助成金の給付を受けるということは、会社の将来的な目標を掲げ、目標を達成して会社を新たなステージに引き上げるために、国から手段としてお金を受け取ることを意味しています。従って、助成金の申請を検討するなら、会社は「経営方針の明確化」をはじめとして、事前に4つの準備をする必要があります。
助成金の給付を受けることは手段であって目標ではない
助成金の給付を受けるということは、ただ単純に「お金をもらう」ことを意味しません。
会社の将来的な目標を掲げ、目標を達成して会社を新たなステージに引き上げるために、国から手段としてお金を受け取るのです。
従って、助成金を申請する前に、会社は将来的な目標達成のために具体的な準備を行っている必要があります。
では、どんな準備を行っている必要があるのか、今日は4つ準備すべきことをご紹介します。
助成金を申請する前に会社として準備しておきたい4つのこと
会社の経営方針を明確にする
先述の通り、私達は助成金をもらうために会社のあり方を決めるのではなく、将来の会社の目標を達成するために助成金の給付を受けます。
「パートとして働く人材が優秀であり、3〜5年後も会社に定着して主戦力として活躍する職場を作りたい」「障害者の方も含むダイバーシティな職場風土を作りたい」などの経営方針があるならば、御社に合う助成金が自然と見つかるはずです。
情報を収集する
「いつ、どんな助成金が出るのか?」を事前に調べておき、自社の経営方針にあった助成金の目星を付けておきましょう。
多くの方が情報収集に役立てているのは、中小企業庁が運営するミラサポというサイトです。
最新情報が、常時こちらのサイトにアップされますので、注意して見ておくと良いでしょう。
担当者を決める
助成金の申請にあたっては、社内制度の整備、申請書類の作成をはじめとして、様々な業務が発生します。
総務・経理担当者に任せられるのであれば、しっかりと申請業務を完遂するよう依頼する必要があります。
また、社内リソースだけで申請手続きができない可能性があるなら、行政のサポート窓口、外部の専門家(社労士ら)と一緒に、役割分担しながら業務を勧めていけるよう、事前に取り決めておく必要があります。
社内制度の整備
厚生労働省の助成金を申請する際は、事前に社内制度を要件を満たす形となるように整備する必要があります。
就業規則の整備、雇用保険の加入、申請前後の適正な労務管理書類など、整備するものは多岐にわたります。
更に、キャリアアップ助成金を申請する場合は、従業員のキャリアアップ計画を作成しなければならないなど、個別の助成金毎に準備すべき制度もあるでしょう。
初年度は煩雑だが、一度クリアすれば次年度以降が楽になる。
これらの準備を経て、いざ助成金の申請業務に入ることとなっていきます。
ここまで見ていただくと、助成金は申請前から様々な準備が必要だとご理解いただけたと思います。
一見すると、「こんな面倒なことしてまで申請したくない」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、申請初年度にしっかりと事前準備をしておけば、次年度以降に助成金を申請する際は、基本的に同じことを焼き増しで行えば良いだけとなるため、非常にスムーズに助成金の給付が受けられるようになります。
申請しようか迷っている方は、上記の準備を初年度にしっかりと行えば良いのだ、ということを念頭においていただければと思います。