる。
 
※1
中小企業庁発行「中小企業白書2011」
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h23/h23_1/Hakusyo_part3_chap1_web.pdf

※2
金融広報中央委員会「平成25年、家計の金融行動に関する世論調査」
http://www.shiruporuto.jp/finance/chosa/yoron2013fut/pdf/yoronf13.pdf

退職金
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